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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
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空き巣はプロと呼んでもいいのかどうかという件について(仮)


 正子たちはかおるの家にやったきた。


「とりあえず。中に入るか」


 トシコが言う。

 正子と孝子はそれにうなずいた。


「あれ? カギが・・・」


 トシコはドアに近づいてピッキング作業に入ろうとしたときに気が付いた。

 ドアが開いていることに。


「誰か中にいるかもしれねえな」


「少し気を引き締めましょう」


 もしかしたら、努が誰かをよこしたのかもしれない。

 彼なら、正子たちの動きについて予想を立てることができるだろう。

 できるだけ急いだつもりではあるが、宮内家には近衛部隊もいる。

 彼らがこの緊迫した状況で正子たちを連れ戻すために派遣されるかはわからないが、可能性はあるだろう。


 正子は息を呑んだ。


(大丈夫、わたしたちも強くなったんだから)


「行くぞ」


 トシコの合図で、三人はゆっくりと家の中に足を踏み入れた。

 ここからは、声を出すと、もし誰かが中に居たとき聞かれてしまうので、通信を使うことにした。


 三人はまずリビングの中に入った。


『これはひでえ』


『やっぱり何かあったみたいだね』


『これは、プロに仕業だと思いますわ』


『俺もそう思うぜ』


 リビングの様相は、三人の知っているものではなかった。

 

 一言で表せば、荒らされている。

 まるで中に強盗でも入ったかのような感じだ。


『もしかしたら、かおるさんたちがいなくなってから、空き巣か何かが入った可能性はないのかな?』


『どうだろうな。でも、それなら、リビングをこんなに荒らす必要がないんじゃないのか? これはプロがわざと荒らしたもんだと思うぞ』


『それに、ここには残留魔力を感じますわ。異能力者が関わっていると見てもいいと思いますわよ』


 三人はとりあえずリビングを探索した。

 何か、情報となるものがないか探す。


 だが、リビングには、特にめぼしそうなものはなかったので、リビングから二階に上がることにした。


『どっちがかおるの部屋だ?』


『とりあえず。手前から入ってみよう』


 三人は二階に上がってすぐの部屋に入る。

 そこも先ほど同様に荒らされていた。

 そこら中に部屋の荷物が散らかっていて、ベッドの布団が破かれていた。


『これって、まさか、かおるの部屋か?』


 そこには、男物と思われる服が散らばっていたので、かおるの部屋であることがわかった。


『これって、もしかして荒らされたんじゃなくて、元から結構散らかってたりしてたりしねえよな?』


『かおるさんは、結構整理整頓するタイプだと思うよ』


 そこでも先ほどと同様に物色するが、特にめぼしいものはない。


『次は隣だね』


『隣はハルカの部屋か?』


『多分そうですわ』


 三人はかおるの部屋を出て、ハルカの部屋に入ろうとする。


『まて、誰か中にいるぞ・・・』


 中からは、禍々しい力がびりびりと体に伝わってくるのを感じる。


 三人はすぐに臨戦態勢に入った。


『行くぞ』


 トシコが戦闘、ついで正子、孝子という順序でドアを勢いようあけて中に入る。

 中にはフードを深くかぶった人物がいた。


 トシコがその人物に突進していく。


「はあ!」


 トシコがクナイを使い。相手に攻撃をする。

 だが、その攻撃を相手は軽くかわす。


「トシコ! 離れて!」


 その言葉でトシコが相手から距離をとる。

 すると、そこに、竜の雷撃が通る。

 それが相手めがけていく。


 だが、その攻撃も、相手は片手で受け止めた。


 しかし、すぐにその周りに小さな魔弾が出現する。

 孝子の遠隔攻撃だ。

 それが、フードの人物に向かっていく。


「テレポート(転移)」


 しかし、その攻撃が当たる前に相手がその場から消える。


「くそ! どこ行きやがった!」


「まったく、三人ともいきなり攻撃とはひどいな」


「え?!」


 その言葉が後ろから聞こえたので、三人とも振り返った。 

 知った声で、彼女たちの目的の人物。


「かおるさん!」


 そこに立っていたのは、稲垣かおるその人であった。


「どうしてここに?」


 正子が聞く。


「どうしてって、ここは俺の家だから、懐かしくなって戻ってきたんだよ」


「いきなり消えるからどうしたのかと思ったぜ。かおる」


「はは、何も言わないで出て行ったのはわるかった」


「そうですわよ。一言や二言や三言くらい言葉があってもいいくらいでしたのに」


「それは多いな」


 そこで四人が笑う。

 懐かしい光景だなと、正子は思った。

 ずいぶんと長い間、こんなことがなかったかのような懐かしさだ。


(それにしても・・・)


 正子はかおるを見て思う。

 体から出ている力が、正子たちが知っているものとは明らかに違っていた。

 禍々しい。

 その一言に尽きる。

 まるでその場にいるだけで、相手がかおるでなかったら、息が詰まる勢いのものだ。

 この数日で何があったのか・・・。


「かおるさんには、いろいろと聞きたいことがあります」


「まあ、そうだろうね」


「これからお時間ありますか?」


「それが、あまりないんだ。だから、俺が今居るところに来てもらってもいいかな? そこならゆっくり話せると思うからさ」


「わかりました。そうしましょう」


「うん。助かるよ」


 そのとき、四人がまた臨戦態勢となる。


「これは、近衛部隊!?」


「数は十人くらいいるぞ?」


「厄介ですわね」


「とりあえず。彼らを排除してからだね」


 かおるが微笑んだ。

「空き巣はプロでしょ」


「いや、セミプロじゃね?」


小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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