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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第一部 ハードボイルドがわからない件について(仮)
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窓はあったほうがいいと思う件について(仮)


 川瀬、篠原両名の連れ去り大作戦については、先ほど、隠れ家にて、2人と作戦を立てた。


 2人が今、どういう状況なのかは現在把握はできていない。宮内が一度2人に通信を試みたものの、電波状況や、距離の関係から上手くはいかなかった。そんなに便利すぎるものでもないみたいだ。なので、ここまででは、意識があるのかないのか、どこにいるのか、隔離されているのか違うのか、などは一切情報がなかった。宮内家の人と連絡を取ろうにも誰が、黒幕の関係者かどうかわからないし。変にこちら側が2人を連れ出そうとしていることが向こうにばれてしまえば、余計に危険なことを相手が考えるかもしれないので、それは避ける必要がある。


 そこで、ここで良太郎の情報網を駆使することになった。といっても彼が動いていることも相手に知られると、あまり良くはない。でも、彼は単純に機器的なことにも長けているため、それを使って2人の居場所を特定した。いわゆる病院をハッキングをしたのである。


 その情報によると、2人がいるのは、病院の7階にある個室にそれぞれ分かれて運び込まれている。しかも、そこは特別棟と呼ばれる場所であり、エレベーターもなく。上の階に上がるには一つの階段を昇るしかない。非常階段もなく。そこは、本当に襲撃があるかもしれないときにしか使用されない棟である。


 そして、緊急時には、その階段に下から順に、異能力者が警備にあたる。窓も極僅かしかなく。もちろんその窓の近くにも警備を配置してある。万が一の地震などの災害などは考えていない。守りにだけ徹底してある要塞である。


 「なんで、そんなめちゃくちゃなところに、あの2人が? 流石に宮内さんの友達だからってやりすぎじゃないか?」


 「わたしもここまでの警備をしいているとは思いませんでした。父にはできるだけ警備をしっかりとして欲しいとは頼みましたが・・・。」


 「お父さんにはこのことを言っているの?」


 良太郎が宮内に問う。


 「いえ、流石に父が向こう側であるとは思えませんので。もしものときのために、わたしが無事であるという連絡はしました。でも、これからすることや、わたしがどこにいるかなどは話してはいません。父からもれることはないでしょうけれど、万が一がありますから。」


 そういえば、先ほど少し宮内は席をはずしていた。そのときにでも連絡をしたのだろう。やり方はどうやったのかはわからないが、それこそ通信でもしたのかもしれない。


 「そうだね。そのほうがいい。」


 良太郎は、一つ大きなため息をついて、2人を同時に見る。


 「一つ、とんでもない考えだけどいってもいいかな? 可能性としては低いと思うけど、頭には入れておいたほうがいいと思うんだ。」


 「いいよ。」


 「はい。」


 「俺は今こう考えてる。宮内家の人間の中でも、黒幕の人物、または、それに順ずる人物は、地位の高い人間である可能性が高い。」


 良太郎は一旦そこで間をおき、2人の反応を確認する。2人に特に反論がないということを確認してから、また話し始めた。


 「なぜなら、俺は、2人をその特別棟に運び込んだのは、その裏の人物だと思っているからだね。それをできるのは、お嬢さんの父親である宮内 努さんに意見ができる立場でないといけない。流石に娘の頼みだといっても、特別棟を使用するほど、彼は過保護でないよ。それが理由だね。」


 「でも、なんでそんなことを?」


 宮内が問う。それに良太郎が笑顔で答える。


 「それは、もちろん。誰にも手出しされないためにだよ。そう。例えば俺たちみたいな人間にね。」


 「それはまたなぜなんだよ?」


 今度はかおるが問う。


 「そりゃ、万が一のときのための人質にするためだよ。特別棟の要塞は、一見すると守りには完璧に見えるだろうけどね。最大の欠点がある。まあ、これはどのものに対してもいえることだけどね。」


 「なんですか?」


 「内部犯がいるときの可能性を考えていないところだね。完全に隔離されているところでは外部の人間に対しては完璧でも、もし内部の人間が攻撃を仕掛けてきたら、狙われている人間は逆に逃げにくいつくりになっているってことだからね。そして、今回、その内部の人間は黒幕で、外部の人間は俺たちである可能性がある。」


 「・・・・・・。」


 「それなら、どうしたらいいんだ? 今の話が可能性が低いってことはさっき聞いたけど、でも、頭に入れておけってことは、それを踏まえて、2人を連れ出しにいくってことだろ?」


 「そういうことだね。頭の回転が早いね。驚いたよ。言い方が悪いけど、君のことはあまり賢くはないと思っていたから。」


 良太郎はそういうと微笑んだ。かおるは、それに対して、何か言おうかと思ったが、自分が賢くはないことは自分でもよくわかっている。だが、なぜか今は頭がよく働いているのが自分でもわかった。不思議だ。もしかしたら、漆黒の力とやらが関係しているかもしれない。


 「おっと、ごめん失礼この上なかったね。」


 かおるが黙っていたので、怒っているのかと、良太郎が謝る。


 「いや、大丈夫。別に気にしてないからさ。」


 それにかおるは微笑みで返す。


 それを見て良太郎はもう一度ごめんと謝って話を続けた。


 「それじゃあ、今までの話を踏まえて、これからどうするのかの話をしようか。」




「場面がころころ変わるね。」


「たまによくわからなくなるっていう批判もあったりなかったりらしいぞ。」


かおると良太郎が話しをしている。そこに作者が割ってはいる。


「まあ、それがこの小説の魅力かな。」


「・・・・・。」


「・・・・・。」

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