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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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すぐ消える件について(仮)


「ったく、なんだよ。あいつ・・・」


 かおるが去った公園のベンチ前で、竹市がそう吐き捨てる。そして、ベンチに勢いよく座った。


「すみません。わたしが変な行動に出たから、おかしな流れになってしまって、かおるさんもたぶん、触れられたくなかったでしょうし・・・」


「そうだな。俺たちも、変に正子たちをつけるようなしなきゃよかったんだよな」


「これから、どういたしますか?」


 かおるに対しては、竹市は憤りを、正子、トシコ、孝子は申し訳なさを感じていた。


「お嬢様が、申し訳がることないですよ。あいつが、しっかりしないから、悪いんです。自業自得ですよ。本当に情けないやつだ。どうして、自分が大切にしている女を、自分で守ろうとしないんだ!」


 竹市は、地団駄を踏む。


「仕方がないよ。かおるは自分の力がどれだけ危険なものなのか、自分でよく理解しているんだ。考えてもみてよ。俺たちは生まれてから異能力の世界で生きているわけだけど、ここ最近の出来事は、俺たちでも、いや、ここ数十年の中でも、すさまじいものだったと思う。その中心に、かおるはいたわけだね。それは、俺たちが思うよりも、激しい経験だよ・・・。まあ、今回は、俺も調子にのってしまった。つい探偵気分になってしまって口が滑らかに進みすぎたよ」


 良太郎はそういい。肩を落とした。


「とりあえず。明日、あやまりましょうか」


 正子のその言葉に、みながうなずいた。



  -   -   -   -



 かおるは、公園から、まっすぐ家にむかった。別に急いでいたわけではないが、そのときかおるは、早歩きだった。


 自宅の玄関が、視界に入ったとき、誰かが、玄関の前にいるのがわかった。


「?」


 その人物は、今にも、ドアに顔があたりそうな位置でいる。もしかしたら、鼻先くらいはついているのかもしれない。


「あの? どちら様ですか?」


 かおるは、その人物の後ろまで来たのでいう。近づいてみると、その人物はかおると同じくらいの背があった。


 かおるの言葉に相手は反応をしない。


「あの?・・・」


「やっと、みつけた・・・」


「!!」


 その瞬間、かおるはその人物から、言い知れぬ圧力を感じる。

 すぐに、かおるは、後ろに下がって、自分の周囲にバリアを張る。


(間違いない。異能力関係だ・・・)


 相手は、ゆっくりとかおるに向かって振り返り、かおるに向かって不気味な笑顔を見せてきた。そして、相手が、誰なのか、そこでようやくわかった。


「お前は・・・・」


「久しぶりだなあ、二ヶ月ぶりくらいかあ?」


 かおるは、あのとき学校で見たのは、やはりそうだったのだと理解する。


「上野・・・・」


「そう! 俺は上野だ!!」


 その瞬間に、回りに地響きが響き渡る。


「くっ! 何しに来た!?」


 かおるは、全身系を奮い立たせて、完全に臨戦態勢に入る。


「簡単な話だろ?」


 上野は、首を左右に振りながら、かおるに近づいてくる。


「お前に復讐するために決まってるじゃねえか」


 かおるは、まず、息を整える。

 そして、右腕を上野に向かって伸ばした。その瞬間、上野が、かおるに向かって直進してくる。

 かおるは右手から、黒炎弾を放つ。それが、上野に命中する。


「うああああああああ」


 上野が、その場に倒れて、発狂しながら、その場でもだえ転がる。

 そして、その場で上野が泥となっていく。


「やっぱりか・・・」


 かおるは、周囲を見渡す。


「誰かいるんだろう? こんなことして、何をしたいんだ? 俺に用があるなら、自分の姿を現してから仕掛けてこい!」


 かおるの声に対しての返答はなかった。


 かおるは、泥となったそれを触る。


 かおるは、上野が目の前に現れた瞬間、黒雷による、魔眼を発動した。それにより、相手が本物の人間でないことがわかったので、相手を焼き尽くした。


(ベルゴ? これがなんなのかわかるか?)


《わかるぞ・・・》


(なんなんだ?)


 相手が、誰なのかは、大体の予想がついていた。


《大罪悪魔、傲慢を司るもの、ルシファーの仕業だな・・・》


「はあ、また、大罪かよ。わかってたけどさ」


 かおるは大きくため息をつく。

 やっと、平穏無事な生活が戻りつつあったというのに、なんてことだ。


 かおるは、そこで伸びをした。

 はっきり言って状況は最悪かもしれない。

 今回は、今までとは違い。明らかにかおるに対しての攻撃だ。つまり、向こうから、かおるに接触してきた。そして、学校で上野がいたということと、家の前で待ち伏せされていたということは、かおるの素性もすべて、相手はわかっているということになるのだろう。


(まずは、俺が、あいつより早く帰ってきたのはよかったか・・・)


 かおるはとりあえず、家の中に入ろうと思い。ドアに鍵を入れようとする。そのとき、2人の声が、後ろでする。


 かおるは、ゆっくりと、そちらを振り返った。それは、まるで、先ほどの上野のようだった。


「・・・・。えっと・・、今帰りなの?」


「ああ、ちょっとな」


 その人物の一人は、ハルカであった。そして、かおるはその横にいる人物に目を向ける。すると、向こうは、かおるに対して微笑んだ。勝ち誇ったように・・・

「え? これだけの登場なの?」


「短い生涯だったな・・・」


「・・・かわいそう」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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