表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
140/227

成長すれば変わっていく件について(仮)


 映像が、飛行機の機内の中の映像から、外の映像へと切り替わる。そして、それがエンジン付近の部分に移っていった。


「ん? なんだ?」


 かおるは、そこで、小さな物体が飛行機の周りを飛んでいるのが見える。小さいといっても、飛行機を基準としたものなので、実際には人と同じくらいの大きさはあるだろう。


 その物体に対して次第にフォーカスが合っていく、すると、かおるの予想通り、それは人であり、三人の人間であることがわかった。


(人が中に浮いている・・・)


 少し前までのかおるなら、そんなことは信じられないし、この映像に関しても、なんとも思っていなかっただろう。だが、今は違う。


(異能力者か・・・・)


 飛行機は地上から、見ればゆっくり動いているように見えるが、実際にはものすごい速さで動いている。その飛行機からピタリとくっついて動かないこの三人も、同等にかなりの速さで飛んでいるということだ。それだけで、かなりの手だれであることが理解できた。


 かおるは、さらに映像に集中する。


 三人は、それぞれがそれぞれに牽制をし合っているようで、三つ巴の戦いのようだった。だが、その戦いについては、映像が早いのもあるし、戦闘自体もおそらく高速で行われているので、なんとなくでしか見ることはできなかった。


 次第に三人はエンジン部分から、燃料タンクがある付近に移動する。

 そして、その内に一人が放った攻撃が、飛行機にぶつかった。それにより、飛行機の燃料タンク付近の外装がはがれ、そこから、大量に燃料が漏れ始める。

 だが、攻撃を放ったやつと他の一人はそんなことは気にしないで、戦闘を続ける。そして、一人が必死に飛行機に攻撃が当たらないようにする。

 

 それから、映像はまた機内の中に戻った。


「ねえ、お父さんは?」


 かおるの声だ。


「今、少し用事を済ましに行っているのよ」


「すぐに戻ってくる?」


「ええ、もちろん」


 懐かしい母親の声がした。


「かおる! トランプしようよ!」


 子供のころの、無邪気なハルカが、かおるをトランプに誘う。


 そのとき、飛行機がガタンという音を立てて、揺れだした。

 それと同時に機内放送がかかる。内容はもちろん、燃料タンクから、燃料が漏れ出しているというもので、今から緊急着陸をすると言っている。


 かおるの母親が、かおるを抱きしめる。

 ハルカは、両親から抱きしめられる。


 アラートが鳴り響く機内で、叫び声や、悲鳴、神に祈るものの声が混ざり合い。混沌と化す。


 飛行機は、そのまま町に向かって落下していく。

 

「機長! このままでは、街に落下してしまいます!」


 映像がパイロット室に変わる。


「くそおおおおおおお!」


 機長と呼ばれた男が、必死に操縦ハンドルを上に向かって押し上げる。


「機長!!」


 その瞬間、飛行機が一瞬上昇する。そして、街を抜けて、その先にある山に向かって行く。

 そして、そのまま、山の側面を削っていった。


「かおる!」


 その先の映像が、流れそうになったとき、その声とともにかおるは、目が覚めた。


 目を開けると、目の前に、ハルカがいた。


「何ほうけた顔してるのよ。もう八時前よ? 仕方がないから、起こしてあげたのよ。感謝しなさい!」


「ハルカ・・・」


「何?」


「お前は、昔はかわいい系だったけど、今はきれい系だよな」


「は?!」


 ハルカの顔は見る見るうちに赤くなる。


「いきなり変なこと言うんじゃないわよ!」


「うっ!!」


 ハルカは、かおるの腹に、蹴りを一発かまして、去っていく。見ると、耳まで真っ赤だった。


「早く、起きてご飯だめなさい。待ってるから」


 最後にそういい。ドアを勢いよく閉めた。


 かおるは、起き上がり、とりあえず。遅刻でもしたら、ハルカに何を言われるのかわからないから、急いで準備をした。

 そのおかげで、その日は遅刻することなく学校に行くことができた。



  かおるはその日一日、その日見たのであろう夢について、考えていた。あれが、いったいなんだたのか、本当に起こった出来事だったのかだ。もし、あの映像が本物だというなら、あの事故は異能力者が原因だったというわけだ。しかも、かなりの上級者、それが、なんだというわけではないが、なんとなく気になった。

 この時期に、あの映像、何か関係があるような気がしていたからだ。


 かおるは放課後、あの事故について、もう一度調べてみようと思った。もしかしたら、あんな夢を見るということは、何か、自分の中でまだ、あの事故について思うところがあるのかもしれない。

 だが、まったく関係ないということもある。

 最近あった。いろいろな出来事のせいで、あんな変な夢を見たのかもしれない。だから、ハルカに事故のことについて聞こうかとも思ったが、それはやめておくことにした。というか、事故があってから二人でその話をしたことがないことに、そのとき気がついた。


 キーンコーンカーンコーン!


 最後の授業のチャイムがなる。


 かおるは、勢いよく立ち上がり、教室を出て行こうと思ったが、そのとき、自分が掃除当番であったことを思い出した。

「かおるもかわいかったんだろうか?」


「それはそうだろうよ」


「いや、多分、かわいくなかったよ」


「なんでやねん! (なぞの関西弁)」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ