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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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どんどん最低になる件について(仮)


「ふん。まあ君の意見を否定する気はない。けれど、今、君は何の力も使うことはできない。その中でどうやって、自分の意見を通す気なんだい? 力がなければ、何も手に入れることはできない」


「あの丸薬は、呑んだ人間の力の根源であるものに、蓋をすることで24時間、力を出させなくするものだろう?」


「そうだ」


「つまり、丸薬一つじゃ、一つの根源しか蓋をできない」


「何がいいたい?」


 敏夫の顔が険しくなる。


「つまり、複数の力の根源を持っている人間には、不確実なんだよ。俺があんたと最初に戦ったときに持っていた力の根源の数は2つだ」


「それなら、調査済みだ。だが、お前が飲んだ丸薬は特別性でな。2つであろうが、蓋はできるものだ」


「なんだろうな」


 かおるは、敏夫の回答を予想していた。


「何?」


「俺は今、2つの力どちらも使えない。だけど、俺には、もう一つの力があるんだよ。しかも、その力は丸薬を呑んだ後に俺の中に入ってきたものだ」


「だから・・なんだというんだ!」


「だから、使えるんだよ。テレポート(転移)」


「!!」


 かおるが、その場から消える。


「どこに行った!」


 かおるは、しばらく姿を見せない。


「ふん、さては逃げたな・・・」


「逃げるかよ」


 敏夫は後ろを振り向く。すると、そこには、2人の人間を抱えたかおるが立っていた。


「トシコが裏切ったわけだからな。トシコを守っていた二人が少し心配だったんだよ」


 かおるが、抱えているのは、竹市と良太郎である。2人は今、意識を失っている。


「まあ、昭美さんは、やさしい人だったみたいだから、軽く意識を失っているだけみたいでよかった。万が一2人を人質にでもとられたら面倒だからな」


 かおるは、2人を適当にその辺にある木にもたれ掛けさせる。


「バリア(結界)。これで、ある程度の心配ごとは終わったな」


 2人の周りに結界ができる。


「それにしても言魂の力は便利だな。でもまあ、まだアウモデウスほどじゃないか、それじゃあ、やろうか?」


「ふん。お前がどれほどの力を持っていようと、こちらには数の力がある! 掛かれ!!」


 かおるに数百人の忍が攻撃を仕掛けてくる。


「その言魂の力、個人戦には向いているかもしれんが、集団戦には向いていないだろう!」


 かおるは、自分に飛び込んでくる忍を冷静に見る。といっても彼らの動きには今の目ではついてはいけないので、残像を見ているだけだ。

 一つ息を吐く。


「scatter(散れ)」


 その言葉をかおるが、呟くように言う。

 その瞬間、周りの忍や、彼らが放った攻撃が皆、吹き飛ばされる。


「「「「うわあああああああああああ」」」」


 一瞬にして、敵は全滅に近い状態となった。


(上手くいったか)


 かおるはそっと胸をなでおろす。

 正直、初めて使うこの力がどの程度の威力を放つことができるのかは、わからなかったので、心配ではあった。

 そして、相手が、ある程度の相手ならば、言魂のほうが、気にしないで使えるという発見もあった。


「な・・・・なん・・・だと・・」


 敏夫はその場に腰を付いて、かおるを見上げる。


「まるで・・・化け物じゃないか・・・」


 敏夫は失禁をしているようであった。

 

 かおるは、敏夫に近づく。


「これで、もう、いろいろとあきらめるか?」


「ああ、お前なんかに勝てるわけがない。俺達の負けだ・・・」


 敏夫はそういうと、その場で何かごそごそとする。


「なんてな! 今のお前は体はただの人間だ。油断したな!」


 敏夫は懐から出した小刀で、かおるに胸を突く。


「かおる!!」

 

 トシコが叫ぶ。


「はは、残念だったね。かおる君・・・・」


「あんたがな」


「何?」


 敏夫のつきは、かおるの胸に届く寸前で、小刀の切っ先が消滅したことで不発に終わる。


「なんでだ?! お前は今、言魂以外の力を使うことはできないはずだ!」


 敏夫は、かおるから少し離れて、叫ぶ。


「そう叫ぶなよ。テレポートして、2人を助けに行ったときに、この力で丸薬の力を操作したんだ。そういう使い方ができるは、この力の本来の持ち主の使い方で知っていたからな。それで、力の根源にされている蓋を外したんだよ。それで、実は今の俺は全部の力を使えたりするわけだ。だから、体のバリアも健在だよ」


「・・・・くそ!」


 敏夫は、その場から駆け出す。かおるから逃げるために。

 だが、そんなものはかおるには無意味だ。


「catch(捕まえる)」


 敏夫が、かおるにひきつけられる。そしてその胸倉をつかまれる。


「ぐっ!」


「部下を見捨てて、逃げるのかよ。まったく、最初はいい親父だと思っていたけど、とんだ最低な人間じゃないか」


「うるさい! お前に何がわかる! 俺さへ生き残れば、篠原家はどうとでもなる! だが、それ以外の人間が生き残ったとしてもそれは無意味だ!」


「それが、娘だとしてもか?」


「ふん。家のために動かないやつなど、娘としても価値はない! ただの道具だ!」


 かおるは、そっと、近くにいるトシコを見る。

 彼女が何を感じているのかはわからない。だが、悲しみはあるだろう。

「かおる、カッコいいね」


「え? そう?」


「いや、嘘だけど」


「なんだよ!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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