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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第一部 ハードボイルドがわからない件について(仮)
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後悔している件について(仮)


 清が、それを聞いて見るからに怒りに顔が染まる。


 しかし、それはほんの一瞬で、すぐにその顔はいつもの清の顔に戻っていた。


「あらあら? 返せだなんて、物騒なことを言うのね?」


「・・・・。」


「うちの家のごたごたに付き合ってもらったみたいで、いろいろと迷惑をかけてしまったみたいだけど、この小僧はちゃんとお灸をすえておきますから、今日はお引取り願ってもいいかしら?」


 これは、清の一つの能力である。精神干渉系能力、一日に一回しか行使することができないものであるが、これはどんな状況であっても、その言葉で、相手の認識している状況を変換させるもの。


 だから、今かおるは、ただ良太郎によって、宮内家のいざこざに巻き込まれて、それを糾弾しにきた人間だと自分のことを思っている。


 この能力は、清が本当に危険だと思ったときにしか使わない。


「ああ、そうですか。」


「ごめんなさいね。」


「最初に攻撃を仕掛けておいて、ずいぶんな話しですね。」


 かおるは、先ほどと何も変わらない。


 ということは清の力も聞いていない。


「でも、まあ、なんとなく状況は認識した。あんたは悪魔なんだろう? レヴィアタン。」


 清の顔がどんどん変化していく。


「あなた・・・、いったい・・・。」


 良太郎は清が、動揺している姿を始めてみた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「はあ、はあ、はあ・・・。やっとまけたか?」


 かおるは、路地裏で身を潜めている。


 さきほど、一般病棟の崩壊に巻き込まれて、なんとか、そこから脱出したかと思えば、その後、あの玄関前にいた人間達に追いかけられることになってしまった。


 それを巻くのにかなり時間がかかってしまった。特にあの大声で「竹市家の人間をなめるなあああ!!」ってさけんでくる人間がしつこくて、大変だった。


「ふーーーーーー。」


 それにしても、特別棟での出来事はなんだったのか・・・


(これから、どうするかな。)


 逃げる途中で、良太郎の隠れ家の入り口を確認しにいったが、見事にただの壁とかしていた。まあ、もともと、良太郎がいないと入れないものだったから当たり前なんだが。


 心配ごとが多い。


(なあ、ベルゴ?)


《なんだ?》


(お? よかった。返事をくれて、あの雷を使う女の人相手に、お前の力は通用するのか?)


 心配事の一つはこれだ。上野の力は通用しなかった。もしも、本来の漆黒の力が通用しなかったら、お手上げだ。


《それか、まあ、あの程度なら楽勝だが、相手が本気を出せば互角だな。》


(互角? マジかよ。そんなにすごいやつなのか・・・。)


《すごいというか。同じ存在だな。あいつも悪魔だ。どうやったか知らんが、姿が昔とは変わっているみたいだったが。》


「えっ!?」


 かおるは、思わず声を出す。


(悪魔って、あの大罪の? それって、漆黒の力を使うものの一人だってことか?)


《ああ、なんでか知らんが、あいつは人間の体を乗っ取っている感じだったな。もしかしたら、この土地には、俺たち悪魔にとっていい環境にあるのかもしれないな。俺もお前の体を乗っ取れるかも知れん。》


(ええ、マジかよー。)


《まあ、面倒だから、やらないが。とりあえず。相手の背後には悪魔がいるってことだ。お前がこのまま戦ったとしても、よくいっても同士討ちだ。もういいだろう。俺が言うのもなんだが、ただの人間のお前がよくやったもんだ。お前はまだ死ねないんだろう? ここまでにしておけよ。》


 かおるは微笑む。


(そうだな。俺はまだ死ねない。でも、相手が悪魔だってことは、かなりやばいんじゃないのか? 他の悪魔がお前みたいに面倒くさがり屋なわけじゃないだろう? その悪魔はどの悪魔なんだ?)


《嫉妬を司る悪魔レヴィアタンだな。あいつは嫉妬のためならなんでもする。》


(だったら、何をたくらんでるかわからないけど、俺が同等ってころは、そのほかはそれより下ってころだろう? だったらなおさら、俺が行かないといけないじゃないか。)


《死ぬかもしれないんだぞ?》


(死ぬ気では行くが、絶対に死なない。そのために、ベルゴも協力頼むぜ!)


《まったく、本当に面倒だ。お前の中に入ってしまったことを後悔しているよ。》


(まあ、あきらめろって、これからも仲良くしていこうな。)


 ベルゴのため息が、かおるの中で響き渡る。

 

(でも、問題はどこにいけがいいかだよな。あの女が誰なのかもよくわからないし。)


《おそらく、宮内家の人間なのは確かだから、その本家とやらに行くのが一番いいんじゃないか。》


(それはそうなんだけど、場所がわからない。俺はそういうのに関わりがないからなあ)


「見つけたぞ!!」


 そのとき、追っての一人に見つかる。一番しつこかったやつだ。


(いいこと思いついたぞベルゴ。お前の力で上手くあいつ拘束できないか?)


 ベルゴもかおるの考えを理解した。


《そういうことか・・・。》





「やっと、主人公登場と思ったら、すぐに回想ですか!」


「本当にくそったれだな。作者!!」


「まあ、まあ、落ちついてください。これから活躍しますから・・・多分」

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