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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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急展開な件について(仮)


 フードの人物が去ってから、すぐにハルカが帰ってきた。もちろん、青沼という男と一緒にだが・・・。そして、なぜかその青沼の彼とかおるは昨日良太郎たちと一緒に来た公園にて対面をしている。


「なんで、俺連れてこられてんでしょうか?」


 かおるは、素直な疑問を彼に向ける。

 ハルカが帰ってきたとき、かおるはリビングにいた。そして、リビングに入ってきたハルカから一言。


「先輩が話したいって」


 といわれ、頭にはてなマークを付けながら玄関の外の出ると青沼が笑顔で出迎えてきて

「付いてきて」

 といわれたのでそのまま付いてきたわけだ。

 かおるの頭の上には三つほどのはてなマークが、かわいらしくゆらゆらと浮かんでいた。


「いきなりすまないね。君も忙しいだろうに」


「あ、いえ、別にそれはかまわないですけど」


 かおるは正直帰りたかったが、ここで相手を無碍にするのもどうかと思ったので、できるだけ粗相のないようにと思い。笑顔を作る。


「まあ、なんだ。君と少し話がしたくてね」


 まあ、それは呼ばれた時点で理解していたことだが、とかおるは何をいまさらと思った。


「ハルカ君から、何か聞いてないかな?」


「はて?」


 かおるは、唐突な質問に首をかしげる。

 何か聞いていないかといわれれば、かおるは確かに、先輩が話したい。とは聞いた。だが、おそらくそんなことではないだろう。

 かおるが理解できないという顔をしていると、青沼はあわてて先を言う。


「ああ、そうか。質問が悪かったね」


 青沼はそういうと、少しはにかんだ。

 なんともさわやかな笑顔だ。

 かおるは、その笑顔があれば、誰でも落ちるんだろうな。と思った。


「俺の話を、彼女から何かきいてないかな?」


「はて?」


 また、かおるには理解ができない言葉だった。なぜに、青沼の話をハルカがかおるにするのだろうか? その思考回路がわからなかった。

 かおるは、今度頭の上に十個くらいはてなマークが出現する。


「・・・そうか。彼女は君に何も言っていないんだね」


「はあ、まあそうなんでしょうね」


 相手は、かおるの反応から察したらしい。なぜか青沼は肩を落としている。


「それがどうかしたんですか?」


「え? まあ、少しね。ショックだった・・・」


 青沼はベンチに腰掛ける。そこは昨日かおるが座っていたところだ。


「実はね。俺はハルカ君にこの前告白をしたんだ」


「ふぁっ!」


 いきなりの言葉にかおるから変な声がする。

 まあ、青沼がハルカに対して告白をしたであろうことくらいは、かおるにも想像はできていた。が、まさかそれをかおるに言ってくるとは思ってもいなかった。青沼は自分のことを良くは思っていないと思っていたからだ。


「そして、見事に断られたよ」


「さいですか・・・」


「でも、あきらめきれなくてね。一週間だけ仮の付き合いをして欲しいって頼んだんだ。女々しいだろう?」


「あはは」


 かおるは、答えに窮して愛想笑いを浮かべる。


「でも、ハルカ君は部活をやめてもいいならと条件を出してきたよ。多分、俺との関係を切りたかったんだろう」


 ということは、つまり、かおるがハルカの異変を察知したあたりということか。


「それは流石にと思ったよ。彼女は才能がるし、これから全国大会のための練習があるってときだからね。でも俺はそれでも彼女に振り向いて欲しかった。だからそれをオーケーしたよ。少しでも可能性があるのならそれに掛ける。それが俺が今まで歩んできた道だからね」


「あはは」


 いきなりの人生論への飛躍だったので、かおるはまた言葉に窮して愛想笑いをする。多分ですか先輩。それは恋愛にまで入れてはいけないのでは? という言葉が後に出てきたがそれは言わなくてよかった。


「それでも許された時間はお昼から夕方までの時間だけ、俺はその一週間に掛けた。だけど、一週間を待たずに、もうわかったよ。俺には彼女を振り向かせることはできないってね」


 青沼は憂いた表情をする。これまた、儚げでハンサムだった。


「どうしてか、わかるかい?」


「いえ・・・」


 青沼はかおるを見る。


「君だよ。稲垣君・・・・」


 その瞳には、認めたくはないがしかたがないという。なんともいえない感情がこめられていた。


「俺ですか?・・・」


「そう君だ。彼女の時間は全部君のための行動されているんだ。俺がどれだけ彼女のことを喜ばせようとしても、彼女は君のことしか考えていないよ。俺の入り込む隙間なんて微塵もなかった。それに今日確信が持てたよ」


 そういうと、青沼はベンチに手を掛けて空を見て大き息を吐いた。これまでの彼からは想像ができないほどのおっさんの声でだ。


「だから、俺はハルカ君のことはもうあきらめることにするよ。最後くらいは男らしく撤退したい・・・」


 今のこの状況は十分男らしくないと思います。とは、かおるはいえなかった。というか、かおると青沼の温度差がものすごいことに、青沼だけが気が付いていない。


「そう・・ですか・・・」


 かおるはできる限り、自分は真剣に聞いていましたよという風に答える。



「いきなりだね」


「俺もびっくりだわ」


「まあ、でもよかったじゃないか、不安が一つ取り除かれて」


「べ、別に気にしてないし」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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