単純な地頭の問題な件について(仮)
「通信って、あの心の中で会話するやつだよね? それなら、宮内さんから聞いたよ。」
「なら、話しが早い。なんでも、通信機能、これは、魔法周波数を合わせることで、相手と意思疎通が言葉なしにできるものなんだけど、これはこの土地にある特別な魔力の使いからなんだ。」
「そうなんですか?」
その発言に宮内が驚きの表情を見せる。土地特有のものであるという話は聞いたことがなかったみたいだ。
「うん。これは、土地を出たことがない人間には不思議なことだよね。だって、まずこの通信を適切にできるようにするのが最初の力の訓練なんだからね。魔法周波数をちゃんと把握できていないと、いろんな思考が頭の中に入ってきたりする病気になったりするからね。だから、普段は自分特有の周波数に設定しておくか、そもそもの魔法周波数を出すのを切っておく必要がある。」
「その二つはどう違うんだ?」
「周波数を切っておくと、いきなりの通信に対応できないんだ。つまり電源が入るのに時間がかかるみたいなものかな。だから、大抵は誰にも拾われない個人周波数に設定しておく。その周波数をキャッチできるようにするには、本人の承諾を得るようにできる制約なんかを使ってね。それなら、すぐに通信に対応できる。複数人で通信なんかをするときには、周波数を決めるんだ。みんなそれに合わせることによって複数人の通信が可能になる。」
かおるは、頭が少しパンクしそうになる。流石に、魔法だの、能力だのの話には慣れたし、自分のその世界の住人になってしまった自覚はあるので、それ自体にはなんの驚きもないが、今はただ単純に、その情報量に頭が付いていっていなかった。ようは賢さの問題である。かおるは勉強が苦手だ。
とりあえず。先を施す。
「つまり、通信は土地特有のもんだから、外の人間は使うことなんかもできなければ、知っているもの自体も少ないってこと?」
「うん。そういうこと。魔法周波数の操作は、自転車なんかの乗り方に似ていてね。大人になってから、自転車に乗れない人間が、練習しても自転車に乗るのは厳しかったりするよね? それと同じようなことで、存在自体を知ったとしても習得は子供の頃からの訓練がないとなかなかに厳しいんだ。まあ、家系によっては、魔性周波数を違う解釈として、行使しているところもあるみたいだから、そういうところは、多分練習すれば使うことができるんだろうけどね。」
良太郎はソファーに座りなおす。
「だから、上野はその存在を知らなかった?」
かおるが言う。
「そういうこと。だから、俺は宮内のお嬢さんには簡単に通信することができた。っと言っても流石に距離があるからね。ちゃんと話しをできるようになるには時間がかかったけどね。もしものときの緊急の周波数をあらかじめ決めておいてよかった。」
「わたしは、何か特別な方法で通信をしているんだと思っていました。通信を妨害する手段はありますから、その。通常の電波と同じようにジャミングなどがありますからね。そういう上野の妨害を何か上手くかいくぐっているのだと。」
「流石に、ジャミングをかいくぐることなんてできないよ。」
「そうですよね。」
かおるは二人の会話を、二人の顔を交互に見ながら聞いている。まだ、知識的についてはいけていないが、知っている単語もあったので、なんとか聞くことはできていた。
「その・・・。それで、二人は連絡を?」
「そうですね。わたしも最初はその緊急周波数の存在を忘れていたので、すぐにではありませんでしたが、連絡をとることができました。それで、いろいろと策を弄したのですが、上手くはいきませんでした。」
「上野の行動も俺が全部把握できたわけじゃないからね。今日のことなんかは本当に急で、焦ったよ。」
良太郎が苦笑いをする。
「それで、彼はわたしに、通信をしてきてくれたんです。かおるさんのお家を出た後ですね。それで、上野が学校に結界を張っていることを教えてくれました。そこで、わたし達は作戦を立てたんです。わたしは、捉われている二人をまず、助けたかった。でもあの状況でわたし一人がいっても無理なのはわかっていました。なので、後二人はあの場に入れたかった。」
宮内の目は鋭い眼差しに変わる。
「かおるさんが入るときにも結界がありませんでしたか?」
「ああ、あれなら、触れたら消えたな。多分あれも元はあのまがいものを使ってたから、そうなったんじゃないかな。」
「そうですか。おそらくそうですね。あれは、侵入者を排除するものです。あので、普通の人なら無傷では到底いられませんね。」
かおるは、ない頭を振り絞ってその先をほどこす。




