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割と本気な大革命  作者: 壁殴り代行と黒歴史処理
ゼルファイスの平穏
3/4

甘すぎる性格

かなり遅れてすいません。ちょっとリアルがとても忙しくてなってしまいました。

これからは随時更新します。

ん。ふわぁぁ。

二時だ。こんな早く起きてしまった。二度寝しようかな。とりあえずカーテンを開けるといい感じの藍色の空が見えた。うーーーん。散歩でもするか。よし、コーヒーを飲もう。


+++

うわ、ヤヴァイ。かなり暑い。もう夏だ。誰だよ夏なんていう季節つくったのは。お前か!?ん?何だあれは?

「ぐぇぇぇぇぇ。」

綺麗な赤髪ロングが呻いている。顔は見えないが女だろう。正直近づきたくはない。こんな早朝だ。もはや深夜と言っても構わないレヴェルだ。ただ単なる屍かもしれないし、私みたいな無用心なやつを襲う犯罪者かもしれない。しかし、このまま放っておくのは目覚めが悪い。でも、こんなところで倒れているのはどうしてだ?まぁとりあえず話しかけてみるか。

「おい、大丈夫か?」

「大丈夫に見える?」

は!?可愛い!?じゃなくて吸血鬼!!吸血鬼ってこの国にもいたんだな。びっくりだ。こんな姿を’連中’に見られたりしたら殺されてしまうな。ヤバイ、吸血鬼を見てしまったせいで色々緊張感が変な方向に向いちゃってるな。どうしよう?何だか妙に興奮してるな。

「お~い。逃げなよ。僕が吸血鬼だってことわかったなら。」

「あ~~、そうだな。逃げたほうがいいかもな。しかしこの私こと、ゼルファイスはそんな目覚めが悪いことはしたくないし、そんなことができるほど心が強くないからな。血でどうにかなるのなら分けさせていただきますよ?」

「そうかい。その甘さが君のすべてを蝕むことになるかどうかはさておき、感謝するよ。」

腕を噛まれた。

ウワァァァァァァァ!!痛い、痛すぎる!そして血が引いてきた。まさか死ぬのか。俺はいっときの油断と甘さで吸血鬼に殺されるのか。そうか。死ぬのか。やり残した事はかなりある。恋愛も、青春も、苦労も、残酷な事も、涙も、喜びも、怒りも、楽しみも何もかもが消えていくのか。あぁぁ、めまいがしてきた。どうせならもっと早く殺してくれ。何も怨恨が残らぬように。

            





親族に全く関係もなく、本当に突然見たこともない黒髪に恐怖を感じた親に捨てられるという不幸に見舞われたあげくに吸血鬼に血を吸われて、ゼルファイスという名の罪なき、少年は命を落とした。






なんてことはなく、吸血鬼の牙は鋭いが痛くなくて大丈夫だったし、そこまで血は吸われなかった。

「そんな恩義を仇で返すそうな真似を誇りある吸血鬼一族はしないよ。それとも僕に血を全て吸ってほしかったのかな?相談に乗るよ?」

「私にそんな趣味はないし、死にたいわけでもねぇよ。」

ちょっと自分に自信とかがないとか、秀でいる部分がないことに憂鬱を感じることはあってもそこまではない。まぁ、本気で考えたことはあるが。

「そうかい。と言うより君は‘救済神レスロイド‘を信じていないようだね。」

救済神レスロイドか。謎の人間至上っぽい事を言っている神様だ。この国は唯一神の宗教である、救済教を主軸にした国ではあるが、100%の人間が信じているわけではない。が、限りなく100%に近い人間が信じているだろう。勿論私は信じていない。

「そうだな。そんな事を気にするのは今更過ぎるとは思うけどな。」

「そうだね。正直君の足音が聞こえてきたときは死ぬかと思ったよ。それも今さっきの君みたいな事を考えてしまったよ。」

「私みたいにか!?」

「流石に僕にそんな妄想癖はないけどね。命の恩人にこういう事言うのもなんだけど気持ちわるいよ。」

こ、心に刺さる。吸血鬼の牙並みに鋭い言葉の針が刺さる。グハァァァ。そして気持ち悪いことに関しては全く否定できないところがまた痛い。

「やめてくれ。お前を救ったことに後悔が生まれてくるから。」

「あれ?君はマゾじゃなかったんだね?」

マゾとは知っている人の方が多いとは思うが、痛みや精神的苦痛などで興奮する性癖を持っている人の事を指す。まぁ正直全く分からない。理解できない。というか私は痛い事はとても苦手なのだが!?

「いつから私はマゾだとおもっていたんだ!?」

「ほらそこで大きな声をださない。憲兵団がきちゃうでしょ?」

憲兵団か、確かに考えてみれば危ない。見つかったら殺される!って今頃かよ!?

「お前のせいじゃないのか!?」

「なんで急に小さい声でキレるのかな?聞こえないよ?」

小首を傾げる。可愛い。しかし、今はそんな事考える余裕がない。ヤヴァイ。冷や汗が出てきた。

「キレてる事がわかってるなら何が原因か考えろよ!?」

「う~~~ん。分からない。てへぺろ。」

鋭い牙と柔らかそうな舌が見える。

くっ、かわいい。負けだ。

「というか、こんな国に吸血鬼の居場所なんてなさそうなのにな」

「露骨に話を変えたね。まぁ、あるわけないよね。居場所なんて。」

物憂げな顔をした。何というか、なんとも言い難い顔だ。

「じゃあ、もうそろそろ人が出てくるから帰れよ。」

「そうだね、じゃあ、またね」

そして吸血鬼と別れた。

ちょっと感動できそうな綺麗な朝焼けが見えた。はぁ、この綺麗な朝焼けも彼女には刃に変わるのだろうか。


いかがでしょうか、今頃主人公の一人称を後悔してます。

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