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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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例外の例外な件について(仮)


「はははははっは。・・・・はあ。だが、我の考えにお前の父親は気が付きおった。だから、お前に将来その力が行くようにしたのだ。それでこの娘を救うためにな。いや、それと、お前を助けるためでもあったか・・・」


「俺を助けるため?」


「そうだ。お前はあの飛行機事故で死ぬ運命だった。いや、正確には死んだのかもしれないな。だが、お前の体が将来漆黒の力のよりしろになったことによりお前は生き返ったのだ。神が作り出した仕組みを上手く利用した小賢しい行動だな」


 つまり、かおるはベルゴがいることによって助かったということだ。

 良太郎がベルゴに向けていっていた言葉に意味がここでわかった。


「だが、無駄なことだ。どうあがいたところで、所詮は人間、我にはむかうことなどできない」


「本当にそうかな?」


「何?」


 良太郎の言葉に、神が顔をしかめた。


「今までの話だと、要は、僕たちを出汁にしてその体を奪うだけが目的のように言ってるよね?」


「ああそうだ。我はこの体が欲しかった。この体を掌握するのに十年も掛かってしまったがな。思っていたよりも霊力が強かったことには驚いた。だが、これで我は自由にどこえでもいける」


「だけど、今すぐに大罪悪魔は滅ぼしておきたいんだろう?」


 その言葉で、神の笑顔が消えた。

 良太郎が続ける。


「お前は、これから異能力者をそれぞれ潰していくつもりなわけだ。自分がこの世界の頂点に君臨するためにはどれだけの力を持っていたとしても、脅威となるものをなくしていくのが得策だからね。そして、僕らはその中でも一番の脅威となっている」


「悪魔ごときが図に乗ったことを言うなよ?」


「図になんかのっていないさ。だけど事実だ。神様といえども、所詮は小さな土地の土地神ごときだったやつだ。お前じゃ僕たちを消し去ることはできない。だから、かおるを利用したい。いや、お前の計画はかおるの中にベルゴが入って、大罪悪魔を倒していくことも入っていたんだろう? つまり、かおるの父親がかおるを救うために、ベルゴを使うことも、それから大罪悪魔がこの土地に集まってくるようにしたことも全部お前のお膳立てがあったってわけだ。傲慢な小さな神様のね」


 良太郎は少しずつ語気を強めていく。


「本当に傲慢だ。あの飛行機事故の中にどれだけの策を入れていたのか、今になって気が付くなんて本当に僕も情けがなった。お前は、唯一神が作り出した大罪悪魔という自分では消せない。いや、正確には何度でも魂のよみがえりをする僕たちを消すために、この土地全体にあらゆる霊脈を張り巡らした。だけど、霊脈はそんなに簡単にいじれるものではない。異能力者ならまず触れただけで消滅級の力だ」


 良太郎は、江良さんを見た。


「だから、江良さんという超えし者を、この土地で小さなときから育てたんだろう? その江良さんが霊脈をいじくった。それで、唯一神が定めた法。大罪悪魔が現界で活動しにくいという法をやぶり。この土地でだけなら、大罪悪魔はほとんど自由に動けるようになった。それを何年もの歳月をかけてねやることでね」


「ちょっと待ってくれ」


 かおるが問う。


「確か、宮内さんのおばあさんはこの土地に来たときに、大罪悪魔のレヴィアタンとシンクロしたんだ。つまり何十年も前に、でも江良さんは俺の一つ上だぞ? その話は・・・」


 かおるは自分で話していて、ある仮説が同時にできあがっていくのを感じた。

 超えし者は、あらゆるものの例外に位置する存在。つまり、それは寿命だの。老化というものからも例外ということなのではないか? 

 そうなると、答えは出てくる・・・。


「その表情を見ると、かおるもわかったみたいだね。そうだよ。江良昌樹はもうすでに100歳は超えているんだよ。彼は、その神の力のおかげでかおるの高校でもう何年もの間、二年生として生活をしている」


 かおるは江良さんを見た。

 江良さんの表情に特に変化がある様子はない。

 つまり、それはその言葉に対して江良さんが驚いていないということ、真実だということだ。


 良太郎はかおるを一瞥してから続ける。


「その霊脈が出来上がったときに、宮内清がこの土地にきた。そしてそれから数十年後、かおるの父親もこの土地に引っ越してきた。そこでベルゴとの邂逅を果たしたんだ。そして僕も、僕は大罪越えだから霊脈が関係しているわけじゃないけど、引き寄せられるようにしてこの土地にやってきた・・・」


 良太郎は神をにらむ。


「後は、今までの話から現代に時間が戻るんだよ。この神は大罪悪魔を消滅させるために、その力を持つベルゴがかおるに宿るまで待った。そして、宿ってからまた計画を加速させたんだ。これまでの三ヶ月ほどのすべてが、この神の手のひらで踊らされていたんだよ」


 良太郎はそこで、一旦息を吐いた。


「そうだろう? 神。いや天邪鬼あまのじゃく・・・・」


 その問いに、相手はにやっと不気味な笑みを見せた。

 それは、ハルカの顔が笑ったとは思えないほど異形なものだった。



「名前来ましたああああ!」


「いい加減神っていうのも疲れたからな」


「ただ、名前に深い意味はありません!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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