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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
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真実が語られ、困惑する件について(仮)


 場所は談話室。

 そこに正子、孝子、トシコが長ソファーに座り、その前にアリスが座る形となった。


 最初に口を開くのは正子だ。


「それで、どうしてかおるさんは戦争を? 本当に良太郎さんはかおるさんが殺したんですか? それに、どうしてあの上野がかおるさんたちと? いや、それよりもアリスさんはいつからこのことを知っていたんですか?」


 正子が矢継ぎ早に質問する。

 それに、アリスは苦笑いで答えた。


「こらこら、焦らない。気持ちはわかるけど、順を追っていきましょう」


「は、はい。すみません・・・」


「まずはそうね。最初に言っておかないといけないのは、私がいつからこちら側にいるのかってことよね」


「お姉ちゃんは最初からじゃないの?」


 孝子が聞く。


「私はかおる君を除いたら、一番最近こちら側に入ったのよ。そうね。アウモデウスとの戦いが終わった後かしらね。そのときに良太郎君がやってきた」


「「「え?!」」」


 3人が驚きの声を上げる。


 そして、それからアリスの説明が始まった。

 良太郎が実は大罪悪魔のルシファーであったこと。

 今までのこの土地での騒動は、彼がかおるを強くするために裏で少なからず糸を引いていたことなどだ。


 それを聞いて、正子たちは信じられないという表情をしていた。


「そんな・・・、まさか、彼がそうだったなんて、でもそれなら何か力が漏れ出すはずじゃ!」


「ルシファーは眷属を作り出しのが能力なの、だから本人にはわずかな力しかない。まあがんばったとしても今のあなたたちレベルね」


「それを知ったかおるが、良太郎を許せなくて殺したのか?」


「確かに、裏切られたという思いをしてもおかしくはありませんものね。でも流石に殺しをするとは・・・」


「でもかおるが自分で言ってたんだぞ? それにこれまでのことが全部仕組まれたこと、そして、それが今まで仲間だと思ってたやつだってわかったら、かおるの力だ。思わずやっちまっても不思議じゃねえよ」


 トシコの言い分はやや物騒なところがあるが、可能性がないわけではない。

 正子も今の話を聞いて、驚きがあるし、もしもここに良太郎がいたなら、彼に怒りをぶつけただろう。

 

「どうなんですか?」


 正子がアリスに聞く。


「良太郎君に怒りを覚えたかおる君が殺したわけじゃないの。良太郎君は自分の力をかおるに授けるためにかおる君に殺された。それが真実よ」


「・・・いったいどういうことなんですか?」


 正子たちはまるで意味がわからなかった。


「良太郎君の計画は十年前から始まっていたのよ。それを説明するためには、まず、この土地のことを詳細に話さないといけないわね」


 そこから、アリスの説明がさらに続く。


 そこで、神の存在、十年前のかおるたちに起きた悲劇、そしてこの土地の秘密が語られた。


「この土地にそんな秘密があったとはわたしも知りませんでした」


「ええ、そして、良太郎君は神を殺すことを決めたの。そしてそのためには、かおる君が力を手に入れる必要があった。だからいろいろと裏で糸を引いていたわけ」


「でもそれなら、もっと協力者を集めればよかったのでは」


「それはできない。最後までね」


「どうしてですか?」


「この土地の人間は、そうね。宮内家の人間もその大半は神が作り出した。いや正確には人間を煮えに作られた天使なのよ」


「天使・・・?」


 トシコがつぶやく。


「天使よ、神と使途として神の伝達役だとか、取次ぎ者とはいろいろな意味があるけど、その実態は神の僕として、あらゆる人間を監視して、もしも害になるようならそれを排除する役目を持った悪魔よ」


「・・・それが、この土地に?」


 正子が冷や汗をかきながら聞いた。


「そう。だから、特定の人間、つまり自分が眷属にした人間以外には仲間を集められなかったし、天使でない人間にも最後まで言うことはできなかった。もしその人がボロでも出してしまえばすべてが終わるからね」


 正子たちは息を呑んだ。

 まさか、自分たちが暮らしてきた土地の裏でそんな思惑が絡み合っていたとは知らなかったからだ。


「だいたい話はわかりましたわ」


 孝子が言う。


「良太郎さんが、かおるさんに殺された理由が。でもそれではなぜ、かおるさんは、神殺しの意志を受け継いだの? 両親が殺されたから?」


 かおるが、あだ討ちなどをする人間だとは、3人とも思えなかった。

 

「それは、彼女の最も大切な人が奪われたからよ」


「大切な人? って、もしかしてハルカさん!?」


 正子が大声で言う。


「そう。今彼女は、その体を神に奪われているわ。いや正確にはすでに乗っ取られてしまった」


「どうしてそんなことに?!」


「彼女は巫女の一族の末裔。つまり神がかかりやすいの。だから、神は最初から彼女の体を奪うつもりだったのよ。それが最初からの目的」


「まさか・・・そんな・・・」


 それでは、かおるが神にすべて奪われたことになる。

 いくらなんでもそれは・・・・。


「かおる君は彼女を取り返すために犠牲がたくさんでることを承知の上でこの戦争を引き継ぐことにしたのよ」



 



「真実とはいつも残酷なものなんだね」


「どうしたんだよ急に」


「いや、そういう気分でさ。僕死んだしね」


「やめろ!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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