表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/102

地下坑道のゴーレム

新しいアニメが始まりますね!

個人的にはオ〇バ〇ロ〇ドと進撃〇巨人が楽しみです!


前回のあらすじ。

地下坑道にいたゴーレムとニムリが戦った。



 またアナグマ型のゴーレムが1体現れた。


「今度はわたしがやるね! 『身体強化ストリングゼンボディ』!」


 アンリが魔法を唱えて、アナグマ型のゴーレムに向かっていった。

 迎え撃つアナグマ型のゴーレムの前足がアンリに振り下ろされる。


「よっと! 『闇波ダークウェーブ』!」


 アンリはアナグマ型のゴーレムの攻撃を避けて、新しく習得した魔法を唱えた。

 アナグマ型のゴーレムの足元に波打つ闇の水たまりが発生し、波打つ闇の水たまりに接触したアナグマ型のゴーレムの足が崩壊した。

 だが、アナグマ型のゴーレムがすぐさま崩壊した部分を地面に突っ込むと、元通りに修復された。


 どうやら闇魔法で攻撃しても、上の坑道のゴーレムと違って、アナグマ型のゴーレムの再生を阻害することはできないようだ。


 アナグマ型のゴーレムが修復される様子を魔力眼で見ていたベルムートにはわかったが、どうやら辺りの濃い魔力が影響しているようで、アナグマ型のゴーレムは周囲にある高濃度の魔力を使うことで、高い再生能力を実現しているらしかった。


「『光球ライトボール』!」


 闇魔法があまり有効でないことを悟ったアンリは、今度は光魔法を唱えた。


 光の球がアナグマ型のゴーレムの前足を貫通して後ろ足まで届き、後ろ足を半ばまで砕いたが、アナグマ型のゴーレムが砕けた足を地面に突っ込むとすぐに修復された。


「それなら!」


 それを見たアンリは、遠距離からの魔法攻撃だけでは倒せないと考えて、鋼鉄の剣に魔力付与エンチャントしてから、アナグマ型のゴーレムに切りかかった。


「っと! やあああ!」


 アンリは、アナグマ型のゴーレムの攻撃を躱して、アナグマ型のゴーレムの前足を1本切り飛ばした。


「やああ! 『光球ライトボール』!」


 アンリはそのままがら空きになった胴体に跳び込み、至近距離からアナグマ型のゴーレムの胴体目掛けて光の球を放った。


 光の球によってアナグマ型のゴーレムの胴体に穴が空いたが、さすがに胴体は他の部位より頑丈にできていたようで、魔石の手前までしか貫けなかった。


「やあああ!」


 だが、穴が塞がってしまう前に、アンリはすかさず剣で魔石を貫いた。


 アナグマ型のゴーレムの四肢から力が抜けて、アンリの方へと倒れてくる。


「うわわ!」


 危うくアナグマ型のゴーレムの下敷きになるところだったが、どうにかアンリはその場から飛び退くことで事なきを得た。


「やった! 倒した!」


 アンリは喜びの声を上げた。


「最後ちょっと危なかったけれどね」


 エミリアが微苦笑しながら言った。


「魔法があると、結構簡単に倒せんだな」


 ニムリは感心しているようだ。

 その後、ベルムートはアナグマ型のゴーレムを調べた。


「だいたいわかった。先に進むぞ」


 アナグマ型のゴーレムを片づけたベルムートは、アンリたちに声をかけた。


「わかった」


「わかったわ」


「おう」


 ベルムートたちはさらに進んで行く。

 今のところ分岐点はなく、一本道だ。

 ただ、どうやらこの地下坑道は、螺旋状の緩やかな下り坂になっているようだ。

 理由はわからないが、意図的にそういう風に作られたのだろうとベルムートは考えた。


 少し進むと、また1体、アナグマ型のゴーレムが現れた。


「次は私ね」


 今度はエミリアがアナグマ型のゴーレムの相手をするようだ。


「『氷大球アイスキャノンボール』!」


 エミリアが魔法を唱えると、大きな氷の球がアナグマ型のゴーレム目掛けて放たれた。


 大きな氷の球はアナグマ型のゴーレムの前足を砕いたが、今までと同じようにすぐに修復されてしまう。


「やっぱりダメね」


 いくら威力があっても、手数がなければアナグマ型のゴーレムには通用しない。

 そのことはエミリアも分かっていたが、一応試してみたようだ。


「『身体強化ストリングゼンボディ』!」


 エミリアは特殊能力ユニークスキル怜悧れいり倍旧ばいきゅう』を使いながら、魔法を唱えた。


「行くわよ!」


 エミリアは、アナグマ型のゴーレムに向かって駆け出した。


「はっ!」


 エミリアは、悠々とアナグマ型のゴーレムの攻撃を躱しながら、細剣に魔力付与エンチャントしていく。


「はぁああああああああっ!」


 細剣に魔力付与エンチャントが完了したエミリアは、アナグマ型のゴーレムの胴体に連撃を叩きこんだ。


 魔石が胴体にあることは分かっているので、エミリアはニムリと同じように連撃でアナグマ型のゴーレムの胴体を削る手段を取るようだ。


「はぁっ!」


 アナグマ型のゴーレムの魔石が露出したところで、エミリアはそのまま細剣で魔石を刺し貫いた。


「ふっ!」


 すぐにエミリアがアナグマ型のゴーレムから細剣を抜いて距離を取ると、アナグマ型のゴーレムがその場に倒れて停止した。


 エミリアは、アンリのようなヘマはしでかさなかったようだ。


「ふぅー……」


 特殊能力ユニークスキルを使った反動でくる頭痛を堪えるように、軽く頭を押さえながらエミリアが戻ってきた。


「エミリアどんどん強くなるね! わたしもがんばらないと!」


 アンリはやる気を漲らせた。


「ありがとう。アンリも強くなってるわよ」


「本当!?」


「ええ」


 エミリアに褒められて、アンリは嬉しそうな表情を浮かべた。


「すげぇな! 剣1本なのに、あたしと同じくらいの速さの連撃だったぞ!」


 ニムリが興奮して言った。


「魔法を使って、身体能力を底上げしていたからね」


「そんな魔法があるのか! どうやったらできるようになるんだ!?」


「私はベルムートに教わったから、ベルムートに聞いて」


 エミリアが答えると、ニムリはベルムートの方を向いた。


「どうしたらいいんだ!?」


「ここを出たら教えよう」


「今教えてくれよ!」


 ベルムートの返答を聞いて、ニムリは逸る気持ちを抑えきれずにベルムートに詰め寄った。


「習得には時間がかかる。今はこの地下坑道の探索が優先だ」


「む、しょうがねぇな……なら、ここを出たらちゃんと教えてくれよ?」


「ああ」


 ベルムートは、ニムリに『身体強化ストリングゼンボディ』の魔法を教えることを約束した。


(それにしても、アンリとニムリの戦いを見ていた分、対策が立てられていたエミリアが一番スマートにアナグマ型のゴーレムを倒したな。とはいえ、アンリとニムリも次からはもっと効率よくアナグマ型のゴーレムを倒せるはずだ)


 ベルムートは3人の戦闘力を高く評価していた。


(この分なら、アナグマ型のゴーレムの相手は、3人に任せてもよさそうだな)


 ベルムートはそう判断した。


「行くぞ。ゴーレムの相手は任せた」


「うん」


「ええ」


「おう」


 ベルムートたちは、さらに先へと進んだ。


 その後も、アナグマ型のゴーレムとの戦闘が続いたが、アンリたちは回数を重ねるにつれてどんどん動きが良くなっていった。


 そして、ベルムートたちはさらに下へ下へと下っていき、やがて壁に突き当たった。


「どうやら行き止まりのようね」


 エミリアが呟いた。

 エミリアが見たところ、突き当りは周囲と同じ岩の壁になっていた。


「いや、まだ先はある」


「え?」


 しかし、ベルムートには違うものが見えていた。

 エミリアはベルムートの言葉が理解できず、首を傾げた。


「『地裂フィシュアグランド』」


 聞き返してくるエミリアを余所に、ベルムートは行き止まりの壁に手をついて魔法を唱えた。

 壁に亀裂が入ったかと思えば、一気に壁は崩れ去り、隠されていた扉が露わになった。


「やはりな。隠蔽されていたようだが、奥へと続いている魔力の流れまではごまかしきれなかったようだな」


 ベルムートは独りごちた。


「わっ! 扉だ!」


 岩壁から現れた扉を見て、アンリが驚いた。


「マジか! てか、なんでこんなところに扉があるんだ?」


 ニムリは驚きながらも不思議がっている。


「隠し扉だったのね……。わざわざ隠すってことは、見られたくないものでもあるのかしらね」


 エミリアが思案気に呟いた。


 扉は、ゴーレムが出入りできるような両開きの大きな扉だ。

 この扉の先に魔力が流れていっているのをベルムートは感じていた。


「さて、この扉の向こうにはいったい何があるんだろうな?」


 ベルムートは口角を上げた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ