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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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取引ができるのかな件について(仮)


 時刻は午後六時前だ。

 

 かおるは、まだ、誰も帰ってきてはいない自宅に戻る。

 ハルカからは先ほど連絡があり、彼女は七時に帰ってくる。


 かおるは、リビングには入らないで、階段を上がって、自室に入るために、ドアノブに手をかける。


「・・・・・」


 ドアノブを握った瞬間に部屋の中に誰かがいるのが察知された。本来、かおるには感知能力はない。だが、これほどの圧力を感じるとは、相手はかなりの手だれである証拠だ。

 かおるは、自身の周りのバリアを張り、慎重にドアノブを回す。


 ドアが開くと、部屋の中から、気圧の差から生じているのか、部屋の中にいる人物から発せられる圧力のせいなのかわからないが、風を感じた。それにより、一瞬かおるの身はのけぞる。


「やあ、久しぶりだね」


「お前は・・・」


 そこにいたのは、小柄な人物で、その人物から発せられる異様な雰囲気に、かおるは息を呑むと同時に、そのギャップに多少の戸惑いを感じる。

 相手は、窓枠に座っており、窓が明けはなられていた。おそらく、そこから入ったのだろう。

 相手の顔は、窓から入ってくる夕日の光でよくはみえないが、誰なのかはわかった。


「あのときのやつか・・・」


「そう正解」


 その人物は、孝子の家の件のときに出てきた人物であり、最後に意味深なことを言って、消えた人物、フードのやつだ。今も、フードを深くかぶっているので、かおるはわかった。


「いったい、なんのようなんだ? 不法侵入だぞ?」


「あはは、そんな硬いこと言わないでよ。私と、君の仲じゃないか」


「俺は、お前とどんな仲にもなった覚えはないんだけど? もしかして、俺たち、実は昔からの知り合いだったとかいう驚きの展開なのかな?」


 かおるは、相手のペースにはさせないと、あえてお調子者口調を使う。

 相手は、かおるの言葉にふっと笑って、答える。


「残念ながら、漫画とかでよく言う。あの人物が! 的なものじゃないよ。敵だけにね。でも、関わりがないかというとそうじゃないかな。私は、君たちの親みたいな存在だからね」


「親・・・?」


 かおるは、意味がわからなかった。

 

「まあ、今は気にしなくてもいいよ。だから、今から私を攻撃するような馬鹿な真似はしないでくれよ? って言っても、私には攻撃できないんだけどね」


「ん?」


「まあ、いいや。今日はひとつ、あることを聞きに来たんだよ。今日、ある人物に会ったよね?」


 相手は、そういうと窓からひょいっと降りて、かおるの前に来た。近づいてみると、本当に小さい。


「ある人物?」


「そう、なつかしのある人物、君がその力を使う元凶となった人物だよ」


 その言葉で、かおるは、相手が誰のことを言っているのか、わかった。


(上野のことか・・・)


 かおるは、そのことを話すべきが悩む。相手は、いきなり目の前に再登場した上野よりも得体が知れない。というか、かおるはこのフードの人物と、上野や、ルシファーなどは繋がりがあるものだと、勝手に思っていたので、今の状況に戸惑いを感じていた。


「ああ、君が彼と会ったというのは、もう知ってるからそれを隠さなくてもいいよ」


 フードの人物は微笑む。少し口元だけは見ることができた。


「つまり、聞きたいのは、何を話したのかってことか?」


「そういうこと」


 かおるは考える。

 正直、これまで、何かの出来事に巻き込まれるときは、いつもなんの情報も持たずに巻き込まれている。それでは、今後、何かあった際に後手に回るだけだ。

 だが、相手はかなりの人物なのだろう。なにせ、かおるが、張っている結界をもろともせずに家に侵入してきた。しかも、それをかおるに悟らせることなくだ。

 かおるは、部屋にある時計を見る。ここで、戦闘にでもなれば、ハルカに危害が及ぶ可能性だってある。


「取引をしないか?」


「ふふ、君も気がついていると思うけど、私は君の周りの状況をすべてではないが、すべてと言ってもいいくらい知っているわけだよ。つまり、君の守りたい人物のことだって知っているし、いつだって、手を出せる。それでも、そんなことを言うのかい?」


 相手からの圧力が強くなる。本当、この小さな体のどこにそんな力があるのか。

 だが、ここでかおるが臆するわけにはいかない。


「でも、すべてではないわけだろう? だから、俺のところにわざわざ上野のことを聞きに来たわけだからさ、つまり、こっちにも少しは交渉材料があるわけだ」


 かおるは、相手を見据えて言う。

 正直、自分の持っている交渉材料がどれほどのものなのか、かおるにはまったくわからないし、もしかしたら、大したものではないのかもしれないが、ここは運任せに出る。


「別に、大きなことを言うつもりはないんだ。ただ、ここ最近いろいろなことがあってさ、少しは自分の状況を知っておきたいだけだよ」


「・・・・、まあいいよ。少しくらなら教えてあげる。私の独断で動ける範囲だけだけどね」


 かおるは、胸をなでおろす。正直、ここで戦闘になんてなりたくなかったし、フードの人物が言った。守りたい人物に関しては、かおるには重いものだった。





「かおるは、重い人物であった」


「なんかいやだわ」


「かおるは軽い人物だった」


「それもいやだわ」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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