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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第三部 てこ入れ回な件について(仮)
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なんて日だ!!な件について(仮)


「ここと、ここと、ここと、ここをやったら、帰ってもいいぞ。しっかりやってから帰るんだぞ!」


 榎本先生は、自分が主に使っている化学実験室の中でも汚いと評判の小部屋の掃除を指示した。


「もし、明日見たときにやってなかったら、明日はもう一つやってもらうからな?」


「ははは、了解です」


「じゃあ、頼んだぞお」


 榎本先生はお得意の竹刀を、その辺に叩きつけながら部屋を出て行く。


 かおるは、まさしく汚部屋と言う言葉がそのまま当てはまる惨状を見て思った。


(これは数時間コースではないのか?)


「はあ、やるか・・・」


 ガラガラガラ


 そのとき、部屋に人が入ってくる。

 かおるは榎本先生が入ってきたのだと思い、対応する。


「まだ、何か?、って・・・」


「や、やあ?」


 そこにいたのは、かおるのクラスメイトであった。


「どうしたんだよ?」


「孝に聞いたら、彼のせいでかおるが遅れたっていってたからさ、そのせいで負ってしまったペナルティーを手伝おうと思って」


 そういった人物は、かおるのクラスメイトで、田中の友達であり、彼も中学からの同級生である。中田 春樹である。


「別に春樹が手伝う必要なんてないんだぞ?」


「いいんだ。僕もやりたくてやるだけだし、それに、一人じゃ、大変でしょ?」


 かおるは、部屋をぐるりと見る。


「うん。手伝ってくれ」


「了解」


 春樹とは、田中とは違い、普通の友達という関係性だ。といっても遊んだり、教室で話したりは特にはしないが、必要なときは必要な分だけ話をする。

 そして、中学時代は中田という名前が2人いたので、かおるは彼のことを下の名前で呼んでいる。



 一時間後・・・・


「ふう、まあ、こんなもんかな」


「そうだね。僕も流石に榎本先生もこれ以上は求めてこないと思うよ」


 2人は、綺麗になった部屋で椅子に腰掛ける。


「マジで助かった。ありがろう」


「いや、本当にいいんだよ」


「今度、何かおごるよ」


「いや、ほんとに何もいらないよ」


 春樹は、手を前で振る。

 

 汚部屋の掃除は思ったよりも大変なものだった。おそらくかおる一人なら、ノンストップでやっても三時間は掛かったかもしれない。それほど、春樹の存在は大きかった。


「いや、せめて何か礼をさせてくれ」


 春樹は一瞬、困ったな。という顔をしてから、思いついたように言う。


「それなら、井上さんと仲直りしてよ」


「え?!」


 かおるは思わず大きな声を出してしまう。


「どうして、そんな話になるんだよ?」


「え? だって、今喧嘩中でしょ?」


「いやいや、別に喧嘩なんかしてないよ」

 

 今度はかおるが、ぶるぶると手を前で振る。


「え? そうなの? でも、何かおかしな状況にはなっているんだよね?」


「おかしなって・・・」


 確かに、今までとは少し状況が変わってきているのは確かだ。


「僕はね。というか、僕らというべきかな。僕らは2人の関係性がうらやましいなと思うと同時に、微笑ましく思っているんだよ。だから、その、変な感じでおかしくはなってほしくはないんだよね」


「僕らって、まさかそれ田中が入ってるんじゃないよな?」


「はは、彼はああ見えて、かおるのこと大好きだよ?」


「それはそれで気持ち悪いな」


「だからね。いろいろとあるかもしれないけど、仲がいい二人をまた見せてよ。それが、今回のお礼ってことで」


 そういうと、春樹はドアに向かっていった。


「だから、別に俺達は・・・」


「じゃあね」


 春樹はかおるの言葉を聞かずに、部屋を出て行ってしまった。


「はあ」


 かおるは頭をぽりぽりと掻く。


(なんだかなあ・・・・)




 汚部屋の掃除を終えたかおるは、自分の荷物を取りに教室に戻った。そのとき、しまったと思った。最初から、荷物を持って向かうべきだったと。

 

 かおるは、なるべき音を立てないようにして教室に入る。

 彼らに気づかれないようにして・・・・


 教室には、このクラスのスクールカースト最上位の集団がいた。と同時に、おそらく最下位とされる集団が端で静に話をしていた。


 最下位の集団のことは別に好きでも嫌いでもないので気にはしなかった。しかしかおるには、なぜに最上位の連中と現在同じ教室に彼らがいるのかは疑問だった。必ず何かあれば絡まれるのが落ちであるはずなのに・・・。何か理由があるのかもしれない。

 まあ、彼らにとってどんな理由があれども、かおるにとっての問題は最上位の集団である。その中には、いつもかおるになぜか話しかけて来る岡本がいるし、かおるが最初正子と仲良くなった際に、やたら話を聞いてきたうざい連中もいる。

 最近は正子達3人が、かおるに集まってきてからはなぜか絡んではきていなかった。


 かおるは、自分の机にかけてある鞄を取る。

 そして、さっと帰ろうとする。


「がおる!」


 もう少しで教室を出れるというところで話しかけられる。もちろん、相手は岡本、彼である。


「お前、相変わらず辛気臭い顔してんなあ、その顔が、今日はさらに辛気臭いのは、あれが理由なのか?」


 岡本が近づいてくる。


「まあ、その、なんだ。残念だったな・・・・」


「は? 何が?」


「振られたんだろ?」


 岡本は、かおるに小声でそういってくる。かおるは、そこで頭を抱えそうになった。


(いったい、今日はなんなんだ!)


「なんて日だ!」


「なんて日だ!」


「なんて日だ!」


「なんて日だ!」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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