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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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ご主人様がいる件について(仮)


 かおるのクラスメイトが地面にひざをつく。


「かおる。こんなやつら、お前ならすぐにやれるだろう? どうして、こんな世界で暮らしているんだよ?」


「・・・・・」


 かおるは臨戦態勢に入る。

 明らかに、昨日の上野とはレベルが違っている。


「な、何が起こったの・・・・?」


「きゃあああああ」


 予期しない出来事に、クラスメイトが混乱する。女子は悲鳴を、男子は沈黙をしている。


「なんなら、俺が代わりにこいつら全員殺してやろうか?」


「テレポート(転移)」


 その瞬間、かおると上野は、街の端にある人があまりこない高台に転移する。


「けっ、なんだよ。せっかく俺がいい提案をしてやったのにさ」


 上野は周りを見ながら言う。


「お前は何が目的なんだ?」


「俺か?」


「!!」


 かおるの目の前から上野が消える。かと思うと、上野に肩をたたかれる。振り向くと、後ろに上野がいた。


(何が起きた?!)


「びっくりだろう? これが俺の新しい能力だ」


 かおるは、まず上野との距離をとるために、後ろに下がる。そして、自身の周りに黒雷炎のバリアを張る。


「お前は、何者なんだ?」


「何ものも、何も、俺は上野だ」


「違う。俺が聞きたいのは、そんなことじゃない。お前はもう人間じゃないだろう?」


 その言葉に上野はにやっとした。


「ああ、そうだ。俺はもう人間じゃない。言うなれば泥人形とでもいうのかな。俺がお前にやられてからのことを話してやろう。俺はフードをかぶったやつから、あの能力をもらった。だが、その副作用のせいで、俺は全身が燃えて、死んじまったんだよ」


「死んだ・・・・?」


「ああ、だが、俺の魂は普通の地獄にはいかなかった。幽冥界をさまようことになる。だが、そこで、あるやつが俺の魂に目をつけたわけだ。なんでも、俺の傲慢さが気に入ったらしい。それで、俺のそいつの能力で、現世に舞い戻ったってわけだ」


「昨日のお前と、今日のお前は別人なのか?」


「いや、同一人物だ。あのときの俺は、お前の能力が今どれほどのものなのか、試すためにほとんど能力を持たない状態で、お前に挑んで消えた。だが、また俺は生き返ったわけだ」


 かおるは、上野の話がどこまで本当なのかと思案していた。

 もし、彼の話が本当ならば、彼をよみがえらした人物、おそらくルシファーは、どれだけの制限があるのかわからないが、何回か人をよみがえらすことができるし、その人物に対して、能力を付加できるというわけだ。


「それで、お前は俺に対して復讐をしにきたのか?」


「はは」


 上野が笑う。


「まあ、俺もそうしたい気持ちがないわけじゃないが、残念ながら、俺は今ご主人様がいる立場でな。そのご主人様は、お前と話しをしたいらしんだよ」


「話?」


「ああ・・・」


「なんや、かおるやんけ?」


そのとき、かおるの耳に聞きなれた振動数の声がした。

 かおるは、その声のする方向、左を見る。

 そこには、いつもの通り、両手に人を引きずって歩いている人物がいた。


「江良さん・・・」


「おう、こんなところで何してんねん?」


 江良さんは、2人に近づいてくる。人をまだ手に持ったままで。


「いや、その、話をしてます」


「ふーん」


 江良さんは、上野を見る。その目は、相手を値踏みするような目だとかおるは感じた。おそらく、上野を警戒しているのだろう。


「お前の名前は?」


 江良さんが、上野にたずねる。


「人に名前を聞くときには、まず自分からだろ?」


「ああ、せやったな。悪い。わしは江良や、かおるの友達やな」


「俺は上野だ」


 かおるは、上野が、江良さんを警戒していると感じた。

 江良さんは、超えし者と呼ばれる存在。つまり。異能力の世界でも例外的存在の人物だ。おそらく、上野はそれをなんとなく、肌で感じているのだろう。


「じゃあ、俺は今日のところはこれで失礼する。近々、俺のご主人様から、連絡があるだろうから、また、そのときに会おうじゃねえか」


「・・・・・・わかった」


 上野はそういうと、その場から一瞬で消えた。


(あいつの能力はいったい・・・・)


 かおるが、先ほど使った言魂によるテレポートと同様の力なのか、それとも別の力なのか・・・。


「かおる!」


 かおるは、江良さんに、肩をたたかれる。

 急に江良さんが、近くに寄ってきていたので、かおるは一瞬びっくりした。


「そないな真剣な顔してどないしたんや? さっきのやつになんかされたんか?」


「いや、別にそういうわけじゃないんですが」


 そのとき、かおるはふと思った。江良さんは超えし者ではあるが、異能力系の知識はまったくない。だが、目の前から、人が一瞬で消えたのに、特になんの反応も示していなかった。そこに、かおるは疑問を感じた。


「江良さん、さっき、上野がどうなったように見えました?」


「え? どうも何も、あっちに歩いていったやろ?」


 江良さんは、手でかおるの右方向を指差す。その返答は、何を言ってるんだ? という雰囲気だった。


「え? 歩いていきましたか? 消えませんでした?」


「はあ? 何言ってんねん。人が消えるわけないやろう」


 江良さんは、笑みを見せる。


(そういえば、江良さんも俺からしたら、急に横にいたな)


「江良さんは、そのとき、俺に向かって歩いてきてましたか?」


「まあ、そうやけど、なんや? お前、そんな天然やったっけか? そういえば、さっきもずっと止まってたもんな」


 間違いない。

 かおるは、上野の能力について、見当が付いた。

「どんな能力なの?」


「まあ、いずれわかるよ」


「何々?」


「だから、いずれわかるって!」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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