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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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どういうことなんだいな件について(仮)


(まずいな・・・、とりあえず、かく乱するか)


 典夫は、印を結ぶ。


「分身の術!」


 典夫の体から、3人ほど、別の典夫が出てくる。

 そして、それが、敵の周りにばらけて、囲み。高速で移動し始めた。

 相手が、自分の動きに付いてこられないのは、前回の戦闘で確認済みだ。


「これなら、お前も簡単に手を出すことはできないだろう」


 典夫は四方八方から、クナイや手裏剣を相手に向かって放つ。これは爆発術布を織り込んだもので、相手に当たる寸前に爆発する。

 

 ボカボカボカ!


 相手の周りが爆炎に包まれる。

 もちろん、こんなことで、相手にダメージを与えられるとは思ってはいない。とりあえず時間を稼げればいいのだ。


「どうした?! そんなものなのか? 漆黒の力とは!」


 そして、相手を煽る。

 相手のほうが力が上なのは明白、だが、戦闘経験はそこまでないと、典夫は見ていた。

 それなら、責めるは精神だ。


 そして、相手は分身を一斉に攻撃はできない。先ほど、数人の忍を相手にしたとき、そこまで黒炎の複数制御をできていなかったのを、典夫は見逃していなかった。


 分身の一人に、黒炎が飛んでくる。


(よし、ということは、他の3人のうち、せめて一人はフリーだな)


「!!」


 そう思ったとき、他の3人にも、黒炎が飛んでくる。

 しかも、それは、正確に典夫を追ってくる。


(そんな馬鹿な・・・)


 分身が次々とやられていく。残るは本体のみ。

 黒炎が典夫に迫る。

 もう駄目だ・・・・。

 そう思ったとき、黒炎は、典夫の鼻先で消滅した。


(なんだ・・・・?)


 それと、同時に、典夫も力が抜けて、その場から動くことができなくなった。



  -   ー   -   -   -



 体が重い・・・。

 力が出ない・・・。

 息が荒い・・・。


 かおるは、後少しのところで、地面に膝を付いた。


「はあ、はあ、はあ」


 いきなりやってきた体の倦怠感、正直意味がわからない。


(やばい、これだと、あの忍に・・・)


 かおるは、自分が仕留めそこなった忍のほうを見る。すると、その忍も自分と同じように膝をついて、息を切らしている。


「やっと、時間が来たみたいだな」


 かおるが、声のするほうを見ると、かおるの右前にある木の枝上に、2人の人物が乗っている。


「どうして? って顔をしているな」


 そこには、トシコの父親と、その息子勇次がいる。


「貴様は、最初から我の術中に嵌っていたのだよ」


 敏夫は、腕を組んでドヤ顔をしている。よほど、今の状況がうれしかったのだろう。鼻息も荒い。


「はあ、何をした?」


「簡単な話だ。俺にはお前の近くにある協力者がいた。それだけだ」


「協力者?」


「ああ」


 かおるは、一人の人間が、自分たちのところに歩いてくるのを、見つける。今は、黒雷の力も使えないので、近くになるまでその人物が誰なのかわからなかった。


 相手が見える位置まで来る。


「え?」


「俺の協力者は、彼女だよ」


「いったい、どういうことだ・・・・」


 かおるは、目の前の人物に驚きを隠せない。


「どうして、君が・・・、説明してくれるよな。トシコ・・・」


 その言葉に、目の前にいるトシコは、ふっと微笑んだ。




「お前が、彼女から、渡されて飲んだ丸薬あるだろう? あれの副作用はな、24時間ほどしたら、多少けだるくなるだけなんて代物ではないんだよ。丸薬の副作用は、服用してから、24時間以内に、自分の力を24時間は使えなくなるんだ。服用する数が増えると、さらにそれが伸びる」


 敏夫が、現在のかおるの状況について説明する。

 つまり、かおるはこれから24時間は、黒炎と、黒雷の両方の力を使うことができないというわけだ。


「これで詰みだな」


 かおるは、その場に座る。そして、トシコを見る。

 その視線は、トシコにどうして自分を裏切っていたのかを説明しろというものだ。それをトシコは感じ取る。


「私はね。トシコではないわ」


「どういうことだ?」


「私は、トシコの母親で、敏夫さんの妻の昭美よ」


「瓜二つってことか?」


「いえ、この体は、トシコよ。そして、あなたに丸薬を渡したのは、私」


 かるは首をかしげる。少し、いや、大分意味がわかっていなかった。


「わかっていないみたいね。あなた達が、敏夫さんに捕まってから、逃げるとき、一度だけトシコがあなたの目の前から姿を消したときがあったでしょう?」


 トシコが姿を消したときは、確か、一度だけあった。


「罠を仕掛けるとか言って離れたときか」


 確か、あのとき、視線がどうのと言っていた気がする。


「そう、そのときに私はこの子の中に入り込んだ。それが、私の術なのよ。それからは、この子の中に入っていたわ」


「ってことは、ずっと、俺はあんたとトシコだと思っていたわけか」


「そういうわけでもないわよ。私は時折しか出てきてないわ。例えば、あなたに丸薬を渡したのは私、そして、その後、あの魔法少女の下まで連れて行ったのも私、だけど、その他はトシコだったわ。だから、まあ、感謝して欲しいわね」


「そりゃもう、感謝してるさ。どういう理由にせよ。あなたの力がなければ、力を取り戻せなかったし、アリスの下にもいけなかったわけだからな。ありがとう」


 かおるの予想外の行動に、昭美、敏夫、勇次は少し驚いた。




「ややこしくなってきたねえ」


「まあ、作者もいろいろと悩みながらだからな」


「上手く着地ができればいいけどね」


「そうだな」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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