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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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いろいろ試した件について(仮)


 煙幕の周りでは、忍が数人集まって、何か印を結びながら、かおるを円となって囲む。それをかおるは、目でしっかりと見ていた。


(何かの技か・・・)


 かおるはその技を受けるかどうか迷う。


(受けてみるか)


 かおるは念のため、自らの周りに展開しているバリアを、黒炎のものから、黒雷炎のものにする。

 

「「「粉塵爆発の術!!」」」


 忍が一声にそう叫ぶ。


 ドカーーーーーン!!


 その瞬間、かおるを包んでいる煙が爆発する。

 普通の人間相手なら、致命傷を与えるのには十分な爆発だ。死を与えることも可能だろう。だが、かおるはその爆炎から、無傷で出てくる。かおるの姿を見て、周りにいる忍の中に少しざわめきが起こる。


「粉塵爆発の術って、そのままの名前を叫んだだけじゃんかよ」


 かおるは、今度は、黒炎で周りの煙をすべて焼き尽くした。これで視界がクリアになる。

 かおるは、周りにいる忍を数える。


(全員で・・・10人か・・・、いけるかな)


「「「槍の嵐の術!!」」」


「!!」


 かおるが構えようとしたとき、かおるの上空から、やりの嵐が降り注いでくる。

 声のする方向を見ると、今度は五人くらいの忍が崩れた丘の近くで並んで、印を結んでいた。


(また。そのままの名前かい・・・、でもまあ、そういうものなのか?)


 かおるの周りで槍が焼き尽くされる。


「な、なんだ!?」


 そのとき、かおるを取り囲んでいる忍の一人が叫ぶ。その忍の後ろからは黒炎が出現していた。そして、それは取り囲んでいる忍すべての後ろからも出現していた。

 黒炎は、それから、忍びに向かって攻撃を仕掛ける。

 かおるは、忍の動きを目で追いながら、黒炎の操作をする。


 かおる自身はまだ、力の制御が完璧ではないので、5感で、相手の動きを捉えることはできない。なので、相手の位置を確認しながら、地面に黒炎をもぐらして、それを各忍の位置にあわせて背後から出して、攻撃を仕掛ける。しかも、その攻撃はその後、変化しながら相手を追う。

 これは、黒炎の操作技術の向上と、感知能力の低い、自分が視界を頼りにどこまでできるのかを検証するための攻撃だ。

 

 黒炎が、少しずつ忍を捕らえていく。だが、捕らえようとすれば、その一人だけに意識が集中してしまい。他の黒炎の操作が適当になってしまい。相手を逃がしてしまう。

 結果、10人の内、無力化できたのは3人だった。7人には逃げられてしまった。


「うーん、やっぱり厳しいな」


 それからも忍は、集団戦術を中心として、かおるの攻撃を加えてくる。雷撃、火炎放射、氷漬け、いろいろなものを仕掛けてきた。

 かおるはそれを、あえて黒炎の力をフルに使うことはせずに対応する。

 だが、かおるはあることに気が付き始めていた。


「それにしても、数が減らないな。どんだけ多いんだ?」


 これまでに100人単位で相手を無力化しているはずだ。なのに、相手は減らない。相手が多いのか、それとも別の何か理由があるのか・・・。


  -   -   -   -   -


「いいぞ。この調子だ。この調子で時間稼ぎをしていくんだ。」


 敏夫は、漆黒の使い手から、かなり離れた位置にある大きな木の上から、相手を双眼鏡を使ってみていた。その隣には息子で次男の勇次、そして、阿久津家の次期当主である典夫がいる。


 典夫は双眼鏡を使っていない。忍は訓練で視力を上げることが可能だ。なので、双眼鏡を使っている敏夫を見て、心の中では彼のことを心底見下していた。


「いい感じですね」


 勇次が言う。


「ああ、このまま、夜中まで時間を稼げれば、勝機はあるぞ。いや勝機しかないな」


「しかし、相手はかなりのスピードで、こちらを無力化していますよ?」


 典夫が聞く。


「ああ、そうだね。でも、君もこれがあれば、そんなものは杞憂だと理解しているだろう? 相手を殺すことができない半端なやつには、仕方がない報いだ」


「そうですね」


 典夫は、負傷した忍が、飲んでいる丸薬を見る。


 篠原家秘伝の丸薬で、ほとんどの負傷と、それに付随するものを回復できるものだ。阿久津家が篠原家を手に入れたい理由もこれである。


 だが、この丸薬のことで典夫は一つ知らないことがあった。


「あの丸薬の副作用の詳細はなんなんですか?」


「多少、けだるくなるだけだよ」


 多少けだるくなるだけか・・・


 典夫は丸薬の効果を知るために、飲んでみた。効果はてきめんだ。


(まあ、こんなにも多くの人間が飲んでいるんだ。大丈夫だろう。後で分かるしな)


「砲台部隊! 準備はどうだ?」


 典夫が後ろに待機している大砲を用意している部隊に叫ぶ。

 これは阿久津家から、派遣されてきた部隊で、大砲の弾の軌道を操ることができる特殊な能力を持った一族である。この一族は三年前に典夫が自らの手で手中に収めた一族だ。


「いけます!!」


「お父さん、砲台部隊の攻撃を開始してもいいでしょうか?」


「ああ、頼む。皆を引き上げさせよう」


「はい、しばらくはこれで時間が稼げると思います」


 典夫は、その場から砲台部隊の場所に移動する。そこには、大きな大砲が三台用意されていた。

 そして、典夫は、砲台部隊に指示を出す。


「よし! 放て!!」


 その言葉とともに、砲台から大砲が、連射される。


「いろいろな技が出てくるね」


「ああ、本当はもっと出したかったんだけどな」


「作者が思いつかなかったんだよね?」


「それは言っちゃ駄目だって」



 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。

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