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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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気に入れらてよかった件について(仮)


「ハルカ!」


 かおるがハルカの前に行く。


「これ、俺からの誕生日プレゼント。ちゃんとしたのは、また2人で買いに行くとして、俺からもちゃんと渡して置こうと思ってさ。まあ、なんていうか。これは普段の感謝の気持ちをこめてって感じかな」


 かおるは、ポケットとから出した細長い箱をハルカに向けて渡す。


 ハルカは少し驚いてそれを受け取った。

 その箱を、ゆっくりとハルカは開く。そしてその中からかおるが、ショッピングモールに先ほど買いに言ったときに、こっそり買った二つのハートが絡まったネックレスが出てくる。


「まあ、そのたいしたもんじゃないんだけど・・・」


「いえ、ステキじゃないですか!」


 正子が、ハルカの持つそれをきらきらとした目で見る。


 ハルカはそのネックレスを見てとまっていた。


(あれ? もしかして気に入らなかったか?)


 かおるは不安になる。


 ハルカが、そのネックレスをかおるに向けて渡してくる。


「え?」


 もしかしてマジでいやだったのか? 


「付けて」


「え?」


「だから、付けてよ」


「わ、わかった」


 かおるは手に取ったネックレスを、後ろを向いたハルカに手を回して付けた。


 ハルカがさっと振り返る。


「似合うかしら?」


「ステキです!」


 正子がくい気味に言う。

 ハルカはそんな正子に微笑んだ後、かおるを見た。


「に、似合ってるよ・・・」


「そう。ありがとう。うれしいわ」


 ハルカはかおるに対しても満面の笑みを見せる。それを見て、かおるは心のそこから安心して、今回のサプライズは成功したと思った。



 では、わたし達は失礼します。といって正子たちは午後9時ごろに片付けを終えて帰っていった。

 かおるとハルカは彼女のたちを玄関まで行き見送った。


 そして、今、かおるたちはリビングで2人きりとなった。


「まさか、あんたがこんなことをしてくれるなんてね」


 椅子に座って、先ほど作ったハーブティーを片手にかおるに微笑んだ。


「まあ、喜んでもらえて何よりだよ」


 かおるは照れくさそうに鼻を掻きながらそっぽを向いた。

 

 そこからはなんでもない時間が流れた。

 いや、正確にはいつも通りの時間だ。

 最近はあまり感じることがなかったが、かおるは自分がこの時間が一番心地いいのだと感じた。最近は自分でもわけがわからないがいらいらしていた。それがこの時間で一瞬ですっきりした気分だった。


(本当、俺って単純なのかもな)


 気が付けばそれから一時間も経ち午後10時を超えていた。


「私、上に上がってるわね」


「ん」


 ハルカが階段を上がっていく音が聞こえる。

 かおるは、リビングのソファーに背中をめいいっぱいあずけて腰掛けた。視線は天井を捉える。


(今日は、まあいい一日だったろう)


 それから、かおるは身体の疲れから眠ってしまった。



   -   -   -



 ここは、この土地に大きな山。彦山にある誰も知らない場所。

 私はそこにある樹齢何千年の木の前に立っている。


【約束どおり来たな】


 どことなく空間から声がする。いや、直接脳の声が届くような感じか。


「当たり前でしょ。そうしないと、私の大切な人が危険な目にあうじゃない」


【ふん、相変わらず口の悪い女だ。せっかく命を与えてやったというのに、感謝が足りないな】


「感謝も何も、私はあんたと契約を結んだだけ、私の六才までの記憶と引き換えに10年間私を生かしてくれるってね。あんたも利益を得たんだから感謝なんて必要ないでしょ?」


 私は相手に対して悪態をつく。もう、少ない命だ。最後くらい相手に言ってやってもいいだろう。


【最後だからと、神に向かってよくもまあ、そこまでいえるものだ。あの男もお前と共に暮らしていて大変だったろうにな】


「知ったふうなことを言わないでくれるかしら?」


【知っているさ。すべてみていたからな。この目を通して、なにせ我は神だからな。それにあの男は我にとっても重要な人間だ。常に彼のことをわれは見ている】


「監視しているの間違いでしょ?」


 私は結局、こいつから彼を助け出すことはできなかった。

 結局は神と人間ということが、自分にはなんの力もない。


 後はあの子に任せるしかない・・・。


「まあ、いいわ。こんなやりとりをしても不問よ。どうせ後少ない命なわけだし、最後は静かにしてもらえるかしら?」


【まあいい。時間がくるまでせいぜい待っていることだ】


 その声を最後に、私の周りが静寂に包まれる。

 私は目の前の木にもたれかかり、ゆっくりと座った。


 今日で、私の人生が終わる。まあ。充実した人生だったろう。

 私は時計を見た。時刻は午後十一時、後一時間か・・・。

 それから、首に掛かるネックレスを手に取り見た。


 あいつは私がいきなり消えたらなんて思うだろう。悲しむのかな。それともなんとも思わないのかな。それだと悲しいな。


 最後の日である今日は楽しかった。

 後願うのは、あいつにいい未来が待っていることだけだ。


 私は静かに目を閉じた。



 -   -   -


 かおるは午後十一時前に目がさめた。

 身体が少し重たかったので、ゆっくりと身体を起こす。そして、心臓が急に心拍を増す。


「お前・・・」


「やあ、この前ぶりだね。あえてうれしいよ」


 そこにいたのはフードの人物だった。

「やっと、物語が動き出す!」


「長かったな!」


「こて入れ回が一番駄目だった気がする」


「それは言ったら駄目なやつだから」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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