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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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夢だと自覚できた件について(仮)


「やあ、この前ぶりにちゃんと、会話するね。稲垣 かおる君」


「はあ、そうですね」


 ハルカの隣にいたのは、青沼だった。

 かおるは、彼に軽く頭を下げる。


「それじゃ、先輩、私はこれで」


 ハルカは、青沼に軽く頭を下げて、かおるに近づいてくる。


「何してるのよ? 早く、入りなさいよ」


「え? ああ」


 かおるは、玄関のドアを開けた。

 先にハルカが入る。そして、その後にかおるが入る。そのときに、かおるはちらっと、青沼の顔を見た。彼の表情は最後まで、微笑んでいた。


「晩御飯は、いつがいい?」


 ハルカが、ドアが閉まるのと同時に言う。


「遅くてもいいよ」


 かおるは、少し玄関で用事を済ませてから答える。

 かおるは、リビングに入って時計を見た。時刻は午後四時、後三時間は食べなくても大丈夫だ。


「そう。じゃあ、七時くらいでいいかしら?」


「うん。頼むよ」


 かおるは、右腕を隠しながら、リビングを出て、階段を上がり二階にあがって、自室に入った。


「ふう」


 ため息を吐きながら、荷物を床に降ろす。


「さてと、やりますか」


 かおるは、窓を開けて、外に飛び出した。そして、地面に着地する直前に、黒炎に支えれる。そのままでは足が汚れてしまうので、適当に小さくなって履かなくなってしまったサンダルを先ほど、玄関から持ってきていた。それを履きながら黒炎から降りる。

 そして、かおるは、家の周囲を回る。


(こんな感じか?)


《まあ、大丈夫だろう》


 かおるは、今、家の周囲に漆黒の力による結界を張っていた。別にいちいち外に出なくても、なんとなく周囲に結界を張ることはできるが、それでは、不安だったので、自分の目で確かめながら念入りに結界を張る。


(結界っていうのは、人間にも直接張ることはできるのか?)


《軽く、守護魔術的なものならできるが、あの娘にはやめておいたほうがいいな》


(どうしてだ?)


《・・・、漆黒の力は強力すぎるからな。異能力者ならともかく、あの娘は一般人だろう。影響が強すぎる》


(そうか・・・)


 かおるは、家を回り終える。所々、隣接している家との間を歩いたので、まるで不審者であったが、幸い、人が少ない時間帯だったのか、誰にも見られることなく、仕事を終えた。


 かおるは、二階にある自分の窓を見上げる。

 そして、周囲に誰の視線もないことを確認する。


「Fly(飛べ)」


 かおるの体が、ふわふわと宙に上がる。

 それは、結構不安定なもので、なかなか、窓にはたどり着けなかったが、なんとか、誰にも見られないで、自室に戻ることに成功する。

 かおるは、サンダルを適当に裏返しにしておいて、椅子に腰掛けた。


「はあ、まだ。そこまで安定感がある感じで、使えないか・・・、ちゃんと飛べるようになるまでは時間がかかりそうだなあ・・・・」


 かおるは、少し息を切らしていた。



  -   -   -   -   -



 


 あたりには、白い世界が広がっている。ここには、何もないのが、感覚として感じられる。


 かおるは、今、自分が夢を見ているんだなと実感した。そして、ここまではっきりと、夢を夢として理解できたのは初めてだった。


 そのとき、目の前に、映像が流れ出す。それは、自分の両親とハルカの両親がなくなった事故だ。その映像が、かおるの目の前で何回も流れる。

 あのとき、どうして、自分は飛行機に乗っていたのかと、ふと、かおるは思った。


 ああ、そういえば確か、小学生のときに両家族で、旅行に行ったときの帰りだったか。確か、場所は世界遺産のある海外だった気がする。

 そのときの記憶は、曖昧なものだった。おそらく、両親を失ったことによるショックの影響もあるだろが、それ以前の記憶も、ハルカとの思い出くらいしかなく。両親の記憶はあまりなかった。

 だから、飛行機事故については、中学生のときに新聞で読んで、詳細を知っている。その頃にようやく自分の中で、事故が知識になったのだろう。

 確か、その飛行機事故の原因は、なぜか、燃料タンクに穴が開いたことによる。燃料不足によるもので、そのせいで、確か、ある山に非常着陸した。それにより、乗客のほとんどが死んだ。

 だから、事故の原因は不明ということで決着がついた。だが、生き残った遺族には多大な賠償金が支払われて、それによって、かおるとハルカは、生活を今までできている。

 事故があってからは、身寄りのなかったかおるは、ハルカの祖母の家で暮らすことになる。それが、今の家だ。そのハルカの祖母は、なんともアクティブな人で、今は海内で、ばりばり仕事をしている。なので、ここ数年は、ほとんど2人暮らしだ。


 かおるは、何回も流れる事故の映像を、ずっと見ていた。その映像は、おそらく、飛行機が離陸するときから、事故を起こすまでの時間を再生しているのだが、早すぎて、何がなんだかわからなかった。


 かおるは、いつのまにか、その映像を必死に目で追っていた。


 そのとき、あることを思い出す。

 確か、あのとき、外で何か人が見えたのを、かおるは、必死に両親に伝えていた。まるで、それは、マンガやアニメに出てくるもののようだった・・・・


「!!」


「かおるの圧倒的敗北感!!」


「言うなよ!」


「青沼先輩が主人公なら、この作品の読者ももっと増えるのにねえ」


「やめろおおおおおお!!!!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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