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こちら、夢幻実現社です。  作者: よりしろ
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ルル「非日常のはじまり」

自転車を漕ぐこと10程度、目的地が見えてくる。


「ルル?」

「どうしたの?」

「振り落とされてたりしない?」

「だいじょ、ぶ、だよ」

「それなら良かったよ」


ここに来るまでも少し話しながら自転車で進んでいた。

目的地に着いたため、いつもの場所に自転車を止め、ルルを下ろす。

「降りれるか?」と聞き手を差し伸べる

「ありがとう」と手を取りゆっくり降りる

そのまま目的の施設内に入る。

.

.

.

「すごい音だね」

「いろんなゲームの音が混じってるからね」


目的地とはゲーセンのことである。

中学生の時にハマって以来、時間があればここに通っている。


「さて、どんなゲームをしようかな…」


レースゲームや音楽ゲーム、パチンコや競馬ゲームもあれば将棋や麻雀、格ゲーなどなどあらゆる種類のゲームが揃っている。

女の子とのデートなどしたこともない上に、ゲーセンで遊ぶなどいきあたりばったりな計画でどうしようか悩むが、ここは1度ゲーセンの楽しみ方を伝えようと思った。

幸いそんなに人がいないからのんびりゆっくりできる。


「じゃあルル、今からこのゲームをやるからちょっと見ててくれ」

「?わかった…」


と選んだのはとりあえず自分の1番出来る音楽ゲームだ。

ルルは「ゲーム」の存在すら知らないと思い、とりあえず見てもらおうと思った。

やりたいと思ってほしい為、簡単なのを選曲して見せた。


「どうだった?」

「よく分からなかった、けど、すごい…の、かな?」


まぁ、そんな感想だろう。

実際このゲームでは何をすれば良くて、何が良くないのかなんて事も説明してない。

とりあえず楽しんでほしいのだ。


「よし!じゃぁ次行くぞ!!」


ルルの手を引き、次なるゲームへ向かった。

.

.

.

(少し遡り、ルル視点)


「…」


海利がげーむっていうのをやってるらしい

曲?を選んで、流れてきた線をたたいてる。

目で追うのが精一杯な私と違い、海利は反応してたたいてる。

みっつめが終わって、こっちを向いた。


「どうだった?」


どう、だったか…

よく分からないけどあんなのできるのはすごい事なんだろうと思った。


「よく分からなかった、けど、すごい…の、かな?」


あいまいな返事だった。

海利は頑張ってげーむをやった。

単純にすごいとおもった、それだけだけど彼はきっとそれだけを望んでないと考えた。

けど彼は違った。


「よし!じゃぁ次行くぞ!!」


彼は楽しいのかな…

私は「楽しい」なんて分からない

.

.

.

(時間は進み、海利視点)


あれからいろんなゲームをして遊んだ。

カードゲームをやったり、レースゲーム、その他違う音楽ゲームなど色々して見せた。

ただ、ずっと気になるのがルルの表情が何一つとして変わらない事だった。

楽しいのかつまらないのか、聞いても初めてだから返事しにくいのはわかるけど…


時刻は3時、お昼ご飯も要るか聞いたけど「いらない…」と断られてしまったし、どうしようか。

やはりおれにエスコートなど…

…となどと考えているとルルがとあるものを指さした。


「あれは、なに?」

「ん?あれって?」

「あのはこみたいなの…」


その先にあったのはプリクラだった。

おれ自身写真はあまり好きじゃないしプリクラなんて撮る相手もいないので、人生で入ったことすらない。


「もしかして…あれ興味あるの…?」

コクン


無言の頷き

これはなんかやべぇやつ…

と、ここで疑問があった。


ルルは人には見えないこと


ゲーセンに居て確信したがどのゲームをやっていてもおれが少女と一緒に居てほかの客の視線は常におれに向いていた。

店員にも話しかけてみたが視線は常におれにしか向かず、ルルの方は一切目を合わさなかった。

そんなルルが写真に映るのかどうか不思議なのだが…


「よし!じゃぁ行くか!!」


悩むな、進もう。

ルルが初めておれに「興味がある」と言ってくれたんだ。

ならおれはそれに全力でこたえよう。


ルルの姿が見えてないならおれ1人でプリクラの中に入る図がほかの客には見える訳だが構わん。

ルルと手を繋ぎながら入り、プリクラのアナウンスに従って写真を撮っていく。


「は〜い!じゃあ今からプリクラ撮るよー!」


と目の前の四角い画面におれとルルの姿が映された。

どうやら写真には映るようだ。


「は〜い!最初はピース!!」

「ぴーすって、なに?」

「手をこうやってやるんだよ、顔の横に手を持ってくるのさ」

パシャ


1枚目、いい感じに撮れた、ルルがぎこちないけど


「じゃぁ、次わぁ…お姫様抱っこ〜!!」


難易度高ぇなぁおい!?!?

だが、指定されたからにはやるしかなく、ルルを抱き抱える。


「?どうしたの?」

「お姫様抱っこって言われただろ?これがこれ」

「ふーん…ピース」

カシャ


2枚目もいいだろう、まぁおれがぎこちないが

だんだんルルが写真を撮ることに慣れてきている

ルルをお姫様抱っこの状態から下ろそうとした時


「じゃぁ、最後はそのまま王子様のほっぺにちゅー!!///」

「は!?」


プリクラってこんなに過激なんですか

まずちゅーとかルルしらんでしょ


「これは…?」

「えー…ルルが、お、おれのほ、ほっぺに口をあてるんだよ…」


限界すぎた、いくらルルが知らないとはいえきつい

いま最高に顔が赤いだろう


「あ、別にやらなくて…」


と言うのと同時に、ルルは頬にキスをした。

.

.

.

(ルル視点)


トイレに行った、海利が。

ぷりくら?のしゃしん?を私に預けたままトイレのまえでまってる

おひめさまだっこ?されてからちゅー?をしたのがいけなかったのか顔をすごく赤くして何も話さなかった。


「海利と、ルルの、しゃしん」


2人がつくった初めてのモノ

私はこれと一緒

かれの、かれのための、かれは…


「ごめん、待たせた」

「ううん、大丈夫だよ」


また嫌なもやもやが来たけど、海利が来てくれたからすっとどこかに消えていった。


「じゃあ、とりあえず帰ろうか」

「わかった」


何を考えてたかも、海利が来てからの一瞬で忘れてしまった。

たぶん、きっとかんがえないほうがいいことなんだとおもう

答えの出ない、答えのないことに…


「しっかり捕まっててな?いくぞ!」

「おー」


私はただ、今は彼と過ごすだけ。

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