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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第一部 ハードボイルドがわからない件について(仮)
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変なうわさには鉄拳が付いてくる件について(仮)


バタン!!!


 勢いよくドアが開けられ、閉められる。


 はーはーはーはー。


 かおるは息を切らしながら、リビングへと入っていく。制服のブレザーを脱ぎ捨てて、冷蔵庫を開け、中からストレートのインスタントのコーヒーパックを取り出して、一気に口に注ぎ込んだ。普段なら、こんなことはしないが、中身が後少しであるということもあり、かおるはコップに注がずに直接いった。パックの中身はすぐになくなる。それをかおるはゴミ箱に投げ捨てる。しかし、一発では入らず地面に落ちてしまったので、拾い入れなおした。

 時間もたち、息も整ってきたので、投げ捨てたブレザーをリビングにある椅子へとかけて、指をならした。リビングのドアの近くにあるテレビの下にともぐりこみ、中からゲーム機を取り出す。この家にはテレビはここにしかない。なので、ゲームをするのもここでしかできない。

 かおるは、先ほど、宮内たちに意味のわからない暴走をした結果、そのまま走って家まで帰って来た。走った理由は、自分の言った言葉が恥ずかしかった。わけではなく、気分が高揚して抑えられなくなったので走ったのである。

 彼は、先ほどの行動を最善の行動だと思っているのである。だからこそ、あの行動に自分でなんの疑問も持っていなかった。今彼の中にあるものは、ゲームのことだけである。





バタン!!


 午後五時、ハルカは家に帰って来た。予想よりも一時間以上早い帰宅だ。そのドアの音を聞いてあわててかおるはゲームを片付ける。

 しかし、片付け終わるまでにハルカがリビングに入ってきたしまった。彼女が入ってきて言う第一声はこうである。


 「ゲーム直しなさい!!」


 「はい。すぐに!」


 かおるは残りの片付けをして、ハルカが夕飯を作り終えるまで静かにしていようと、自室に戻るべくリビングをでようとしたときハルカに引きとめれれる。


 「ちょっといい?」


 かおるは恐る恐る振り返る。


 「何?」


 まさか、ゲームをしていたことを怒られるのか? いやいや、ちゃんとルールは守ってやっている。ハルカがいないときにだけすることと、彼女が帰る頃には片付けていること、後者は今回危うい判断だが、そもそもハルカの帰りが早かったのが原因だ。いや、それでも許されないのかもしれない。

 かおるは顔に汗をかく。


 「今日の放課後のことなんだけど、あんた告白されたんだって?」


 「へ?」


 告白?

 なんだそれは、おいしいのか? かおるがその言葉に感じる感想とはそんなものである。絶対に何かの勘違いであるが、ハルカの顔は何か不安な顔をしている。


 「誰から聞いたんだ? そんなこと。」


 「知美が言っていたのよ。あんたが呼び出しを食らっているところを見たってのを聞いたって、それで、あの感じは告白に違いないってうわさになってるとも言ってたわ。あの、宮内さんが男を話をしている現場なんて誰も見たことがないって!」


 「ああ、あれか。まあ、ハルカ、落ち着け。全部勘違いだ。」


 「何よ!。あの子って、あの中二病の子でしょ? あんたが、変な包帯をしだしてから、そんなことになるなんて、絶対あの子に気に入ってもらいたいからそんなことしたんだわ!」


 ハルカが巻くしたれるように話す。


 「だから、落ち着けってハルカ! 宮内とは何もない! あいつが俺に話をしにきたのは・・・・。」


 そこまでいって、かおるは止まる。ハルカになんて説明をしたらいいのかと思ったからだ。それにしても誰だそんなことを言ったのは、のろってやる。だが今はここを切り抜けねば。もし、ここで、「仲間に誘われたんだよ。中二病の。」といったとしたらどうなるだろうか、火に油を注ぐ結果になるな。これはまるで中二病を自分で肯定するようなものだ、だめだ。かといっても「この包帯のことが気になったらしくてさ。」といっても、どうだろう? この包帯のことをまだかおるはハルカにちゃんと話せていないし、できないだろう。となるとこれも大炎上の可能性大だ。殴られる。というか、なぜそもそもハルカはこんなにも怒っている。といか狼狽しているんだ? もし、告白されていたとしても関係がないのにな。変なやつだ。長い付き合いだが、ハルカの沸点はよくわからないところが多い。

 

 「話しをしきたのは何よ? いえないことなの?」


 「違うって、今のお前は変な勘違いをさらにするからいいたくないだけだ!」


 「やっぱり言わないんじゃないのよ!」


 くそっ! これじゃ埒が明かない。自分でも情けなくなるが、あの手を使うしかない。


 「よく聞けハルカ!」


 「何よ。」


 「俺にあんなにかわいい子が告白なんかされると思うか?」


 「だからこその包帯でしょ!?」


 「この包帯が似合っていると思うのか?」


 かおるが腕を突き出す。


 「それに、俺が学校で話す女子といえば、お前と知美くらいだ。他の女子とは業務連絡くらいしかしない! それはお前もよく知っているだろう!?」


 「まあ、ええ。」


 よしいける!。このまま畳み掛ければいける! 自分で悲しくなるけどいける!ハルカもだいぶ落ち着いている様子だ。


 「それにだ! もし告白されたとしていても、お前は大事なことを忘れているぞ!!」


 「何を忘れてるっていうのよ?」


 ここで最後だ。少し間を置く。宮内の胸が豊満なのはハルカも知っているはず。この一言ですべて終わりだ。


 「何よ。はやく言いなさいよ。」


 「俺は・・・。」


 「俺は?」


 「俺は・・、ハルカ! 俺はお前の胸のような・・・・。貧乳が好きだあああああああああ! 」


 そして、かおるは今日二度目の鉄拳を顔面に食らうことになる。 

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