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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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え? そういう趣味はありませんけどな件について(仮)


「おいおいおい! お前ら本気か?!」


 岡本が俊介なる人物を抑えながら、向かっていく二人に言う。


「お前ら! 何やってんだ?!」


 そのとき、教室に榎本先生が入ってくる。

 流石の俊介なる人物や、その他の2人も彼が入ってくれば動きを止めた。


「いや、先生・・・」


 岡本が口ごもる。


 榎本は、教室を見渡す。

 そして、かおるの赤くなっている頬を見る。


「喧嘩だな? なんか騒いでるっていって職員室に垂れ込みがあったんだ。お前らここを動くなよ。状況は俺が聞く。その前に俺は一旦職員室に戻って説明してくる」


 彼の言葉には、何か逆らえない重みがある。

 榎本は、その目で皆を一度威圧してから教室から出て行った。


「くそっ」


 誰かがそういった。


 それからは、榎本のほかに先生が2人来て、全員が生徒指導質に移動させたれた。

 そこでは、まず全体での聞き取りがあり、その後、個別の聞き取りがあった。

 そのとき、かおるは、正直にすべて話した。別に教師にはハルカとかおるが一緒に住んでいることは知られているし、やましいこともない。今回、かおるは自分にはほとんど落ち度はなかったと思っていた。


「つまり。あれか? お前を介して、2つのグループが揉め出したってことか?」


 個別の聞き取りの最後に榎本にそう聞かれる。


「簡単にいえば、そうなるんじゃないですかね」


「そうか・・・、お前は巻き込まれたわけだな?」


「まあ、はい」


 榎本は、手元にある紙になにか書き込む。おそらく調書というやつだろう。


「よし、いいぞ。戻ってくれ、お前で最後だから、お前達の関しての処遇は、もう少ししてから伝えると皆に伝えてくれ」


「わかりました」


 かおるは、部屋を出る。そして、向かいにある部屋に入る。

 そこには、今回の騒動に関わっている人物が集まっていた。


「後、少し待ってろってさ」


 かおるは、誰かに言うわけでもなくいい。相手いる席に座る。

 もちろん空気は重かった。なぜ、揉めた両グループを同じ部屋に集めているのか不思議であった。また喧嘩が始まるかもしれない。一応、見張りの教師がいるが、それでもするときは、するだろう。


 五分ほどして、榎本と、教頭が入ってきた。それまでかおるはスマホゲームをしていた。


 最初に榎本が話す。


「今回のお前らの処遇だが、草丈と、稲垣を殴った安元は夏休みに入ってから3日間、午前中に学校の清掃と、近所のごみ拾いだ。それ以外の連中は別に構わん。それと、安元は終業式までの放課後も居残りで清掃だ。毎回職員室に来い。その都度やることを言う。いいか?」


「わかりました・・・」


 安元 俊介はぶすっとしながらも、承諾した。


「教頭先生、最後にどうぞ」


 榎本が、教頭に最後を任せる。


「ええ、まあ、今回、いろいろと我々も学ばしてもらった。思春期という多感な時期だ。思うところもたくさんあるだろう。つまずきながらも、生きてさえいればいいこともあるかもしれない。生きたまえ」


 そう言うと、教頭は部屋を出て行った。


 いいことを言っている気はするが、おそらく、今回の騒動はそこまで大きいものではない。だから、かおるには、あまり心には入ってこなかった。

 おそらく、教頭は騒動の内容を知らないんだなと、かおるは思った。


「じゃあ、帰っていいぞ。ちなみに、安元は今日から、清掃だから」


「え・・・、わかました」


 安元だけ、榎本に付いていき、他の人は解散となった。


 かおるは、他の人の動きなど見ないで、足早に玄関に向かい。校門から出た。


「あ、あの!」


 そのとき、後ろから話しかけられる。

 振り向くと、そこには3人いて、先ほどまで同じ部屋にいた人物だ。


「何かな? 草丈君」


「さっきは、ありがとう!」


「ああ、いや別にいいよ。まあ、見方によっちゃ俺のせいでもあるだろうし」


 かおるは、そういい微笑んだ。


「そうだとしても、本当にありがとう」


 草丈は頭を下げた。

 かおるが、参ったなという顔をしていると、彼と、その友人は、かおるに近づいてくる。


「それで、その僕たちの気持ちを聞いてほしいんだ!」


「え? 気持ち?」


 そんな趣味はないんだがとかおる思った。しかも、僕たちって、3人もですか?!

 かおるの顔は引きつる。


「僕たちの中じゃ、いや、僕らみたいな陰気なオタクたちの中じゃ、君はある意味ヒーローなんだ。その御幣がある言い方だけど、稲垣君みたいな、どちらかといえば僕らと同じような人が、いまや、学校の美少女達と仲が良いなんてすごいことだよ!!」


「あ、そうですか・・・」


 予想外の展開に、おもわずかおるは敬語になる。


「うん! 確かに、君の状況に嫉妬を思える人達もいると思う。だけど、そんなこと気にしないでね! 少なくとも、僕たち3人は君の稲垣ハーレムを応援してるから!」


「僕も応援してる!」


「僕も!」


 他の2人も初めて口を開いた。


「あ、ありがとう」


「でも、その・・・、稲垣ハーレムには、井上が必須だと僕らはおもってるんだ」


(ん?)


「だから、実際のところどうかはわからないけど、あんな青沼みたいなやつには絶対に渡さないでくれ!」


「いや、だから別に・・・」


「じゃ、本当に今日はありがとう!」


 かおるの声を無視して、草丈たちは、笑顔で帰っていった。


 かおるは一人ぽつんとして、頭をひねった。

「ついに、かおるにも、新たな性癖が?!」


「いや、ないから」


「新たな?!」


「ないから!!」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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