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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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肩透かしな件について(仮)


「まず、かおるは漆黒の力をここ二ヶ月前に手に入れることになる。それで、今まで、いくつかの戦いに巻き込まれたり、巻き込まれにいったりして、何人もの人を救った・・・」


 良太郎はあごに手をやりながら、まるで自分が名探偵にでもなったかのようなそぶりで話す。かおるは彼は、それがやりたりだけなんじゃないかと思った。


「まあ、そんなこんなで、ここまで来たわけだけど、はっきりいって、今までのかおるにとっては、かなりの環境の変化なんだよ。この状況は・・・」


「それは、そうだろう。いきなり漆黒の力手に入れちゃったんだからさ。一般人だった俺が異能力者で、その中でも特異な力を持つことになったわけだぞ?」


 かおるは少し半笑いで言う。


「確かにその通りだね。そういう周りの状況が変わったということもある。だけど、それだけじゃないよね?」


 良太郎は、かおるを見る。

 これでは、まるで、自分が犯人だなとかおるは思った。


「どういうことだよ?」


「最近、俺はかおるの状況を、いろんな人から聞かされたんだ。まあ、君の周りに座っている人たちからだけどね」


 かおるは、左右に顔を振り四人を見る。

 誰も、かおると目は合わせない。


「そのとき、みんなが一様に感じたことがある。それは、君の中から、何かが抜け落ちたような感じに思えるってことだね」


「抜け落ちている?」


「うん。もう何かをあきらめている感じだね」


「・・・・意味がよくわからないんだけど・・・」


 かおるは本当に意味がわからなかった。自分が何を言われているのか、そして、自分が何にあきらめているというのか・・・。


 そのとき、ふと、ハルカの顔が浮かんだ・・・。


「まあ、そこはまだ、後にしておこう。かおる、君が一般人から異能力者になり、環境が変わった。でもね。それは君の中で大きな変化ではないんだよ。まあ、これは、俺の憶測が入ってくるけど、聞いてね。元来、君はその程度のことで自分の中の何かが大きく変わるような人間じゃない。それは、これまでの適応能力をみても明らかだ。その場の立場で臨機応援に対応できるのが、かおるの特徴ともいえると思う」


「はあ・・・」


 かおるはほめられたのかどうか、わからなかったが、少し、うれしさがこみ上げて来るのを感じる。


「だったら、君の精神に変化を与えたのはなんだろうね?」


「別に俺は変わってないと思うけど・・・」


「それは、異能力者との戦闘なんかじゃなく、普通の生活での出来事が大きいんだよ」


 良太郎は、かおるの言葉を無視する。


「普通の生活?」


 竹市が聞く。


「そう」


 良太郎が微笑む。


「かおるの精神に変化をもたらしたのは、普通の生活の変化だ」


 良太郎は、かおるに対して指差す。

 こいつ、完全に酔っているな。と、その場の全員が思った。


「かおるさんの、普通の生活の変化ってなんですか?」


 正子が聞く。


「それは、もちろん、俺たちさ。いや、それに付随して起こった出来事かな?」


「どういうことだよ? つまり、それは異能力関係じゃないのか?」


 トシコが言う。


「そうですわ。わたくしたちといえば、それですわよね?」


「いや、そうかな?」


 良太郎が二人のほうを見て、言う。


「俺たちは、何も、異能力だけでつながっているわけじゃないよね? いや、俺は異能力関係の繋がりが濃いからあれだけど、少なくとも、この場の中で三人は、かおると同じ学びやで暮らしているわけだよ。つまり、普通の生活の一部にそもそもいた存在というわけだね」


 そういわれれば、そうだな。とかおるは思った。確かに、良太郎や竹市ならともかく、彼女たち三人は学校の有名人だった。

 つまりは、異能力というものがなくてもかかわっていた可能性のある人物たちというわけだ。


 良太郎は続ける。


「こんなに短期間でなくても、長い時間をかければ、かかわっていた可能性がある人物たち、それが、君たち三人なわけだよ。だけど、それは可能性に過ぎず、ほとんどゼロに近い確立だった・・・」


「ゼロ?・・・」


 竹市がこぼす。


「そう、ゼロ」


 その良太郎の言葉を理解できたのは、おそらく、かおるだけだろう。


「ここの説明は、してもいいのかな?」


 かおるが理解していることを、良太郎はわかっていた。そして、その内容はある意味、かおるを傷つけるかもしれない内容だから、良太郎は確認を取ったのである。


「・・・、いいよ。気にしない」


「そう・・・」


 良太郎は、その場で、みなに背を向けて、少し離れた。その行為の特に理由はなく、おそらく、間を取りたかったのだろう。


「かおるは、ボッチだったんだよ。いや、正確には現在もその精神は変わっていない・・・・。相手をしてくれるのは、幼馴染と、おせっかいな同級生のみ。かおるは人付き合いというものを積極的には行ってこなかった」


 その言葉は、四人には予想外でしかなかった。正直、もっと重いものを想像していたからだ。だが、ボッチというのは、他の人間が思っているよりも本人には重要なことなのだ。

 その事実がこれから、語られるかおるの精神的変化によって証明される。


「」

「そう! かおるはボッチだったんだよ!」


「やめろ!」


「ボッチ・・・・ウケる」


「蒸し返すな!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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