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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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今更何を? な件について(仮)


「ハルカ! あの丸ってなんだ?」


「何よ?」


 後片付けをしていたハルカが、かおるの近くによってくる。


「あのカレンダーの丸だよ」


 かおるはカレンダーに指さして聞く。

 ハルカはそれに促されてカレンダーを見る。


「し、知らない」


 ハルカは少し歯切れ悪く言うと、さっさとキッチンに戻った。


(あの、丸をつけたのはハルカじゃないのか・・・)


 反応こそ変だったが、まあおそらくそうなのだろう。ハルカではないとしたら残るはただ一人、かおるが丸をカレンダーにつけたことになる。色は赤。どうしてそんなことをしたのか・・・。


 かおるは自分の記憶をたどる。

 

 少しずつではあるが丸を付けたことを思い出してきた。


(そうだ。確かこの丸はこのカレンダーが掛けられた日、新年になった瞬間につけたんだった。でも、俺はなんでそんなことを・・?)


 かおるは一人で首をかしげる。


 七月二十一ねえ・・・・・。


(あ!!!!)


 ガタ!


「な、何よ。いきなり。びっくりするじゃない」


 かおるは頭に電撃が走り。いきなり立ち上がっていた。


「あ、すまん」


 かおるはゆっくりとソファーに座りなおす。


 そして思ったことはただひとつ。


(やばい!)



   -    -    -



「それで? つまり今の今まで忘れてて、前日に思い出したから俺たちにどうすればいいか相談しにきたと?」


「そうですか。明日なんですね」


「まあ、いいんじゃないかな。かおるが俺たちを頼ってきたのは初めてに近いし。協力してあげようよ」


「俺もいいぞ!」


「わたくしもですわ」


 最近はこの公園になんとも縁があるな。とかおるは思った。

 場所は学校から近い公園。そこに、この前と同じ面子が集まっていた。そのときと違うのは、今回は全員かおるが召集をかけたということだ。


「いやあ、危なかった。去年と同じ過ちを犯すところだったよ」


 かおるは胸をなでおろしていた。


 あのカレンダーに赤い丸がされていた日。それはかおるが新年が始まった瞬間に書いた高校の一学期の終業式などではなく。ハルカの誕生日であった。


「それにしても、お前。幼馴染の誕生日を忘れるなんてひどいな」


 竹市があきれたという表情をする。


「今年は忘れてないって、まあ、去年までは祝うこともほとんどしてないけど・・・」


 その言葉に、その場の全員がかおるに「うわあ」という表情をする。あ、やばい。これ嫌われるやつだわとかおるは思った。


 去年、かおるはいつも通り。ハルカの誕生日のことなど気にしてはいなかった。なので普通にその日をスルーしたのである。

 そして事件は起こった。それまで特に何もいってこなかったハルカがついに堪忍袋の緒が切れたのである。まあ、それは大変な事件だったことを覚えている。確かあばらの一本や二本くらいやってしまったような・・・・。

 だから、先ほどハルカにたずねたとき歯切れが悪かったのだ。おそらくだが、彼女はかおるが今回は何か用意しているだろうと思っている。だから、俺は用意しれますよ。という風にわざわざハルカにあの日はなんだっけ? と聞いたとハルカは思ったのだろう。とかおるは推理した。あの場面でかおるが忘れていることを気が付かれていたら、今度が命が危なかった。


「だから! 今年はちゃんとお祝いをしたいわけ! それでみんなに協力をして欲しいんだよ」


「協力っていってもまずは何を?」


 竹市が尋ねる。


「まずは買い物だね」


 良太郎が言う。


「プレゼントをまずは買わないといけないものですね」


 正子がなぜかやる気満々で言う。まあ、それはうれしいんだけど。


「それで? お前は幼馴染が何を欲しがっているのか知っているのかよ?」


「いんや、知らない。まったくもってわからん!」


「なんで、そこ自信満々で言うんだよ。ったく。それじゃ、まずはそこをしらないといけないな」


 竹市は頭痛が、というポーズを取る。


「どうやって?」


 かおるが首をかしげて聞く。今回はすべてみんなに任せる気でいる糞野郎であった。


「それは、お前・・・、なんていうかこう。探りをいれてだな・・・」


「どうやって?」


「いや、だからそれとなく聞くんだよ!」


「竹市君・・・、さては女の子の友達とかいないね?」


 良太郎が言う。にやにやして言う。


「う、うるさいな! そういうお前もさしていないだろうが!」


「はあ、竹市君は使えないな」


「かおる! お前が相談してきたのに、なんだその態度は!」


「でも、まずは何が欲しいのか聞いたほうがいいのは事実かもしれませんよ。もちろん、直接的に聞くのではなく。それとなくですが」


 かおるに襲い掛かろうとしている竹市を良太郎が抑えているときに、正子がまじめな表情をして言う。


「そうだな。俺もそう思うぞ。女の子は自分が欲しくないものは欲しくないからな」


 トシコが残酷なことを言う。そこは、想いがこもっていればなんでもいいとかじゃないの? とかおるは思った。


「よし!」


 かおるはベンチから立ち上がる。


「とりあえず。それとなく聞いてくるわ」


「策はあるのかい?」


 良太郎が聞く。


「俺たちがどれだけ一緒にいると思ってるんだよ? それとく相手の欲しいものくらい聞けるって」


 そういうと、かおるは颯爽と公園を出て行った。

 それを見て、その場の全員が思う。


『幼馴染の誕生日を忘れてたやつが今更何を・・・・』


「本当に今更だよね」


「なんでだよ?」


「はああああああ」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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