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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第一部 ハードボイルドがわからない件について(仮)
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試したいことはたくさんある件について(仮)


 「とう!」


 かおるは勢いよく、キメラの目の前に飛び出した。それはもう軽快に。キメラはかおるをみて、それぞれに威嚇の体勢をとって、のどの奥を鳴らしている。


 「・・・・・・。」


 かおるは、一瞬硬直する。勢いよく出たのはいいものの。どうやって3体のキメラを相手にして、戦うのかはまるで考えていなかった。 


 かおるが何もしてこないので、キメラの内の1体がかおるに向かって突進をしてきた。


 「やべ、くそっ、こうなったらやけくそだ!」


 かおるは、上野が使っていた黒炎の塊を想像して、右手を構える。すると、みるみるうちに、黒炎の塊が右腕を包みこんでいく。


 (おお! すげー。)


 キメラはそれをみて、突進しながら、口を大きく開け、口から炎を出す。それは、黒炎に似た紫を帯びた炎である。かおるは、先ほど良太郎が言っていたことを思い出す。かなりの威力があるようなことを言っていた。


 この辺でいいかな。かおるは、右手を半径五十センチほど包みこんだ黒炎を、その炎に向かって、なんとなく飛ばす。いまいち、どういう格好で飛ばせばいいのかわからなかったので、変な格好になっていた。


 かおるの黒炎と、キメラの炎がぶつかる。


 かおるは一瞬互角かなと思ったが、まったくそうではなかった。かおるの放った黒炎は、軽くキメラの炎を焼き尽くし、その後ろにいるキメラをすぐに包み込み。一瞬で消し去った。その炎の塊は、それでも威力が衰えることなく。後ろにいる2体のキメラに向かっていく。2体のキメラは、それを横に跳躍してそれぞれよける。炎はそのまま、壁に向かって突き進む。


 やばい。かおるは、宮内と上野の戦いを思い出した。上野の放った黒炎は、かなりの威力で、爆音と爆炎をたてていた。このままでは、大きな音が地上に漏れてしまい。何者かが、下水道にいることがばれてしまう。そうなってはまずい。


 「なくなれええ!」


 かおるは、黒炎がなくなることをイメージした。すると、後、もう少しで壁であるところで黒炎が跡形もなくなくなる。


 「あっぶねー。もう少しで、取り返しがつかなくなるところだった。」


 でも、さっきのことから、偽者の漆黒の力でも充分キメラを一瞬で気散らすことができるのはわかった。後は、あの俊敏性をなんとかすれば、簡単に対処できる。といっても、さっきみたいにむやみに、炎を飛ばすにはやめておこう。肝が冷える。かおるは、また、右手に炎を纏う。


 キメラは力勝負では、勝ち目がないことを理解して、2体はお互いの顔を見合わせ、なにか意思疎通を図っている。


 すると、キメラは、両サイドに分かれて、かおるに向かってくる。一方に対処すれば、その間にもう一方に接近されてしまうというものだ。キメラがどの程度の知能があるのはかおるには、わからなかったが、もしかしたら、さっきので、むやみに炎を出すことのリスクに気づかれてたのかもしれない。


 かおるは、そこであることを試すことを思いつく。今までは、漆黒の紋様があるほうの腕でしか、自らの意思では黒炎を纏ったことがない。それに、扱い方も工夫があるとはいえない。そこで、もし、黒炎を体全身に、軽く纏うことができたなら、少しの塊であれほどの威力だ。充分な防御機能を果たすことができるだろう。かおるは己にある。中二病的な感性にこのとき感謝した。


 そうと決まれば、実行あるのみだ。かおるは、全身から炎が出て、自らの体を纏うイメージをする。すると、じわじわと体から出た。炎がまるでバリアのように体から少し離れたところに張られたようになる。


 これでよし。そして、もう一つの試行にも挑戦する。それは、炎の形状変化だ。形状変化は、どのアニメや漫画でも、かなりの高等技術としているも描かれることが多い。それを自分がどれほどできるか、かおるには興味があった。


 (塊を作るイメージではなく。先端のとがったやりのようなイメージにする。)


 かおるは、自分から見て右方向のキメラに向かって、先ほどとは違い、何も纏ってない右手を突き出す。


 距離は20メートルくらかな? かおるは、キメラに少しだけ、手から出る炎のやりが当たるイメージで炎を出した。


 「ぐおおおお!」


 すると、かおるの右手から出た鋭利な炎が一瞬でキメラの先端に触れて、キメラが自らその炎に突っ込み形で顔から突き刺さる。


 (燃えろ!)


 そして、かおるは、そのキメラが燃えるイメージをすると、刺さった炎の先端からキメラに黒炎が広がり、一瞬で消し炭になる。


 その出来事はかなり短い時間であったが、その間に、もう一方のキメラが、もうすでにかおるの近くに接近していた。


 かおるが振り返ると、キメラは、かおるに噛み付こうと大口を開けて、かおるに向かって飛び込んできた。流石にかおるは驚いて、身を守る体勢にはいる。


 (やばい!)


 しかし、キメラはかおるが纏っている黒炎のバリアにさえぎられ、しかも、その炎に触れたせいで、体全身に黒炎がまとわりつき、かおるの目の前で、のたうちまわっていた。


 危なかった。かおるは、そっと胸をなでおろし。またキメラを消し炭にする。


 かおるは、そこで、そっと腰を下ろした。流石に初めてのちゃんとした実践ということがあり、緊張が解けて、体が緩んだ。バリア張っててよかった。かおるは、イアホンの電源を入れる。

「やっと俺がちゃんと戦うときがきたか。」


「よかったね。」


「本当に作者を一時期は亡き者にしてやろうかと思ったときもあったよ。」


かおると良太郎が会話をしている。


「これから、もっと戦っていきますよ!作者はテストが上手くいっておりませんが。がんばります!」

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