爆音ばかりな件について(仮)
現在、体育館には二人の人物がいる。一人は、この土地の代理管轄理事、宮内 正子。覇竜の力をその身にやどし者である。
もう一人は、上野 友也。その土地の権利を欲し。現在までに様々な人を傷つけて、現在、なぞの黒炎の力を使い。宮内と対峙している。
「やってくれたな! どうやって、あいつらを中に入れた? あの結界をどうやってすり抜けた?」
上野は黒炎を右腕に宿しながら、ステージを居りてくる。
「あの結界は俺と同等のやつぐらいじゃないと、無傷で通ることはできない。」
「・・・・。」
宮内が、少し下がりながら、雷光を上野に飛ばす。
「だんまりか。くそが!」
しかし、その雷光は上野の右腕の黒炎にすべて阻まれてしまい、彼の歩みを止めることすらできない。
「そんなもんで、俺を倒そうってか? ああ!?」
上野の動きが急に早くなる。一歩で4メーターほどの移動距離で宮内に近づいてくる。
あっという間に宮内の目の前に上野が来る。
「もう、全員、八つ裂きだ!」
上野がそういい、右腕を振りかざしたとき宮内が両手を、両側に広げて言う。
「絶対に、あなたはここで始末します!」
その言葉とともに、上野がいる下の床に魔方陣が現れる。それから回りにも複数の魔方陣が表れる。と同時に上野の足も止まる。
「なんだ? これは?」
「これなら、流石にあなたでも、無傷ではいられない!」
宮内は両手を真上に掲げる。
「天のイカズチ!!!!!」
上野の回りにある魔方陣からそれぞれ雷が上野に向かって発射される。
上野はその複数の雷により、体がしびれて動けなくなる。
「動きを封じたくらいで・・・!」
その複数の雷が発射されてから、少しして、床の魔方陣が光を放つ。それと同時に、体育館の上空にある雲に電気が走り始めていた。
「落ちろ」
上野の真下にある魔方陣からちょうどまっすぐ上にある、雲から雷が上野に向かって落ちる。それは体育館の天井をなぎ払い。この威力は上野に落ちるとともに体育館自体を吹き飛ばすには充分だった。それを宮内は自分の力で、回りにあまり被害が出ないようにする。
宮内はさっきの場所からだいぶ離れて、雷が落ちた場所を観察していた。その場所は爆炎に包まれ、そこからはこげた匂いがしていた。
雷が落ちた一帯には軽いクレーター状の穴ができている。床もなにもかも粉々である。
煙がもう、以前の影も形もない体育館に吹き込む風によりじょじょに消えていく。
「やってくれたな。」
上野の声がした。しかし、その声はその爆煙の中心ではなく。宮内の後ろからした。
急いで、宮内が振り返る。しかし、上野はその宮内に黒炎の鉄拳を放ってくる。それを、宮内は自身の回りに張っている。雷の防御壁でなんとか凌ぐが、一瞬で、後ろまで吹き飛ばされた。しかも、その防御壁も一瞬で消し飛んでいた。
「ここまでの損傷は始めてだ。」
宮内は、すぐに体勢を立て直し、防御壁もすぐに張る。上野は額から血を流し、両腕も、雷を防ごうとして起きた傷なのか、血が滴っていた。
しかし、それは致命傷とまではいっていない。
すぐに、上野が宮内の近くまで移動する。先ほどまでとは比べものにならない速さであった。上野の本気がこれなのだろう。
上野の攻撃をなんとか、防ぎながら、宮内も雷でなんとか反撃をするが、現在の上野には宮内の攻撃はそれほど有効的ではなかった。
なので、宮内はもう一度、天のイカズチを上野に落とすことを、計画していた。しかも、さきほどよりも強力に、まだ、宮内は覇竜から得たさらなる力をすべては解放していない。だが、これを解放すれば、しばらく動くことができなくなる。
だから、どこで実行するかをずっと考えていた。現在の上野を拘束するのは至難の業だ。天のイカズチは発動時間が掛かる。
「おらやあああああああああ!」
上野が、黒炎の塊を宮内に放ってくる。それを宮内はかわす。黒炎がぶつかったところは激しい音をたてて爆発した。
「あなたの力は、本当に、漆黒の力ですか?」
宮内はなんとか、状況を支配しようと、上野に話しかけることにした。それと、これは気になっていたことだ。明らかに、上野の黒炎は、かおるが一瞬見せたものと同じものである。
「ああ! そうだ。このまがまがしい力をお前はほかにあると思うか?」
上野はそういい。黒炎をまた放ってくる。
宮内はそれをまたかわす。そして、それがぶつかった箇所はまた爆音を立てて爆発をした。
これだな、と宮内は思った。そして、上野に近づいていく。高速で。
「なんだ? なんだ? 刺しでやろうってか?」
上野も宮内に向かって高速で近づく。それぞれが右腕に力を宿して、衝突する。
ドーーーーン!!!!
激しい音とともにその場一帯が爆発する。
しばらく、それにより視界が見えなくなる。しかし、上野の回りだけ雷光が光る。これは先ほど、上野に大きなダメージを与えたものだ。
また、複数の魔方陣から雷が放たれ、上野を拘束する。
「天のイカズチ!!!落ちろ!!!」
先ほどの衝突で吹っ飛ばされた宮内の声が、その場に響く。
それと同時に、天から、雷が落ちる。
また爆音とともに激しい爆発が起きて、その場一帯は一層激しく崩れる。今回は流石に宮内も回りとケアする余裕はなかった。




