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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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神殺しを成し遂げたい件について(仮)


「まさか、我の名前まで知っているとはな。少々驚きだ。だが、ひとつ抜けていることがあるぞ?」


「何だい?」


「我はこの体を欲するために、井上家もこの土地に呼び寄せた。何、簡単な話だ。巫女の血を引く一家なら、神の意に背くことはしない。そして簡単にその命を差し出すものだからな」


「つまり、井上ハルカの両親に対して暗示をかけ、この土地に呼び寄せて稲垣家と懇意にさせたってことだね?」


「ああ、あの両親は霊力があるが、薄弱だった。それが逆にあだとなったわけだ」


 かおるは、これまでのことを思い出していた。

 みな。その行いに善悪の区別こそあれども一生懸命に生きていたと思う。

 それの行動のすべてが、まさかこの神。天邪鬼の手の平で踊らされていただけだなんて、そんなのは、悲しい。

 いや、腹立たしさ。怒りさえこみ上げてくる。

 かおるが倒して大罪悪魔の二人だって、最後まで自分というものを持って戦っていた。

 それが、いいか悪いかはわからない。

 でも、最後まで自分の意思で・・・・・・・・。


「それで? ここまで立派に我の思惑について熱弁をふるってきたわけだが、それで何か変わるのか?」


 天邪鬼は両手を横に広げて、良太郎をあざ笑ってみせた。


「所詮は無駄なことだ。今更我の思惑を知ったところで何も変わりはしない。この体は我のものだし、自由だ。つまり稲垣かおるは我の言うことを聞かなければこの娘を助けることはできない。もし、我が約束を守るかどうかわからない状況でもな。それしか救える可能性がないのなら、そうするしかないのだ。ははははははっは」


 汚い笑い声がその場にこだました。


「ふふ」


 だが、その場で良太郎だけが余裕だった。


「どうして、お前がそこまで大罪悪魔を恐れるのか、それは僕たちが消滅しない悪魔だからだけじゃない。つまりは過去にあった出来事が原因なんだろう?」


 その言葉で天邪鬼の笑い声が止まった。


『お前、どこまで知っている』


 そこで、声色が変わった。

 これまでのハルカの声帯を基本とした声ではなく。

 おそらく天邪鬼本来の声。

 つまり、ハルカを通してではなく、この場に直接伝えているわけだ。


「はは、とうとうぼろが出てきたね。僕はその顔が見たかったんだよ」


『そんなことはどうでも良い。貴様がどこまで知っているのかと聞いている』


 そこで良太郎はにやっとして笑った。


「・・・全部だよ・・・・」


 その瞬間、天邪鬼が江良さんを見た。

 そして、その合図と同時に江良さんの鉄拳の嵐が、結界に放たれる。


 拳と結界がぶつかる音がする。

 だが、結界はびくともしない。


「はは、無駄だったいったのに、お前も案外愚かなんだね」


「なんだと!」


 その一言で天邪鬼な表情が一変した。


「我がどれだけの存在なのか。貴様には思い知らせないといけないらしいな・・・」


 天邪鬼が天高く手を掲げた。

 すると、そこに空気が圧縮されていく。


「はは。すごいね」


 だが、良太郎は余裕を崩さない。


「何が、我の存在をだよ。僕たちがもともとどんな存在だったかわかってないみたいだね。あの唯一神にはむかった人間だぞ?」


 良太郎からものすごい威圧感が出た。

 それが圧力となって、天邪鬼が作り出した空気弾を弾き飛ばした。


「なっ・・・!」


 良太郎や江良さんだけでなく、天邪鬼も驚きを隠せない。


「貴様いったい・・・」


「これから、お前を倒そうとしているんだ。これくらいできないとね」


「ルシファーの本体の力はそこまで強力ではないはず・・・・」


「簡単な話なんだけどね。わからないようなら、いいよ。それよりも。もう悪あがきはやめて話に集中しようよ。今からが大事な話なんだからね」


 そこで、良太郎はかおるを見た。


「かおる。君にもう一度言うよ。君はまだ負けてない」


「どういう意味なんだ? まだ、何かあるってのか?」


「僕はね。今日のこの日までずっと、あのときのことを後悔していたんだ。どうしてあのとき僕は行動をしなかったんだろうってね。そうしていれば、こんなにも大きなことにはならなかったんじゃないかと思ってしまってね。だから、今日まで神を倒す方法を考えていたんだよ」


 良太郎は天邪鬼に向き直った。


「そして、見つけたんだ。神を倒す方法。つまり神殺しを行う方法を・・・」


「神殺し・・・・?」


 良太郎はかおるに微笑む。


「まあ、その詳細については自然にわかることになるよ。だから、とりあえずここから一旦撤退だね」


「そんなことを我がさせると思うのか?」


 天邪鬼の低い声が届く。


「貴様のしようとしていることは、あのサタンと同じことをするつもりだろう? やつは、大罪悪魔の中で唯一、神殺しを成し遂げた悪魔だ。そして、その罰で永遠に尽きることの無い苦しみの淵に魂を縛り付けられている。だが、貴様がその詳細を知る方法なんてものはないはずだ。つまり神殺しのことについては我を動揺させるブラフに過ぎない。となると」


 天邪鬼はかおるに視線をやる。


「稲垣かおる。この体、井上ハルカを助けたいなら、我の僕になるほかはないぞ? 選べ。そんなあるかもしれない神殺しなんぞに頼るのか、それとも、少なくともこの娘だけは救って見せるのか。今ここで選べ!」




「そこでかおるは一発ギャグをかます!」


「いきなりどうした?!」


「はい! どうぞ!!」


「え、っと・・・布団が吹っ飛んだ!!」


「・・・・・・・」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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