女の子「押し入れに...」
頭が動かない、目を疑った、何度も。
寝起きだからとか変に寝た、疲れたからなんて理由じゃない。
今自分のベッドの上にすごく見た目がべりーぐっどな女の子が寝てることがあまりにも異常、予想外すぎて対処法がわからないのだ
「え、えぇ...なんこれ...(困惑)」
この状況なら普通の反応だろう
とりあえず今の状況を考える
・寝てた
・ベッドの上に女の子
・なんか若干服はだけてる
・♂と♀
・ベッドの上が散らかってる
「完全に事故じゃねぇかぁぁぁぁぁ!!??」
.
.
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とりあえず押し入れに閉まった
何を閉まったかって?女の子だよ
とりあえず家族にバレるのはまずい
バレたら最後
「は?襲うとかキモすぎかよ」
とか妹に罵られた挙句
「ちゃんと責任を...ウンタラカンタラ」
と親に説教される未来が見えるてかそれしかないよねうん
「隠すのはいいが...起きたらとりあえず何を聞けば...」
少女のことを何も知らない今、起きたら追い出してバイバイサヨナラは性格的に出来ない
なら理由を聞いてできる限りバレないように一緒に生活するのが最善手だろうと考えた
「べ、別に下心とかな、ないんだからねっ///」
とか言いながら押し入れを確認する
まだ女の子は起きていない
本来なら今すぐお風呂に入ってゲームしてウホウホして寝たいところなのだが、放って置いたらなにをするか分からないし、最悪親にバレてこの家からサヨナラバイバイだ。
何としてもそれは避けたいので起きて理由を聞き、状況を説明してからでないと安心して離れることが出来ない。
「てかなんで押し入れに入れたん...」
部屋に自分以外の人が入ることは滅多にないのでバレることはないのだが咄嗟に取った行動がそれだったので仕方ない。
再びベッドの上に戻すが、
「自分のベッドの上に女の子とかほんとにやばいな...」
どうやったら起きるのか、普通なら声をかけたり体を揺らしたりするのだろうがコミュ障卍&女の子とか神聖過ぎて触れられないので今の押し入れIN、ベッドINするだけでも精一杯だった。
どう起こしたらいいか悶々としてる間に動いた。
「あ、起きた」
女の子は特に眠そうなこともなく、こちらを見て一言。
「おはようございます、上城 海利さん」
「お、おはよう...?なんで名前しってんの...?」
「わかりません、ただ気づいたら口にしてました」
「そ、そうか...君の名前は?」
「私の...?そんなものはありません」
「あー、まじ...?名前は後で付けるか」
とりあえず、今の状況を説明した
理解が早く、この部屋にいてくれることを潔く承諾してくれた。
「じゃ10分程離れるけど部屋にいててくれ」
「あ、あと本とか気になるものあったら適当に触ってくれていいよ」
「わかった...」
そうして部屋を後にした
.
.
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10分後
部屋に戻った海利は改めて質問をいくつかした
が、結論としてこの子の素性は全く分からない
どこから来たのか、名前は、何が好きで嫌いか、思い出、過去の記憶も聞いてみるがそれも分からない。
質問は無意味だと結論づけた海利は
「えー、じゃあ明日からとりあえず必要なものとか買いに行ったりするか!」
「必要...私に何を...」
「服とかいるだろ?ファッションとか分からんけど店の人に聞けばいいし、あー、でも下着とかきつくね...なんとかするか...」
「上城 海利さん、私にそんなことまでしてくれるの?」
「あ?まー、そうだな...しなくてもいいけどさ、ここであったのも何かの縁だし、折角なら楽しまねぇとな!」
こんなこと、人生に2度もない、確実に。
かわいい子が目の前にいる、そんな千載一遇の素晴らしい時間を過ごせるチャンスを逃したくなんてない。
だから
「改めて、おれは上城 海利!よろしくな!」