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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
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フライングしてしまった件について(仮)


「七つの美徳ってことは、たっぱり七人いるの?」


 杉村がかおるに聞く。


「おそらくですけどね。俺の父が戦ったのはそのうちの怠惰と対を成す存在の勤勉を称する者とです」


「勤勉とは、なんとも面白いな」


 上野が笑った。


「美徳の純白の力はすべて大罪の力と対を成す存在、傲慢には謙虚、憤怒には寛容、嫉妬には祝福、色欲には純潔、暴食には節制、強欲には忍耐、そして怠惰には勤勉です。それが美徳がもつ力の根源です」


「なんとも、おもしろい関係性だよなあ、七つの大罪は人も持つといわれる罪だ。だから、大なり小なり人間は絶対にこの七つの感情を持ってるわけだよ。だけど、その反対の感情もあるはずだっていうのが七つの美徳の考え、つまり神が作り出した人工的な力」


 上野がため息を吐きながら言った。


「その七つの美徳の力はどの程度なの?」


「ベルゴの話だと、俺ら漆黒の力と同程度みたいですよ。だから、個人戦なら、俺が確実に勝ちますね。つっても、何人かで来るでしょうけど」


「どんな力を持ってるの?」


「全部同じような力ですよ。対となる関係でそれぞれほぼ同じ力です。違うといえば、怠惰が黒炎なら、勤勉は白炎、嫉妬が黒雷な、祝福は白雷みたいな感じですね」


「そこは黒と白とで反対なわけね。相手にはめぼしがついてるの?」


 杉村がかおるに問いかけた。


「一人だけですね。おそらくという人物が」


「それは?」


「青沼正治、彼ならありえるかなと思ってますよ」


「ああ、彼ね」


 杉村は、かおるたちの高校の英語教師、つまり件の青沼についてももちろん知っているわけだ。


「彼ならありえそうね」


「青沼はハルカにも近づいていました。あれが、彼本心の行動だったのか、天邪鬼からの命令で動いていたのかはわからないですけど、可能性は高いでしょ?」


「そうね。あれほど完璧な人間もいないでしょからね」


「そろそろ時間だね」


 中田が時計を見ながら言った。

 後、三十分ほどで戦争開始だ。


「さてと・・・」


 上野が立ち上がった瞬間。


 ドガーーーーーーン!!!!!


 かおるたちがいる部屋の壁が破壊される。


「やっと見つけたぞ。かおる」


 かおるは壊れた壁から入ってきた人間に見覚えがあった。

 だが、それは、今までかおるたちが話していた人物ではなかった。


「まさか、お前が七つの美徳?」


「ああ、そうだ。俺は残念だ。かおると敵対することになるなんてな」


 そこにいる人物は、かおると同級生の岡本だ。

 彼は背中から羽を生やして登場した。

 かおるにはそれが少しおかしくて、笑いそうになっていた。


 かおるたちは臨戦体勢に入る。

 この隠れ家を突き止められるのは予想外だった。

 だが、想定内ではある。

 すぐに、かおるが時空間魔術を発動する。


「岡本はいったいなんお美徳なんだ?」


 かおるは意識を自分に向けさせるために岡本に話しかける。

 ここにいる人間で、美徳とやりあえるのは、かおると上野だけ、他の2人はどちらかといえば後方支援部隊だ。


「かおるの中には四つの力があるんだろ?」


 岡本は少しずつこちらにあるてくる。


「俺は七つだ」


 岡本はその瞬間かおるの背後に瞬間移動した。


(詠唱なしで、移動?!)


 かおるはそのまま、岡本にけりを入れられて吹っ飛ぶ。

 だが、なんとかけりを入れられる前に体制を整えていたので、ダメージはない。


「驚いたな。まさか、七つの力を一つに集めるなんて、天邪鬼も大胆なことをする」


「かおるに複数の力が集まってるんだ。こっちも同じようにしないと、勝てないだろ?」


 岡本は自身の周りに白炎を纏った。


「俺が直々に殺してやるよ。友達の間違った考えをただしてやるのも友達の役目だ」


「はは」


 かおるは構える。


「相変わらす偏った考え方だ。その結果がその羽なら、かわいそうに思うよ。こっちは四つの力でもな。そのうちの二つは特別性だぜ」


 かおるは手を相手に突き出した。


 その瞬間、岡本の周りの白炎が消える。


「何?!」


 そして、岡本がいきなり吹き飛ばされて、部屋の外に投げ出された。


「後は頼んだぞ!」


「ああ!」


 岡本を吹き飛ばしたのは上野、2人はそのまま高層ビルを落下していく。

 それをかおるは見届けて、3人とも時空間魔術の中に入っていった。





 岡本は、落下しながら羽をばたつかせて軽く着地した。

 上野は炎を使い、それをクッションにして着地する。


「もしかして、その羽って飛ぶことできない感じ?」


 上野が相手をあざ笑う表情をしていった。


「これは、崇高な神の信徒である証だ」


「はははっはは! それ答えになってねえから!」


 その瞬間、上野が岡本の視界から消えた。

 と脳がわかった瞬間、岡本は自分の頬に衝撃を受けた。

 そして、そのまま吹っ飛ばされ、建物の突撃する。


(いったい、何が・・・・?!)


「なんだ、江良から話がいってると思ってたけど、ああ、そうかあいつはそもそも見えてたからわからないのか」


 岡本は立ち上がる。


「何をした!」


「それで答える馬鹿がどこにいるんだよ?」


(こうなったら!)


 岡本は全身の白炎を纏う。

 これから最悪先ほどのようなことがあっても、ダメージを減らすことができるだろう。



「いきなりの展開だね」


「急展開を目指してるからな」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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