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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第一部 ハードボイルドがわからない件について(仮)
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なれないことはすぐに忘れてしまう件について(仮)


 それにしても、この文様はすごいな。一見すると刺青みたいだから、学校では誰にも見せられない。特に先生なんかに見られると、停学くらいにはなるだろうな。

 かおるは、頬を腫らしながら、ゆっくりと浴槽に浸かっていた。

 先ほどハルカは本日二度目の鉄拳をかおるに食らわした後、夕飯をなぜか恥ずかしそうに作った後、先に食事をさっさと済まして、お風呂に入った後、部屋にこもってしまった。かおるはそんな彼女の後を追うように食事を済まして、現在お風呂にて、自らの右腕をまじまじと眺めていた。

 まさか、この文様のおかげで、本当に漆黒の力なんてものを手に入れるなんてあったりしてな。まあ、でもそんなことになったら、絶対変な組織とはに関わらないといけないからめんどくさいけど。

 かおるは浴槽からあがろうとして、上に挙げていた右腕を一旦浴槽内のお湯につけた。そのとき、なにか変な音がする。

 

 ジュー

 

 まるで、水が蒸発するような音だ。その音に反応して、右腕を見るが、何も変なところはなかった。かおるは空耳かなと思い。特に気にすることなくお風呂を後にする。

 かおるは去ったあとの、お風呂にある浴槽のお湯は彼が去ったあとに、先ほどと同じように音を立てて、数秒の間にすべて蒸発してしまっていた。


 


 翌朝、かおるはいつもよりもかなり寝坊をした。昨日、鉄拳を受けた右頬の腫れは幸い引いていた。でも、もしかしたらダメージが体の中で蓄積されていて、それがこの寝坊に繋がったのかもしれない。

 かおるはそんなことを考え、ゆっくり起き上がった後、ようやく時計を見る。するとそこには、短い針が8を刺していて、長い針は4を刺していた。

 これはやばい、ようやく頭が働きだしたかおるは、急いで準備をする。なぜ、今日はハルカが起こしてくれなかったのか、いつもなら、起きるのが遅いときは起こしてくれるのにな。もしかしたら、昨日のことをまだ怒っていたのかもしれない。

 かおるが右腕を制服のカッターの袖に通そうとしたとき、あることに気が付く。


 (あれ? なんか広がってる? 


 よく見ると、右腕の文様がひじのところから、少し肩のほうに伸びているきがした。

 かおるは自分の気のせいかもしれないと思う。今はそんなことを考えている暇ではなく。早く準備をしていかないといけない。

 そこからは10分をしないうちに用意を済まして、リビングにある食パンを飲み物で流し込み、家を8時半を少し過ぎた頃にでた。かおるたちの学校のの始業時間は8時50分なので、走っていけば、充分間に合う。かおるは学校に向けてダッシュする。





 「なめてんじゃねーぞ! こら!!!」


 一人の人間のこぶしがある人間の顔面に飛んでくる。しかし、それを軽くしなし、彼はこぶしを飛ばしてきた人間のがら空きのおなかに回し蹴りを食らわす。なんの準備もしていなかったところに飛びこんできたものの衝撃に、一人の人間が悶えうずくまる。

 かおるはその光栄を後ろから見ていた。そこは、かおるの学校までに道のりの通りである。そこに不良と思われる人間が四人いた。今さっき、その中の一人が脱落した。

 マジかよ。ここを通らないと多分間に合わない。でもこの中横を通ることが許されるのか? 

 かおるは四人のうち一人の人物を見る。江良さんだ。我が高校の一番の不良、その人物である。それが三人、今は二人になったが、それに喧嘩を売られていた。


 「くそ! おい、二人でいっきに行くぞ!!」


 「わかった!」


 「お前らみたいなやつが、何をやってきても無駄じゃ。」

  

 江良に二人が一声に殴りかかっていく。彼は一人目のパンチをかわし、すかさず、そいつの後ろにいた人間に前蹴りを食らわして、後ろにいるさっきのやつに顔面パンチを食らわした。その後、うずくまっている前蹴りをくらったやつの顔面に蹴りを入れる。

 かおるはそれを見て、すごいなと思うと同時に今だ! と思い。彼らの横を通りぬけようとする。すると、いきなり声をかけられた。


 「おい! お前、携帯持ってないか?」


 あわてて、振り返る。声をかけてきたのはあの江良さんだった。


 「あ、ありますけど・・・。」


 「救急車呼んでやってくれへんか? こいつら手当てしてもらお、おもてな。」


 自分がぼこぼこにした人間に対しての謎のやさしさに不思議を感じながら、かおるは救急車を呼んだ。すると、江良さんが目を見開くながら話しかけて来る。かおるが身構える。


 「お前・・・、偉い気合入ったもんいれてんな!!」


 彼はかおるの右腕を見て言ってくる。かおるも右腕を見ると、そこには何ものにも隠されていない右腕があった。


 「あっ、」


 急いできたので、包帯で腕も文様を隠すのを忘れていたのだ。昨日ハルカが部屋にこもったこともあり、包帯を巻くことをすっかり忘れてしまっていた。


 「でも、お前、そんなんで学校いったら、停学なるんちゃうか? みるところ同じ学校やと思うけど、あそこ校則緩いし、生徒にも基本的にやさしいけど、さすがにそこまでの刺繍はなあ。」


 「いや、これは刺繍とかではないんですけど、その。参ったな。一旦家に戻るか。」


 かおるが遅刻を覚悟した発言をしたとき、江良さんが肩を叩いてくる。


 「しゃーない。それを隠す手伝いしたるわ。」


 「えっ!?」


 「俺にまかしとけ!!」


 そういうと、普段学校では絶対にみない江良さんの笑顔を向けてくる。かおるは、いや家に帰って包帯でもまくんでいいです。といいたかったが、彼の圧力に屈してしまった。とりあえず一緒に学校までいくことになった。

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