表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
110/227

吹っ切れた件について(仮)


 ドカドカドカドカドカ!!!!!!


 かおるに、いくつもの砲弾が飛んでくる。

 かおるは、自分の視界に移るその砲弾を見て思う。


 正直、この攻撃をそのまま受けても自分にはおそらく傷一つつかない。黒炎の力がある限りだ。それでは、かおるの成長には繋がらない。

 だが、黒炎を使わずして、いや、漆黒の力を使わずして、この攻撃を防ぐことは不可能だ。


 というか、後々考えると、今までの自分の行動は無意味であったように、かおるは思う。


 確かに、今までよりも黒炎を工夫して戦ってはいたが、ただそれだけで、根本は漆黒の力を中心としたものだ。

 つまり、元々素人である彼が、小ざかしい努力を今頃したとしてもほとんど意味がない。結局は、漆黒の力があるから対抗できて、それがなければ対抗ができない。

 ということは・・・・。


(漆黒の力を全面的に押し出したほうがいいんじゃないか?)


 そうじゃないと、結局相手を倒せない。

 今の状態は、つまりかおるが手を抜いているというだけだ。

 その先に、成長とか退行とかがあるとは思えない。


 本格的な問題としては、身体能力が異能力者に比べると、劣るというところだ。

 しかし、それに関しても、ある程度改善できる目星が、かおるにはあった。


「もう、いいかあ」


 かおるは、右腕に大きな黒炎を纏う。そして、それを砲弾に向かって、腕を払いながら放つ。


 横長に放たれた黒炎が、砲弾を包み込み、一瞬にしてその存在を消す。


「ベルゴ、もういいや。本気で行くぞ」


《最初から、そうしていればいいものを、本当に面倒なことをしたものだ》


「だよなあ、なんか、そういうモードだったんだよ。戦闘モード的な? でも、よくよく考えれば、俺の力は例外にある存在だから、そんなこと気にしなくてよかったんだよな。アウモデウスに切れてから、変な感じになっちまった」


 かおるは、一つため息を着く。


「だから、まあ、ベルゴ、お前もサポート頼むわ」


《はあ、わかった・・・》


 かおるは、背伸びをしながら、砲弾が飛んできた方向に向かって歩き出す。

 近づくたびに、飛んでくる砲弾の数が増えるが、そのすべてが、かおるの周りから発言する黒炎によって、消される。


 ここは夜の森だ。だが、かおるにはクリアに見えている。もう手加減はしない。目にはもちろん黒雷を付加している。

 その目から見える光景は、砲弾が、今かおるが進んでいる方向から突如として現れている。つまり、ワープしているのだ。

 つまり、本来の砲台は別の場所にあるということだ。

 

「面倒だなあ」


 そういった瞬間、ベルゴの怠惰が移ったのかなとかおるは思った。


 ここが、別に森などではなく、平地などなら、黒炎を遠隔に広げれば早い話だが、森ではそうはいかない。かおるにも一応、環境問題を考える倫理観はもちろんある。

 とりあえず、かおるは砲弾の方向へと進む。


 見たところ、砲弾がワープしている場所は常に、ワープ場所が開いている様子だ。いちいちそんなものを使うわけだから、あそこの付近にも何か罠か、それに準ずるものがあるのだろう。


(常にワープをしているってことは・・・)


 かおるは、黒炎を弱めたものを、纏う。そして、それをワープホールに向かって放つ。すると、それは、ワープホールの中に消えた。

 

 ドカン


 小さな音が、右斜め後ろから聞こえる。

 かおるは、その方向へと目をやる。そして、目を集中する。

 すると、今までよりもより遠いところまで見えるようになる。


「あそこか・・・」


 

  -   -   -   -   -


「何が起きた!!」


 敏夫が叫ぶ。

 辺りは爆風や爆炎に包まれ、先ほどまで猛威を振るっていた砲台が木っ端微塵とかしていた。


「おそらく、漆黒の者の仕業であります!」


 忍の一人が言う。


「あの力をワープから通したというのか、力を弱めて・・・、くそ! 被害は?!」


「砲台はもう機能しないかと!」


「くっ、時間は?!」


「後、数分であります!」


「あいつとの距離は?!」


「500です! 今、漆黒の者は、歩いてこちらに向かってきています」


「よし・・・、典夫君は無事か?!」


 敏夫のその叫び声が、典夫の耳に届く。


「はい、なんとか!」


 典夫は、自身の上に乗っている瓦礫をなんとか退けて、立ち上がる。


「よかった。後、もう少しだ。君も出撃してくれるか?」


(マジか・・・、篠原家には、何か秘策があるらしいが・・・)


 典夫は、とりあえず時間稼ぎができれば勝てるとしか聞いていない。それを聞いて、典夫は、相手の力が切れるまで、攻撃を加え続けるのかと思ったが、どうやら、何かのタイムリミットがあるらしい。


(仕方がない。行くしかないか・・・)


「わかりました! おい、お前達もついて来い!」


 典夫は、砲台部隊の、まだ意識があるものを連れて、出撃をする。

 

 典夫たちはすぐに、かおるの近くまで移動した。そして、相手に気が付かれないように隠れる。


(正直、僕の力では、あの男に何かできるとは思えないが、時間稼ぎぐらいなら・・・)


「何、隠れてるんだよ」


 そのとき、典夫達に、話しかける人物がいる。

 その人物は、目の前の人間だ。


「残念だけど、見えてるぞ」


 その人物は、典夫達の場所に黒炎を放ってくる。

 典夫はそれをなんとかかわすが、部下は皆やられてしまった。

 そして、その人物の前に、典夫は姿を現す。


「驚いたな。まさか、この暗闇で僕達が見えるなんて、忍に転職でしたらいいんじゃないかな」


 典夫は、自分が少しテンパっているのを感じる。

 見つかるとは思っていなかった。 

「何をごちゃごちゃ考えてるのさ」


「いやあ、ね。そういうときもあるだろ?」


「これだから、かおるは・・・」


「な、なんだよ!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ