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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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その丸なんですか? な件について(仮)


「えっと、そのあれを教えて欲しいかな・・・」


「あれってなんですか?」


 風が間に流れた。

 正子が純朴な表情で訪ねてくる。


「えっと・・・宮内家の動きについてかな」


 かおるは流石に踏み切れず。頭の中になんとか思い浮かんだことを言った。


(まあ、動きについては知りたいし。いいか・・・)


「宮内家の動きについてですか?」


「うんそうだね。宮内さんに聞きたいのはそれだな」


 そこから、かおるは孝子とトシコに聞くことを考える。


(まあ、これでいいか)


「それで、孝子さんに聞きたいのはアリスが今どうしてるのか。トシコに聞きたいのは、今の川瀬家の状況かな。忍の世界が現状でどうなっているのか知りたいかな」


「そんなことでいいんですか?」 


 正子は困惑の表情をする。他の2人も同様の表情をしていた。


「うん。いいよ」


「そんなことなら、こんなときでなくてもいつでもわたし達は言いますよ?」


「そうだぜ。俺の家のことなんて別にいつでも聞いてくれたら答えるぞ? 俺の家はもうかおるの配下なんだからさ」


「そうですわよ。お姉ちゃんのことなんて、わたくしもいつでもお話ししますわよ?」


 3人が矢継ぎ早にかおるに言ってくる。


「いや、これでいいんだよ。今一番聞きたいことはこの三つだ。それ以外にはない。それに、俺は本当にあのときのことは気にしてないからさ。変に貸し借りを作るのはよそう。そんな関係にはなりたくないからさ。友達だろ?」


 かおるは、先ほど自分の中に出現していた邪悪な心を自ら浄化するように青春真っ盛りな言葉を並べる。そして、正子達3人に微笑んだ。


「かおるさん・・・」


 正子達にかおるの言葉はおそらく響いたのだろう。それが例え。自分を守るための言葉だったとしてそれは相手に届くのだ。

 かおるはまだ微笑んでいる。


「わかりました。ありがとうございます」


 正子は頭を下げた。


「ったく、言うじゃねえか、かおる!」


 トシコが鼻をかいて照れる。


「わたくしは、かおるさんはそういう人だと思っていましたよ」


 孝子が微笑む。


 彼女たちの反応がかおるの心を痛みつけたが、それを耐える。


 邪悪な心を持った自分が悪いんだ。そう悪いんだ・・・・。




   -     -     -



「ただいまあ」


 かおるは自宅に戻った。

 かおるの質問に対しての回答は明日ということになった。かおるは早く家に帰りたかったし、正子達もそれぞれ話すことをまとめたほうがいいだろうということになったからだ。


「おかえりなさい」


 その言葉がリビングから聞こえてくる。玄関に入って見えた靴から、ハルカがもう家に戻っていることはわかってはいたが、初めてといってもいい、学校がある日にハルカがかおるよりも先に帰っているということに、その言葉が耳に入ってきて実感した。


 かおるは、いつもなら自室に先に戻るところだが今日はリビングにまず入った。


 リビングに入って目に飛び込んできたのは、リビングの長机の上に色とりどりの食事が用意されていた。


「あら、先にこっちに来たの?」


 キッチンからハルカが言う。


「え? ああうん。お腹へってるからな。すぐに食べようと思って」


 かおるは、ゆっくりと椅子に座る。


「あんたは本当にどうしようもない人間ね。食欲にすぐに負けるわ。さえないわで最悪だわ」


「ああ、本当にな。俺も驚きだよ。でも、まあ。こんなに素敵な料理が並んでたら仕方ないよな」


「・・・・」


 ハルカは一瞬固まる。


「ふ、ふん。そんなの関係ないわよ。・・・まあ、感謝して食べることね」


「いつも感謝してるよ」


 ハルカはまた一瞬固まる。

 それから、最後の料理を机に運んできてから、かおるの目の前の席に座った。


「じゃあ、食べるか」


「そうね」


「「いただきます」」


 かおるはまず。真っ白なご飯から手をつける。最近こんなに綺麗な白ご飯を昼に食べることはなかった。

 白ご飯が口の中に放り込まれる。


(おおおおおおお。白飯が口の中ではじける!)


「うん。上手い。上手いぞハルカ!」


 かおるは目を輝かせてハルカに言う。


「当たり前でしょ。このお米は高いんだから」


「そういうことじゃないって、ほら、お前も食べてみろよ!」


「はあ、だからおいしいのは当たり前だって」


 ハルカの口にご飯が運ばれる。


「・・・・」


 ハルカの表情が変わる。


「上手いだろ?」


「そうね。おいしいわ。・・・じゃなくて! おいしいのは当たり前だって言ってるじゃない!」


 ハルカの顔は少し赤くなっていた。

 それを見て、かおるは笑顔になる。


「何笑ってるのよ!」


「まあ、あれだ。日常だなあってな」




「ふう、もうだめ。もう何も入らない」


 かおるは昼食でご飯を3倍をおかわりして、お腹をぷっくりと膨らませてリビングのソファーどさっと座る。


「もう、だらしないわね」


 ハルカが小言を言ってくるが、かおるはそれも鳥のさえずりのような心地よさを感じていた。

 そして、かおるは何気なくリビングに掛かっているカレンダーを見る。そこには、終業式である日に赤く丸がしてあった。


(ん? どうしてあんなところに丸してあるんだ?)



「意気地なし!」


「う、うるせえ!」


「男をみせてよね」


「う、うるせえ!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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