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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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置手紙がある件について(仮)


 かおるはすぐに臨戦態勢に入ろうとする。

 が、


(力が出ない?!)


「無駄だよ。私のまえじゃ、君は無力だからね」


 かおるは相手を見据えた。

 やはりこいつには結界も効いていなかったということだ。


「それで、今日はなんのようなんだ?」


「君にとっては大事な情報を伝えようと思ってね」


「それは、お前の上の指示か?」


「いや、これも私の単独行動だよ」


 フードからのぞくことができる口の口角が上がるのが、かおるには見えた。

 できれば穏便にしないといけない。なにせ二階にはハルカが居る。


「・・・それで、その情報っていうのは?」


 かおるは座ったまま聞く。


「君の大事な人間が今日死ぬ」


「は? どういうことだよ?」


「死なせたくなかったら、君たちの始まりの場所に行くことだ」


「始まりの場所?」


「そう。君がその能力を得るきっかけとなり、さらに今までのすべれが組み込まれることになった場所だね。考えればわかるよ」


 フードの人物はかおるに背中を向け、歩いていく。


「それじゃあね。私はもう行くよ。また、会おう」


「お、おい!」


 目の前から相手は急に消えた。


(いったい、どういうことだ・・・)


 大切な人・・・。


 かおるは急いでリビングを出て、二階に上がる。そして自分の部屋を素通りして、横の部屋のドアをノックした。


「おい、ハルカ! いるか?」


 返事はない。


「ハルカ? いるなら返事してくれ!」


 かおるは自分の心臓の鼓動が早くなるのを感じる。


(おいおい、嘘だろ?!)


「ハルカ! 入るからな!」


 かおるはドアの取ってを下げる。

 ガチャという音とともに、ドアが開いた。そして、かおるは中に入る。


「・・・いない・・・」


 かおるは、部屋を見渡す。

 かおるは、ハルカの机の前まで来た。そこで一つの手紙を発見する。その手紙の表紙には、かおるへ。の文字だ。

 かおるはその手紙を手にとり、中身を見た。


 かおるへ。

 あんたに手紙を書くなんて小学生以来かしら? それとも幼稚園のときにも書いていたのかしらね? わからない。

 多分、あんたがこの手紙を見つける頃には私はいなくなってると思う。これは決められたこと、だから誰が悪いとかでもないの。だから自分を責めたりしないでね。

 そして、多分あんた以外の人間から私の記憶は消えると思うわ。あんたからも記憶を消したかったんだけど、それはできないみたい。だから、ごめんね。また、悲しみを残すことになってしまった。

 これからのことだけど、お金の心配なんかは大丈夫、私の引き出しに通帳とかもろもろのことを説明したノートが入ってるから、それを見たら全部わかると思うから、これは大変だったのよ? あんたにもわかるようにいろいろと考えて書いたんだから。でも、まあ、最後にできることだと思えばがんばれたわ。


 あまり、長ったらしくいろいろ書くのは得意じゃないから、もうそろそろ終わりにするね。私が今まで十六歳の誕生日に消えるとわかっていててもがんばれたのは、かおるが居たからです。だから、今までありがとう。さようなら。


 ハルカ



 かおるは、ハルカの机の引き出しを開けた。そこには手紙に書いてある通りに、ノートと通帳が入っていた。

 ノートをあける。

 そこにはびっしりと事細かに、いろいろなことが書いてあった。かおるが好きな料理の作り方なんかも書いてあれば、これから友達をどう作ればいいのかも書いてあった。


(おいおい、とんだサプライズだよ・・・)


 かおるは、ハルカのベッドに落ちるように腰掛けた。そして、手紙を握り締める。

 そして、手で顔を覆う。

 

 何がなんだか、頭の整理が追いつかなかった。

 いったいどういうことなんだ。

 どうしてハルカは居なくなった。

 手紙には、今日そうなることは決まっていたという風に書いてあった。ということはこれは昔から決まっていたことだということになる。

 ハルカは自分が消える運命だと知りながら、俺と一緒に生きてくれたのか。

 俺はいったいどうすればいい?

 これから彼女なしで、何に幸福を感じるというのだろうか・・・。いや、幸福なら感じるのかもしれない。だが、それに自分で満足できるのか?


 そこで、フードの人物のいっていたことが思い出された。


「君の大事な人が今日死ぬ」

「死なせたくなかったら、君たちの始まりの場所に行くことだ」


 かおるの大事の人とはハルカのことだ。

 死なせたくなかったらということは、まだ死んでいないということだ。


 かおるは立ち上がった。


(始まりの場所とはどこのことだ!?)


 かおるは必死に頭を回転させる。2人で行った場所、2人で見た場所、様々なところを思い出す。

 しかし、それのどこが始まりの場所なのかまったくわからなかった。


《彦山に行け》


(え?)


 そのときベルゴが唐突に話してきた。


《お前たちの始まりの場所、それはお前たちが事故に会い。不時着した彦山だ》


(なんで、お前がそんなことを・・・)


《そんなことは今どうでもいい。あの娘を助けたいんだろう? なら急げ》


 ベルゴの声は、今までにないものだった。


(わかった。サンキューなベルゴ!)


 

「かっこいいね。ベルゴ」


「彼が唯一、この世界でのハードボイルド役だからね」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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