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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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口が上手い人間だった件について(仮)


 タブレットの画面に地図が表示される。


「我々の土地は、周りに五つの別の土地に囲まれている内陸地に位置する土地です」


 タブレットの地図がアップされ、かおる達の土地の周りがクローズアップされる。そして、かおる達の土地は赤で表示されていた。


「これまで、正子様のおばあ様が土地管轄理事時代には、彼女の力が強大だったがゆえに、その隣接する別の土地管轄理事とは不干渉という同盟関係にありました。ですが、清様なき後、一つの土地がその同盟関係を破棄する通達をしてきたのです」


 すると、今度は一つの土地が青に染められる。


「現在のその土地の理事は、かなり交戦的な人物で、生前、清様とも幾度か小競り合いを起こしていました。ですが、向こうの理事である川口家は清様のには適わないと見て、目立つ動きはしてきませんでした。ですが、最近は違います。まだ正確ではありませんが、彼らがこの土地を狙っているという情報が回ってきています。そして、現に土地境にはよく、川口家の人間が様子を見に来ていることが確認されています」


 そういえば、この前、努が土地を守るために奔走していると良太郎たちが言っていたのを、かおるは思い出した。


「ですが、確かにこれは問題ですが、まだ、対処できる問題です。平穏を犯そうとしているわけですから、我々も一対一で対峙するのではなく、別の土地と協力すればいいわけです」


 確かにそうだ。隣接する土地は他の四つあるわけだから、そのうちの一つとでも協力すればいい。


「しかし、ここで問題が起こります。おそらく、川口家が他の土地にも同盟破棄の通達を行ったのでしょう。それを皮切りに、今までの同盟関係にあった土地の中でも、今のままでもいいのかということになり、一旦、各理事による話し合いが持たれることになりました。もちろん川口家も含んでです」


 川口家も含むとは、大胆なことをしたなとかおるは思った。そんな、ことをすれば、それこそ戦闘になるかもしれない。

 向こうもそれを察したのか、元から話すつもりだったのか、それについて言う。


「流石に、理事同士の直接的戦闘は回避しないといけませんし、暗殺なんてこともあるかもしれません。なので、それぞれの土地が厳重な警備の元、五人の理事はあうことになりました」


「でもね。川口家をあえて呼んだのがいけなかった」


 努が言う。そして続ける。


「川口家の理事は頭の切れるやつでね。歳も若い。彼はめちゃくちゃなことを言うわけではなく、論理的に今の状況の考えるべき点を指摘しだしたんだ。最初こそ、彼のことを懐疑的に見ていたほかの理事達も、どんどん彼の言葉に飲み込まれていったよ」


「はい、そして、最終的に、集まった六つの土地のうち、三つが最終的に川口家に同調しました。つまり四つの土地が同盟破棄に同意したわけです。でも、その四つの土地が同盟したわけではありません。ばらばらになったというわけです。そして、最後まで同盟に賛成したのは、我々の土地と、穏健派の木藤家が所有する土地だけになりました。そして、残念ながらこの2つの土地は戦闘能力という面では他の四つの土地よりも一段下がります」


 なんとなく、かおるは自分が呼ばれ、こんな大層なお出迎えを受けている理由がわかってきた。


「それでなんだがね」


 努が話し出すと、窓のシャッタが上がっていき、スクリーンも上がって部屋が明るくなる。


「君に力を貸して欲しいんだ」


「具体的には?」


「なぜ、川口家の人間が今まで黙っていたかというと、この土地に強大な結界が敷かれていて、彼らはそれを簡単には敗れないと判断したからなんだ。つまりだね・・・」


「俺の力を使って、この土地に結界を張れというわけですか?」


「大きくいえばそうなる」


「申し訳ないですが、それは無理です。俺にはそこまで広範囲に力を常時使うだけの持久力はないです」


「それは知っているよ。だから、正子の協力をしてほしいんだ」


「協力?」


 かおるは正子を見る。


「正子は、雷竜の力で、これまで広範囲に結界を張る練習を行ってきた。流石に一人ですべてをカバーはできないが、竹市家の人間と協力することで、土地全体をカバーするだけの結界を張ることはできるようになったんだ。だが、問題はその耐久力、残念ながら、それはまだまだなんだよ」


 努は正子に目で合図をする。後は任せたという合図だ。


「それでですね。かおるさん。わたしと契約をして欲しいんです」


「契約?」


「はい、つまり、土地の耐久力向上のための力をお貸しいただきたいわけです」


「それはつまり力を渡すってこと?」


「そうですね」


「俺の力を宮内さんを媒介にして、結界に使うってことだよね?」


「はい、そうです」


「それは宮内さんに負担が掛かる可能性があるんじゃないのか?」


 ここで言う負担とは、結界を張ることに関するものではなく。漆黒の力を持ち主以外が使うことによる体に掛かる負担のことだ。


「多少はあるでしょうが、常時お貸しいただくわけではないんです」


「どういうこと?」

「なんか、大事な立場になってきたんじゃない?」


「まあ、主人公だからな」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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