表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
184/227

家にいなければならない件について(仮)


「どうしてですか! 父上!!」


 正子のこれまで聞いたことのないような大声が宮内家に広がった。

 家の中にいた人間はその大きさに誰もが驚いた。


「どうしたもこうしたもない。今日は家にいなさい」


「嫌です!」


「どうしてだ? どこかに行く予定でもあるのか?」


「そ、それは・・・」


 正子の言葉の歯切れが急に悪くなる。


「かおる君たちを探しに行くつもりなのだろう?」


「どうしてそれを?!」


「気が付いていないとでも思ったのか・・・」


 努はため息をつく。

 そして、正子に対して険しい表情を向けた。


「彼のことは忘れなさい。これまで言ってこなかったが、彼はすでに敵だ」


「そんなこと関係がありません!」


「まさか、正子、知っていたのか?」


 正子は、かおるが上野と一緒にいたことにより、敵陣営であると判断されたことはもちろん知っていた。

 いくら努がそれを隠そうとしても、正子はこの家の娘、どこからでも情報は入ってくる。

 

「かおるさんのことも、良太郎さんのことも知っています。彼らが今、川口家、または他の土地の人間側であるかもしれないと思われていることでしょう?」


「思われているではない。彼らは敵だとすでに認定している」


「何かの間違いに違いません! もしも、本当に彼らがあちら側だったとしても、それは何かの考えがあってのことに違いありません! そして、かおるさんと良太郎さんがこの土地を出た形跡はありません。なので、私は探しに行きます!」


 正子は、努の書斎を出ようとする。


「私が、させると思うのか?」


 正子は背後から、急な寒気に襲われる。

 努からの圧力だ。


「正子、わがままを言うな。今、この土地は今までにない緊張状態なんだ。そこで、この土地の実質的な管理者であるお前がこのときにここを離れることは許されないことなんだ」


「で、でも!」


「どうしても、ここから出たいというなら、私を倒してでも行くんだな」


 努は、椅子から立ち上がった。

 そして、正子に近づいていく。


「いいか、正子」


 正子の肩に努は手をおいた。


「もし、本当に彼らのことを思うのであれば、私の言うことを聞きなさい。私の言うことを聞いていればいいんだ」


「ち、父上・・・」


「正子!!」


 そのとき、トシコの声が聞こえた。

 そして、正子はそこで正気に戻る。

 努の能力は精神干渉系だ。

 正子は目を覗き込まれることで、彼の言葉を鵜呑みにするところであった。


 正子は努から急いで離れる。


「トシコ!」


 トシコは、書斎に煙幕弾を放る。

 それにより、書斎が煙に包まれた。


「こっちだ正子!」


 正子は手を引かれてその場から逃げる。


「戻ってきなさい! 正子! この土地を見捨てるつもりか!!」


「私は、かおるさんを見つけ出すことがこの土地のためになっていると思っています! 必ず戻ってきます!」


 正子は宮内家から脱出した。



<><><>







「はあ、はあ、はあ、ここまで来れば問題ないだろ」


 正子達は、河川敷に逃げてきた。


「ありがとうトシコ」


「へへ、いいってもんだぜ」


 トシコは鼻を恥ずかしそうに掻いた。


「わたくしもいますわよ」


 正子は声のするほうに振り向いた。

 

「孝子さん!」


「遅くなって申しわけありませんわ」


「いえ! 全然です! アリスさんは大丈夫なんですか?」


「はいですわ。お姉ちゃんは、新しく借りた家で元気に暮らしていますわ。退院してすぐで無理はできないけど、何かあれば連絡をしてくるようにいっているので、わたくしも手伝いますわ」


「あ、ありがとうございます!」


「それで、これからどうするよ?」


「トシコの家の人達は?」


 この前、トシコが実家の人間に連絡を取って捜索をお願いしてみるといっていた。


「それがよ・・・」


 トシコの表情が暗くなる。


「父上たちと連絡が取れないんだ。兄上達にも連絡をしてみたんだけど、こっちも駄目でさ」


「そう・・・」


「もしかしたら、この土地が緊張状態になってるのを感じて、この土地から離れていったのかもしれないな。結構小心者だからさ」


 そういって、トシコは微笑んだ。


(トシコも、家族のことは心配だよね)


「それなら――」


「正子・・・」


 正子の言葉をトシコが遮った。


「無粋なこと言うなよ? 俺はここに自分の意思でいるんだから、一緒に探させてくれ」


 トシコの表情は真剣なものだった。

 まったく、自分は何を馬鹿なことを考えていたのか、自分がここで変に気を使うのは逆にトシコに対して失礼なことだ。

 わたし達は親友なのだから。


「ごめん。トシコ」


「いいってことよ」


 トシコが微笑んだ。

 それに正子も返す。


「それなら、まずは、かおるさん達の言えに行ってみるのはが良いのではないですか?」


 孝子が提案した。


「そうですね・・・、そういえばこれまで行っていませんでしたね」


「俺なら家の鍵を開けることは造作ないぜ」


「もしかしたら、何か手がかりがあるかもしれませんわ」


 正子とトシコも頷いた。

 まずは、何か手がかりが欲しい。


(いったい何があったのか・・・)


「それじゃあ、行こう! かおるさん達の家に!」


「おう!」


「はいですわ!」



 戦争当日・・・・


「どこにいるのさ、かおる」


「まあ、いろんなところだな」


「どこどこー?」


「それはお楽しみだなあ」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ