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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
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意思を石のように固める件について(仮)


『ええ、てすてす。聞こえますかあ?』


 宮内家所有の土地に気の抜けた全体放送が流れ出した。


『ええ、これより、私たちはこの土地の主有権を宮内家から奪うために戦争を始めさせいただきまーす。死にたくない人はこれより3時間以内に土地から出て行ってください。この放送を知り合いに教えてあげてくださいねえ、3時間後にこの土地にいる人間は問答無用で敵と判断して殺します。では!』


 そこで、その放送は終わった。

 普通なら誰もがそんな放送を聞いても誰かの冗談だと思う放送である。

 しかし、土地にいる大半の人間が普通の人間じゃないこの土地においては反応が異なっていた。





<><><>




「こんな感じでいいのか?」


 上野が土地全土に放送を行える放送室のマイクから離れていった。


「まさか、上野が元は声優志望の人間だったとは驚きだな」


「う、うるせえ!」


「いい声してたよ」


「いちいち掘り下げてくんな! それよりも! こんな放送で神との契約を結んだことになるのか?」


「ああ、大丈夫だ。神殺しを成し遂げるには神に対して宣戦布告をしなければならない。それが良太郎が調べて知ったまず初めにすべきこと、そして、それは神の使徒たる天使に呼びかけるだけでもいい」


 かおるは腕を組んでいった。


「それにしても、まさかこの土地の人間のほとんどが神が作り出した人間だったとはな。宮内家の人間もその八割はそうなんだろ?」


「ああ、俺たちが出会った人間以外はほとんど天使だな」


 かおるたちがいた土地は、神が自らの力を浸透させるために、人口のほとんどの人間が神が作り出した人間、通称天使である。

 彼らは自らがそうだとは知らない。

 しかし、いざとなったときには神の命に従わなければいけない運命だ。

 そして、彼らは元はただの人間、神が天使を作り出すための人柱とさせたわけなのである。


 かおるはそこで神妙な面持ちとなる。


「しかも、天使はそれなりに力がる。つまりこの土地の人間のほとんどが敵の兵隊になるってことだ」


「だからこそ、良太郎は周りのすべての土地を巻き込んだわけか」


「ああ、それだけの規模の力がないと、俺たちも動けないからな」


 かおるは時計を見た。


「3時間後の全方位から、この土地に向かって攻撃が仕掛けられる。それからが俺たちの出番だな」


「この霊脈が通っている位置を記したのを使って、霊脈をこちらに有利なように書き換える。それで、神の力を減退させて、やつを殺す。それが俺たちが勝てる唯一の策」


 かおるの手には、宮内家から江良さんに気づかれることなく奪った霊脈地図があった。

 土地を混乱に陥れた後、その混乱の隙を使って霊脈を書き換える。

 

「さてと、それじゃ、その準備に入るか」


 上野が立ち上がる。


 もうすでに仲間たちはそれぞれの役目を果たすために移動している。

 

(ハルカを取り戻すために・・・)


 かおるは拳に力を入れて強く握った。



<><><>




 戦争まで3時間と迫ったとき、正子たちは、連れてこられた談話室で、これから自分たちがどうするのかということを悩んでいた。


「俺は絶対に反対だ。いくら、かおるの考えていることが誰かのためだったとしても、戦争なんて起こすもんじゃない」


「そんなこと、かおるさんだってわかっているはずですわ。それでもその決断をしたということはそれなりの覚悟があってのことだと思いますの。だからわたくしは、命を救われたわたくしとしても、彼の役に立てるのなら、喜んで参加いたしますわ」


「かおるは友達だ。だから、俺は友達が道を踏み間違いそうになったらそれを正してやるのも俺たちの役目だと思ってる。確かに、これまでかおるに俺たち3人は助けられた。だけど、それだからって、あいつが道を間違えないとは、限らないだろう?」


「ですが、もうここまで事が大きくなっている以上、わたくしはかおるさんの意志はゆるぎないもとだと思いますわ。それは例え間違った道を歩んでいようともその意思があるなら、わたくしは彼の役にたちたいですわ」


 孝子とトシコの意見は先ほどから平行線である。


 どちらの言い分にも理はあると正子は思っていた。

 ではいったい自分はどうしたらいいのか。 

 正子はここにきてから、自分がどうすべきなのか意見を一言も言っていなかった。


 久しぶりに顔を見たかおるは何か雰囲気が前と異なっていた。

 だが、こうやって自分たちに議論を許す辺り、芯の部分は変わっていないとも言える。

 しかし、かおるは宮内家を潰すつもりだろう。

 この土地で戦争するとはそういうことだ。

 自分は宮内家の人間だ。

 そんな自分が、かおるの側に付くことは許されるのか?

 いや、それよりも、どうしてかおるがこんなことをやっているのかがまるでわからない。

 良太郎のことも未だに大きな疑問だ。

 いったい自分たちが知らないところで何があったというのか・・・。


(とりあえず。話を聞かないと・・・)


 正子は自分の中で意志を固めた。


「2人とも」


 正子は言い合いをしている2人の間に入った。


「まずは、良太郎さんのことを聞きましょう」


「でも、かおるはそれを聞いたら戦争に参加しないといけないって」


「おそらく、戦争となってしまえばわたしたちはどの道参加しないといけない。ならすべてを知った上で参加がしたい。わたしは戦争に参加する意思は固めた」



「タイトルだじゃれだって、どれくら気が付いただろうね」


「作者もとうとう、頭がやばくなってきたか?」


「とうとうじゃなくて、初めからやばいよ」


「それもそうか!」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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