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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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せっかくの時間がな件について(仮)


(この辺かな?)


 かおるは、中央図書館の書庫の一室で、彼が好きな作家のエッセイ本を捜していた。それは、昔の作家のもので、どこに行っても見つけることができなかったものだが、先ほど、パソコンで蔵書サービスで検索を掛けたところ、なんと一冊だけ、保管されているということだったので、司書さんに頼んで、書庫を空けてもらった。


「お! これか!」


 かおるは見つけたうれしさを、声に出していってしまう。

 幸い、周りには誰もいないので、特に何かを言われることも変な目で見られることもなかった。

 かおるは、自分の顔の高さにあるその本を窮屈な陳列棚から、ひっぱりだす。かおるが、目当ての本を引き抜いた瞬間、その隙間はすぐになくなってしまう。直すのに苦労しそうだと、かおるは思った。

 だが、今はそんな心配はいい。


「おお、やっぱりなかなかに年季が入ってるじゃんか・・・」


 かおるはかび臭いその本を数秒眺める。これまで何年も捜し求めていた本だ。かなり感慨深い気持ちにかおるはなっていた。


 その本は、明治時代の作家が、友人に自分の人生の軌跡を伝えるために、数冊だけ作成した本であり、世界に数冊しかなく。それも、友人の子供の世代から、さらに子供の世代に受け継がれる毎に、紛失されたりしているといわれているので、もしかしたら、今かおるの持っているものしかないのかもしれないのである。


 かおるは、それを大事に持って、書庫に置かれている椅子に座る。基本的に、書庫の中にある本は持ち出し禁止なので、取り出した本棚の近くで読むしかない。


 別に、かおるはその本を求めて中央図書館に来たわけではない。

 かおるは、江良さんと一緒に15分ほどまえに、図書館に着いた。そこで、江良さんは児童読み聞かせのバイトに行ってしまった。なんでも、彼のしゃべり方での読み聞かせが子供には人気があるらしい。いつも、両手に花ならぬ。両手に不良な江良さんからは想像がつかない様子だが、普段の彼を考えると、もしかしたら、そういったものが案外似合っているのかもなとも、かおるは思った。

 

 それから、かおるは、受付に行き。そこで、かおると、ハルカの両親が亡くなった自身も巻き込まれた飛行機事故の記事が書いてある新聞記事をお願いした。

 といっても、その当時ではもちろん大きな事件だったので、かなりの枚数があるらしく、その中でも、事故が起きた翌日の新聞記事をとりあえずお願いした。

 そして、その新聞を用意するのに時間が掛かるとのことだったので、暇をつぶすために適当に調べてみると、今まで捜し求めていた本がたまたま見つかったというわけである。


 かおるは、エッセイ本を胸の前ではさんで拝むようにして持つ。


「ふーーーーーー」


 長い息を吐き、何かの神聖なものでも開くかのように、ゆっくりとそれを開く。そして、まず最初のページに目を通そうとする。


「稲垣様、稲垣様、新聞のご準備が整いましたので、受付までお越しください」


「え・・・」


 まさかの、読む瞬間に、アナウンスで呼ばれてしまった。正直、今はアナウンスなど無視して、現在持っている本を読みふけりたい気持ちではあったが、かおるはその欲望を押さえ込み。本を閉じた。


「はあ、仕方ない。さっさと調べて、戻ってこよう」


 かおるは、本をなんとか元の場所に押しこんで戻し、全自動の本棚を元に戻す。




「すみません。稲垣です」


「稲垣様、大変お待たせいたしました。稲垣様がお探しの新聞、計四社分、ご用意いたしました。資料室にご用意しておりますので、そこでお読みください。資料室は、こちらから直進していただいて、突き当たりを左に曲がりますとございます」


 受付の女性は、身を乗り出して腕を大きく使って説明をしてくれた。


「ありがとうございます」


 かおるは、彼女の指したほうに向かって歩いていく。そして、言われた通りに、左に曲がると、そこには大きなドアがありその上に資料室という札が張ってあった。

 かおるはそこを、ゆっくりと開く。観音扉式のドアだ。


「失礼します」


 かおるは少し頭を下げながら入ると、そこは大きな部屋で、大きな机がたくさん容易されていた。そのうちの一つ、奥のスペースのところに一人の女性が立っていた。

 

「あ、稲垣さんですか?」


「あ、はい。そうです」


「こちらへどうぞ」


 その女性は、かおるを手招きする。

 かおるは、それに従い。そちらに向かう。


「こちらが、稲垣さんがお求めの新聞です。読むのはこの部屋だけでお願いいたします。終わりましたらあちらの部屋に私がいますので、お声がけください」


 そういうと、女性はさらに奥にある扉、上に控え室と札がある部屋に入っていった。


 かおるは、周りを見渡す。この部屋は、資料を見るだけの部屋のようで、大きな机以外には特に何もなかった。そして、現在、そこにはかおるしかいない。

 

 かおるは、とりあえず。椅子に座る。

 机の上には、大きな新聞紙の束が四つ広がられている。


 とりあえず。かおるはその中から、自分に一番、近いところにある新聞を手にとった。

「作者はそのとき読んでいる小説に影響されるので字体が安定しません」


「それってどうなの?」


「だめだろうね」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。


五日までご感想の返事遅れます。すみません!

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