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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第四部 大戦争を起こす件について(仮)
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笑いすぎはいけない件について(仮)


 七月の高校終業式に日、その日に私たちは、ハルカさんのお誕生日パーティーをした。

 その日は私の人生の中でもかなり上位に来るくらい楽しい日だった。


 そして、その日から三人の私の友達が消えた。

 稲垣かおる、その身に漆黒の力を宿し。

 その力で何度も私たちの窮地を救ってくれた人。

 そして、彼の幼馴染で終業式の日に私たちがお誕生日を祝った井上ハルカさん。

 さらに、彼もかおるさん同様。

 幾度となく私たちを影から支え救ってくれた人、梅本良太郎。


 彼らは私たちの前から消えた。

 孝子さんが消えたときはまた違う。

 あのときは孝子さんを捜す手がかりがあった。

 だけど、今回は違う。

 私たち、私とトシコと孝子さんは土地中を捜した。

 だけど、なんの痕跡も見つけることはできなかった。






「まーさこ!」


「きゃ!」


 正子の背中をトシコが勢いよく叩く。


「しゃきっとしろよ! また今日も探しにいくんだろ?」


「うん。そうしようと思う。何か心配だから」


 もしかしたら、かおるさんとハルカさんは、2人で旅行にでも行ったなんてこともあるかもしれない。

 それに、良太郎さんだって、どこかに情報収集として派遣されているのかも。

 正子は周りを見回した。

 宮内家は最近特に騒がしい。

 聞くところによると、すでに、川口家が戦争の体勢に入っているということだった。

 後はどちらが先に動くかということになっている。


(その前に、かおるさんたちを捜さないと、何かに巻き込まれている可能性だってある)


「俺も手伝うぜ!」


「ありがとう」


「いいってことよ。俺だってかおるたちのことは心配なんだからよ。それに正子に抜け駆けでもされたらいやだからな」


「何よそれ」


 正子は笑った。

 最近、こんな風に笑うことは少なくなってきた気がする。

 どことなく空気が重い。


「そういえば孝子は?」


「確か、アリスさんのお見舞いじゃなかったかな? もうすぐ退院だって聞いたよ」


「そっか」


 正子とトシコは2人で宮内家を出た。

 正子は玄関を出た後、後ろを振り返り、自らが住む大きな屋敷を見た。


(大丈夫だよね。戦争なんかにならないよね・・・・)


 トシコは空を見上げた。


(親父たちにも連絡とって探してもらうか・・・)




<><><>




「お姉ちゃん、本当に大丈夫ですの?」


 孝子の心配そうな声が病室に聞こえる。


「もう、心配しないの。大丈夫よ。ほら、この通りぴんぴんしてるし」


 アリスは、スポーツバックに自らの荷物を入れている。

 そして、孝子に対して腕を曲げたりして自分が元気なアピールをした。


「あ、いてててて」


 アリスが伸ばしすぎた腕を抑える。


「もう。だから無理しなでいったのですわ」


「はは、本当に大丈夫だって、それにこんなところで一人のんびりなんかしてられないからね」


「どういうことですの?」


「私だって、大切な妹を守りたいってことよ」


 アリスが孝子の頭をゆっくりとなでる。

 孝子は恥ずかしそうにしながらもそれを受け入れた。


「これから、どうしますの?」


「とりあえず知り合いのところに行くわ」


「それなら、わたくしのところに来ればいいのに」


「駄目よ。あなたはもう新しい家族がいるんだから、そこに私が入っていくのは駄目なの」


「・・・そう」


「もう!」


 アリスは孝子の頭をわしゃわしゃとした。


「こえからはいつでも会えるんだから、そんな暗い顔しないの! わかった?」


 孝子は髪を整えながら、うなずいた。


 2人は、病室を出て、病院の中庭の池の前まできた。


「それにしても心配ですわ」


「かおる君とかのこと?」


「ええ、いったいどこに行ったのか・・・・」


「自分をおいていくなんて、許せない! って?」


 その言葉で、孝子の顔が真っ赤になる。


「そ、そんなことではないのですわ。まったくこれっぽっちもそんなことは思っていないのですわ!」


「はは、必死すぎよ孝子、それはもう図星だったってことじゃない?」


 それでまた孝子がさらに赤くなる。

 そして頬を膨らませて言う。


「もう、お姉ちゃんの馬鹿ちんですわ!!」


「はは、冗談だって、そんなに怒らないでよ」


 アリスは孝子に微笑みかけた。

 孝子はまだ、頬を膨らましていたが、アリスが何度も謝り、彼女を許した。


「まあ、でも大丈夫だと思うわよ。あのかおる君なら、必ず戻ってくるわよ。さらに強くなってね」


「もう、十分強いから無理だけはしないで欲しいですわ。それに、私たちの知らないところでかおるさんはがんばり過ぎるとこがあるので心配ですわ」


「ほ、ほう。またまたー。これは私にもあなたの負担を分けて、ハートってやつですかな?」


「もう! また!」


「はははははは」


 アリスは腹を抱えて笑う。

 孝子は怒りながらも、うれしい気持ちでいっぱいだった。

 こんなに幸せな姉の顔を見ることができて心が満たされる。

 これも、すべてかおるのおけがだともそこで再認識した。


(何事もなければ幸いなのですが・・・・)


「ははは、は・・いてて、笑いすぎて傷口が・・痛い・・・」


 アリスが胸を痛がる。


「人のことを馬鹿にしすぎなのですわ。ちょっとくらいそれでお灸をすえられたらいいのですわ」


 そういって孝子は微笑んだ。


 7月29日

 戦争まで後3日・・・

「第四部始まりました!」


「やっとですね」


「でも、最近ストックがなくなってきてやばいらしいです」


「いつ毎日更新が途切れるのかどきどきですね!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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