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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第一部 ハードボイルドがわからない件について(仮)
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うそーんな件について(仮)


 特別棟の中は、ほとんど明かりがない状況で、ほとんど窓もないので、月明かりも入ってこない。なので

、かおるの目がなれるには時間がかかった。


 かおるは、炎でも出して周りを照らすことも考えたが、もしも、近くに人がいた場合、自分の位置をまんまと、相手に教えることになるので、それはやめた。


 数秒、かおるは目を閉じる。そして、ゆっくりと開いた。


 建物内の概要を把握できるくらいには、周りが見える。


 

 特別棟の一階は、玄関から入ったすぐ前に大きな階段がドンと構えている。もし、これで装飾品でもあれば、どこかの大きなお金もちの屋敷にあるような階段だ。


 特別棟の構造については、良太郎から、情報を聞いていた。といっても、良太郎といえども、すべての構造を知っているわけではないので、大まかな構造をである。


 特別棟は、そのほとんどが階段で占領されている。今、かおるの目の前にある階段と同様のものが、六階まで連なっている。それから、要人を守るための部屋が10階まであるという。といっても、これもどこまでが本当であるかはわからない。


 そして、先ほどの良太郎の言葉の通り、ここは、対魔術、魔法、異能力でできており、魔法電波なども通ることができにくい。


 かおるは、階段の隅を足早に、しかし慎重にあがっていく。


 この階段は、侵入者を正確に捕らえるためのもので、相手が決っして、簡単に逃げたり、上の階にあがることができないようになっているものである。


 さっきの転移魔方陣でも作戦で、おそらく、この特別棟にいた人間も幾人かは、玄関に出たはずであるから、人は少なくなってはいるはずだが、そう簡単に動じるものばかりじゃないだろう。


 かおるはいつ襲われてもいいように、今までよりも分厚いバリアを張る。


 二階、三階、四階と上に上がっていく。


 誰にも会わないし、襲ってもこない。


 かおるは、それを不思議に思いながらも階段を昇っていく。


 五階に上がった頃には罠はあった。何回か、機械的な動作の後に、やりが飛んできたり、銃弾が飛んできたりと、無人攻撃をされるようにはなる。


 だが、それはかおるには効かない。もちろんバリアのおかげであるが、ここまで、侵入してきた相手にする攻撃にしては、威力の小さなものである。これは、初期に行うべき攻撃であり、こんな最深部で行うものではない。


 それが、この攻撃を受けながら、かおるが感じたものであった。


 そんなことを考えていると、もう7階にたどり着く、六階に上がったころには、大きな階段は無くなり、普通の病院のような様相になっていた。


 かおるは、7階にある部屋を一つずつ開けていく。


 7階にある部屋は、10部屋ほど、それを上がってきた階段から近いほうを、なるべく音を立てないように開けていく。


 (何かが変だ。)


 その違和感は部屋を開けていくたびに大きくなっていく。


 一つ、二つとどんどん開けていく。


 数を重ねるごとに、扉を開ける音は大きくなっていく。


 気が付けば、目の前には最後の一部屋だった。その扉を開ける。


 ガラっ・・・。


 「なんでだ・・・?」


 そこには、何もなかった。


 (ここまで来て、なぜ? すべて、上手くいっていたはずだ。)


 かおるは、必死に頭を働かせる。そこで、あるひとつの答えにたどり着く。


 「まさか、ここまでの、すべてが罠・・・?」


 いや、かおるは頭を振る。もしかしたら、良太郎の情報が間違っていたのかもしれない。7階ではなく。八階だったのかもしれない。六階だったのかもしれない。


 かおるは、自分でも気が付かないうちにパニックになっていた。


 これは、別に2人が部屋にいないことが大きな原因ではない。よく見えない建物の中で、誰からいつ襲われるかもわからない。そんな中にある。よくわからない攻撃、その攻撃により起こる光信号、それまで上手くいっていたのに、急に起こる失敗、なれない、今までの戦闘。


 すべてが、かおるの精神を少しずつすり減らす効果を果たしていた。


 《落ち着け。》


 かおるが、パニックに陥って、混乱している脳にその言葉が聞こえる。


 《お前が、パニックに陥って、本来の力が出せないようになったり、正常な判断ができないようになることが相手の狙いだ。わざわざ、それに嵌ってやる必要はない。》


 かおるは、その言葉をゆっくりと聞いて、やっと自分がパニックになっていたことを認識した。


 《まず。深呼吸をしろ。》


 その言葉に習い、大きく息を吸い、ゆっくりと息を吐く。


 (落ち着いたよ。ありがとう。)


 かおるは、やっと平静とまではいかないが、落ち着きを取り戻した。


 (まさか、こんな精神攻撃をしてくるとは思いもよらなかった。すべてが、相手の術中だったってことだよな?)


 かおるは、最後にあけた部屋にあったパイプ椅子に座る。


 《そうだな。そして、ここまで来るように指示したやつは誰だ?》


 そう、その問いは予想をしていた。


 かおるを、ここまで導いてくれて、その情報により、この作戦において、かおるを支えてくれたもの・・・。


 「良太郎が、向こう側だったってことか・・・。」



「お前! 裏切り物だったのか!?」


かおるが、良太郎に詰め寄る。


「どうだろうねえ?」


良太郎に言葉い作者が続ける。


「どうでしょうねえ?」

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