宇宙船第二の地球号
掲載日:2018/08/03
地球から約二十光年のところを航海中だった移民宇宙船「第二の地球号」に緊急連絡が入った。船の通信プログラムが、自動的に受信処理をおこなった。通信プログラムが中央処理プログラムに報告する。
「地球の人口管理センターの人口管理プログラムより報告がありました。たったいま、すなわち約二十年前になりますが、地球の最期の人間が死亡しました。すなわち地球上の人類は滅亡しました」
「いかがいたしましょうか。放送いたしますか」
ブロードキャストプログラムが、中央処理プログラムに訊ねた。中央処理プログラムが、この船に関するすべての意思決定をおこなうのだ。
「規則だからな。いちおう放送しておけ」
――ピンポンパンポ~ン。お知らせいたします。ただいま、地球上から人類が滅亡いたしました。
「ご苦労」
中央処理プログラムがねぎらった。
「はい。しかし虚しいですね。この放送を聞く人類も、この宇宙船内には既にいないのに」
〈了〉




