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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
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判断に迷う件について(仮)


「宮内さんから、離れろ!」


 かおるが正子に向かって走ってきた。


「やっと、姿を現したか」


 正子の首を持ち上げている男が言う。


(やっと姿を現した?)


 その言葉から想像されることは、この男たちは、かおるが来るのを待ってたということである。

 ということは、はじめから狙いは正子たちではなくかおるということになる。

 つまり、正子たちは、かおるをおびき出す餌であったということだ。


「だ、だめです。かおるさん・・、来ちゃ・・」


 正子が必死に声を出して、かおるをひきとめようとするが、首を絞められているためうまく発声ができない。


「このお!」


 かおるは、黒炎を体に纏い。向かってくる。


「どんなもんかな」


 宮内はその言葉と同時に、床に滑り落ちた。


 男が、炎を全身に纏い。かおると対峙する。


「来いよ」


 男が手でかおるを挑発する。


 かおるが、手を男に向けて構えて魔弾を放ってくる。

 だが、それを男は軽くいなした。


 次に、男が炎をかおるに向かって火炎放射器がのように飛ばす。

 かおるはそれを、横に動いてよけた。


「テレポート!」


 かおるが、その場から消えた。

 そして、かおるが男の後ろに現れる。


(これで、かおるさんの勝ちだ)


 だが、次の瞬間、かおるが男が出した男の炎の手に掴まれた姿に変わった。


「え?」


「大したことないな。黒炎もそこまで威力ねえし、転位も、転位する場所に早くも存在が薄く浮かび上がるから、簡単に位置ばわかるしな。まあ後は黒雷とか見てみたかったけどもういいや」


 かおるの体がそのまま、男の炎によって焼かれていく。


「うあああああ」


「か、かおるさん!」


 正子は立ち上がり、雷撃を男に放つ。

 だが、その雷撃はトシコと孝子を結界に閉じ込めたもう一人に防壁により防がれた。


「そんなにあせっちゃだめよ」


 そういって、横に来た人物の声に正子は聞き覚えがあった。


「あ、あなたは・・・」


 そして孝子を見る。

 孝子は意識を落とされて、その場に伏していた。


「うあああああ」


「うるさいな。人形の癖に」


 かおるはそのまま焼かれていく。

 そのまま、かおるの肌がコゲて行くのかと思われたが、ある程度までいくとかおるの姿が人間のそれではなく、まるでマネキンのそれになっていった。


「え? いったい・・・」


 そして、かおるだったそれは、そのまま焼き尽くされる。


 正子はそれを呆然とみていた。

 横に立つ人物は正子が動かないように正子の周りに結界を張っている。

 もしかして、あれはかおるの新しい力で、変わり身の術的なものなのだろうか。

 そんなことを正子は考えていた。

 

「さてと、連れて行くか」


「そうね」


 前の二人が、ガスマスクを外し、その素顔をあらわになる。


「あ、あなたは!!」


 正子が、自分と戦っていた男を見て、驚きの声を上げた。


「よう。久しぶりだな。この前戦ったときに比べても、結構戦闘なれしてきたみたいじゃねえか。まあ、あのときほどの力は流石に持ってないみたいだけどな」


「どうして、あなたが、宮内家に・・・」


「あ? ああ、俺は別に宮内家の人間じゃねえよ。ただ、今回はお前らを拉致しにきただけだ」


「まさか、わたし達を人質にとるともりですか?」


「ちげーよ。いろいろと、計画が変わってな。お前たちをかおるの元に連れて行くことになったんだよ」


「え?」


 正子は言葉に詰まる。


「そういうことね」


 正子に対して、もう一人の人物、アリスが微笑んだ。




<><><>




「いったいどいうことなんですか?」


 今、正子と孝子とトシコの三人は上野が運転する車に乗せられて、彼らが言うかおるの元へと向かっていた。

 

 正子たちは一応暴れられないように、手を拘束されている。


「どうもこうもねえよ。俺がさっき言った通りだ。お前たちをかおるの場所に連れて行くことになったっていったろ?」


「だから、それが意味がわからないといっているのです」


 正子の語気が強まった。


「どういうことなのお姉ちゃん」


 車に乗るときに意識を取り戻した孝子が、か細い声でそう助手席に座る自らの姉のアリスに尋ねる。


「あなたたちを助けに来たかおる君は、かおる君じゃないわ。あのときの最後の彼を見たでしょう?」


 孝子は、首をかしげる。


「ああ、孝子は見てなかったかしら、正子ちゃん、説明してくれる?」


「え、わたしですか?」


「そう。あなたから説明されたほうが信用しやすいでしょう?」


 正子は、何か納得がいかない気持ちがあったが、仕方なく。見たことを話した。


 かおるが、助けにきたが、上野にやられたこと、そして、炎で燃やされるときに彼の体がマネキンとなって消えたことなどである。


「そんなことがあったのですわね」


「あれは、かおる君のことを模倣した人形なのよ。私達はあれがどの程度のものなのかを調査する目的もあったの」

 

 正子は彼らの言葉が正しいのかどうか。

 どう判断かしたら良いのか悩んでいた。

 確かに、マネキンとなって消えたかおるのことは気になる。

 力も上野にやられるほどのものだった。

 しかし、上野はこの土地を奪おうとしている人間と認定されている人物だ。


(どうなんだろう?)




「あーあ、やられちゃった。主役死亡だね」


「おいおい、判断が早いわ!」


小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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