無題な件について(仮)
「あっちい・・・・」
この時期になるといつも思う。
毎年、こんなにも暑かっただろうかと・・・・。
「これ絶対、温暖化進んでるに決まっているよ」
かおるは、学校に辿りつくまでにすでに、肌に張り付くようになってしまったシャツをのむねをつまみ。自分の素肌とシャツの間に風を通すべく、パタパタとひっぱる。
かおるには、あの衝撃的な一ヶ月ほどがもはや遠い昔のように今は感じられているのだろう。
かおるが、この世の中で最凶と呼ばれる力を手に入れてから二ヶ月が過ぎた。
最初の一ヶ月は波乱、その後の一ヶ月は、何もないというような、なんともアップダウンが激しい人生だと僕は思う。
とはいえ、かおるの学校生活は特に変わりはない。まあ、あるといえば、彼の周りに美少女の取り巻きができたことで、学校の中では、あらぬうわさが蔓延してはいる。どれ、あいつは催眠能力があるとか、汚い手段を使って美少女をはべらしているとか、そんなものだ。
まあ、それも仕方がないだろう。特にその美少女の中の宮内 正子は、この学校のマスコット的存在だった人物だ。その人物が彼のことを好いている。しかも、彼は陰気さこそあれど、他に特筆したところがないのだから、それくらいの嫉妬などは当たり前だろう。
だが、かおるにそんなことは関係がない。
僕が見るかぎり、彼はそんな周りのうわさも知らなければ、ましてや、自分自身に向けられる好意そのものに気が付いていない。
いつも、自分のペースで生活をしている。それができる理由はひとつ。彼には友達がいないからだ。これはあの美少女達を除いてだが。
クラスで彼に話しかける人物は、中学からの同級生である岡本なる人物くらいである。後は、委員長とかが業務連絡的に会話をするくらいだ。
その岡本なる人物に関しても、おそらくかおるからの好意はまったくといっていいほどない。いつも、岡本に話しかけられるたびに鬱陶しいという顔をしている。
ああ、そういえば、上級生に、よく話をしている人物がいた。確か、江良さんとか言う人物だ。この学校の不良であり番長、そして、越えし者だ。これもおそらく相手は、かおるのことを友達だと思っているのだろうが、いつも、彼と話しをするときの彼は、びくびくしている。こちらもかおるからの好意は薄いと見るのがいいだろう。
後は、あれだな。幼馴染の、井上 ハルカ。
彼女とかおるのことを昔から見てきた僕としては、彼女が、メインヒロインであるのに、なんとも、ここまで一度もまともにかおるに相手にされていない。特にここ二ヶ月はひどいものだった。中学から続いていた。2人の昼食の時間も、この騒ぎでほとんど取れなくなってしまった。だが、かおるはかおるで彼女を大事にはしているようで、たまに、彼女の気持ちがよくなるようなことを言う。なんとも最低な男だ。
いや、この状況を見ると、生粋のジゴロなのかもしれない。
そして、朝のチャイムがなる前に、うわさの人物かおるが、教室に入ってきた。
僕は彼のことを横目で見る。
現在、彼の中には、三つの大罪の力が宿っている。
これは驚くべきことだ。その力を最大限に使うことができるなら、世界を征服することも夢ではないだろう。
だが、彼にはそれはできない。
彼は大罪の力を、この土地の中でしか使用はできない。それは彼だけでなく。今まででてきた大罪悪魔もそうである。なぜ、そうなのか、それはこの土地が特別な土地だからである。
なら、なぜ、この土地が特別な土地なのか。
それは、この土地に特別な霊脈が通っているからだ。と、皆が思っている。
でも、本当は違う。それを僕は知っている。
僕は、なんでかおるが、こんなことに巻き込まれているのかも知っているし、ハルカの秘密のことももちろん知っているし、あのフードの人物のことも、もちろん知っている。
だって、今回のことは僕が全部仕組んだことなんだから。
どうして、そんなことをしたのかって?
そんなの簡単さ。この世の中から、異能力者をすべてなくすためだよ。
なんで、そんなことをするのかって?
それはもちろん。人間に対する戒めだね。人間は自分達がこの世界で一番賢く。この世界で一番尊い存在だと思っているだろう?
それが駄目なんだ。
僕たちだって、この世界のことは良く考えたさ。でも、異能力はこの世界では過ぎた力だったようだね。
だって、知っているかい?
この世界の事件で、もうすでに異能力者が関わっていない事件はないんだよ?
流石に、人類をなくすなんてことは、僕も望んでいないからね。
だから、少しの戒めを与えるのさ。
こんなのたわいもないことだろう?
その手始めが大罪達だよ。
おっと、これは喋りすぎかな?
まあでも、いいか、サービスだよ。サービス。
さて、これから、夏休みに向けてと、夏休みに大きなことが起きる。
何が起きるのか楽しみだねえ。
もちろん、その中心にいるのは、稲垣 かおるだ。
どうして、彼なのかは、彼の親の罪だね。
っと、流石に話しすぎか。
え? 最後に僕が誰なのかって?
そんなの簡単さ。
僕は・・・、ただのかおるのクラスメイトだよ。
「さて! 意味のわからない人物がでてきましたが! 作者はちゃんと、この先の展開について考えているのでしょうか?!」
「考えておりません!!」
「ちょっと、今までの感じから、てこ入れをしたいと思いましてね。書いてみたらこんな感じになったらしいです!」
「後! この第三章の次を最終章のつもりで書くらしいです。つまり第四章が最終章となるってことですね! お楽しみに! とも言っていました! 本当に書ききれるのでしょうか?」
「難しいでしょう!」
小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。
お読みいただきありがとうございました。