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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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いつのまにか話が膨らんでいる件について(仮)


「父上!」


「かおる君、お願いできないかな?」


「え?」


「今回の出来事で、俺は自分の考えの過ちに気が付くことができた。それもこれも全部、君のおかげなんだ。そんな君の力に俺達はなりたい。どうか、お願いできないだろうか?」


 敏夫はかおるに頭を下げる。


「いいんじゃないの? 相手もここまで言ってくれてるんだしね」


「そうだぞ。大の大人がここまで言ってるんだ。お前を男を見せろよ」


 良太郎と、竹市が言う。


「わたしからもお願いします。夫の過ちを正してくれたあなたに、これからのことをお願いしたい」


 トシコの隣に座る昭美がも頭を下げる。


「えっと・・・、別に俺は何もしないですよ・・・?」


「それでも構わない。何かあるときに助けになりたいんだ」


「はあ・・・・、分かりました。そういうことにしましょう。でも、条件があります」


「何でも言ってくれ」


「普通に暮らしてください。その、なんていうか、変に俺に構ったり、敬ったりはよしてください。今まで通りでお願いします。忍のことを詳しくは知りませんけど、どこかの家と揉めるようなこともなしです。もし何かあれば、俺も友達の家族の危機を助けるということで協力しますから」


「わかった。善処しよう。それと、ありがとう」


 敏夫は再度頭を下げた。


「だが、一つだけいいかな?」


 敏夫は頭を上げて、かおるを見る。その顔は少し険しいものだった。


「君と、トシコの結婚のことだが・・・」


「へ?」


 そこでかおるは思い出す。

 そういえば、そんな話を最初にしていた。だが、それはトシコがその場を乗り切るために言ったもので、本当のことではない。

 

「それに関しては、まだ、認めるわけにはいかない・・・・」


「どうしてですの?」


 敏夫に向かって昭美が言う。


「別にいいじゃないですの。かおるさんはとても良い方だと、私は思いますわよ。私は2人の結婚に賛成です」


 おっと、話がややこしくなってきた。

 かおるは、トシコに対して、まずいぞ。と訴えるために彼女を見る。すると、トシコは顔を真っ赤にしてうつむいていた。


(ええええ、どうすんのこれえ?)


「いや、だが、昭美! トシコはまだ。若いんだぞ。何があるわからないじゃないか!」


「何をいまさら、見合いさせようとしていた人がよくいいますわ!」


「いや、だから、あれは俺が間違っていたといってるじゃないか・・・、だから、今は違う考えでだな」


「どうせ、あれでしょうに、トシコが誰かに嫁ぐのが我慢ならないのでしょう? 本当にみみっちいお人だこと!」


「いや、俺は別にそういうわけでは・・・・」


「ちょっと、待ってください!」


 かおるが、2人の会話に割って入る。

 このままでは埒があかないと思った。


「俺は、その、まだ結婚とかどうのは考えてませんし、そもそも・・・!」


「なんだね! かおる君! 君はトシコとは遊びだったというのか!」


「トシコに何か不満でもあるのですか?!」


 かおるに2人の集中砲火が飛んでくる。

 かおるは、良太郎と竹市に助けを求める視線を送るが、良太郎は笑いを堪えていて、竹市はあきれている様子であり、相手にしてくれなかった。


「2人とも!」


 かおるが何もせずに2人の口撃を受けていると、トシコが叫ぶ。


「2人のことは2人で考えますから、二人とも黙っていてください!」


「トシコおお・・・」


 トシコの言葉でその場は一件落着となったが、かおるは、より変な方向に舵がきられたのではないかと感じた。


 それからは、正子や孝子なども、かおるに見舞いに来たりして、個室とは言えども、かおるの部屋はてんやわんやとなった。





「ふう、疲れた」


 夜、皆がそれぞれのところに帰った後、かおるは窓から空を見上げてため息をつく。

 忙しい二日間だった。いや、正確にはもっと長い間、いろいろとあったか・・・・。

 

 かおるは、右腕を見る。

 そこには、小さくはなったものの、小さな紋様が広がっている。

 まさか自分の中に漆黒の力なんてものが、入りこんでくるとは思ってもいなかった。しかも、それからというものの様々な出来事に巻き込まれてきたものだ。

 正直、何事もない日常が恋しくも思う。だが、この力を得たことによって知り合いことができた人々のことも今となっては大切だと思えるようになってきた。

 少し寂しいと思うのは、その輪の中にハルカがいないことくらいか・・・・


 かおるは、フードの人物の言葉を思い出す。


「彼女はね。ある秘密があるんだよ。しかも、君がビックリするような秘密がね」


 ハルカに何があるのか、まるで検討は付かない。

 それは、かおるとハルカの今の関係性を揺るがすものなのだろうか、もしかしたら、それがかおるに知れることで、ハルカはどこかに消えてしまうかもしれない。

 

 それは・・・いやだな・・・。


 コンコン! 

 ドアがノックされる。


「どうぞ」


「何だ。結構元気そうじゃない」


 かおるは病室に入ってくる人物に少し驚く。

 

「どうしたんだよ。ハルカ・・・」


 かおるはハルカには、入院してるとは言ってはいない。

 フードの人物の言葉もあり、いやな予感がする。


「どうしたって、電話があったのよ。宮内さんからね。あんたが今入院してるってね」


「そ。そうか」


 かおるは胸をなでおろした。


「人気者だねえ」


「別にいいもんじゃねえよ」


「うわあ、やだやだ」


「な、なんだよ!」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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