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いきなり漆黒の力手に入れちゃった件について(仮)  作者: 漆黒の鎧
第二部 成長が必要なのかどうなのかという件について(仮)
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実は怖い件について(仮)


「残念ながら、あんた達の火力じゃ、今の俺には届かないぞ」


 かおるは、3人を睨む。


「ふん。いきがるなよ。一般人が、お前に我らの攻撃が届かないとしても、お前のその鈍い攻撃では、我らを捕らえることはできないぞ」


 敏夫が、かおるに対してそう叫ぶ。

 

(確かにそうだな・・・)


 かおるの攻撃は決して遅いものではない。むしろ普通の攻撃よりも早いほうだ。だが、彼らのほうが早い。


 このときの忍との戦闘が、後の黒魔女アリスとの戦闘に役立つこととなる。


(炎で駄目なら、雷ならどうだ? 速度を上げることができるんじゃないか・・・、どうだベルゴ?)


《確かに、黒炎よりも黒雷のほうが速度は速い。2つの攻撃を上手く組み合わせればいいんじゃないか・・・》


 かおるは、自分の向上のためと、最後の切り札として、今回はベルゴの助けを借りていない。


 ベルゴの助言から、かおるは考える。

 彼はまだ、2つの漆黒の力を同時に扱うことに慣れてはいない。なので、黒炎と黒雷を同時に扱うと、もしかすると暴走してしまうかもしれない。


(なら、2つを同時に使えばいいか・・・)


 かおるは、2つの力を掛け合わせる意識で、右腕に力を集中させる。


「お?」


 少しして、右腕から、黒炎と黒雷が2つ発現し、混ざり合う。


「な、なんだそれは・・・!?」


 かおるの右腕に発言している。今までとは比べものにならない力を持つものを見て、敏夫がそう言葉をこぼす。


「まあ、見た目から言って黒雷炎ってとこかな。これなら、もしかしたら、忍の速度についていけるかもしれないな」


 かおるは、それを、まず典夫に向かって放つ。


「な!?」


 黒雷炎が、典夫の顔の真横を通って、後ろにガードレールにぶつかる。と同時にその一帯が粉々になる。


「やべ、ちょっと力の加減をミスったな。あんまり威力自体はいらないか・・・」


 かおるは、自分の中で漆黒の力の調整をなんとなくする。


「次ははずさないからな」


 かおるは、今度は両手に黒雷炎を纏う。


「典夫君!」


 敏夫が叫ぶ。


「くっ!」


「勇次! 攻撃加え続けろ!!」

 

「あ、はい!」


 勇次が、手裏剣やクナイ、爆薬や、催涙弾などの弾薬をかおるに向けえ、手当たり次第に投げる。

 かおるはそれが、自分に届く前に、黒雷炎ですべてなぎ払う。

 それを見て、敏夫が決断をする。


「2人とも! ここは一旦撤退だ!」


「わかりました!」


「・・・・・」


 その瞬間、周りが煙幕に包まれる。この煙幕をかおるが焼き尽くすまでに3人は2人の前から消えていた。


「流石、忍だな・・・」


 かおるは、トシコの元に行く。


「大丈夫か?」


「ああ、助かった。かおる・・・、お前、怒ると怖いな」


「え? そう? まあ、普段怒らないからな。はは」


 そんなに怖かったのか・・・

 かおるは、先ほどの自分を振り返る。


「まあ、少し頭に血が上ってたかな。とりあえず、街までこのまま下る?」


「そうだなあ、そうしよう。今は俺のことより孝子のほうが心配だ。それと、これ、飲んでくれ」


 そういわれて、一つの黒い塊を渡される。


「これは?」


「さっき、あの阿久津家の人間が父上から受け取っていたものと同じものだ。さっきの混乱に乗じて、父上から奪った。これを飲めば、力が回復する。これを飲んでから24時間後に多少、体に負担がかかるけどな」


「そうなのか。まあ、飲むしかないか・・・、それにしてもよかった。トシコに張っていたバリアが消えていることには3人ともばれてなかったみたいだな」


「まあ、それでちょうどよかったわけだけどな」


 実は、黒雷炎を発現してから、上手く黒炎の制御ができなくなり、トシコを守っていたバリアは消えていた。

 だが、それによりトシコは動くことができて、敏夫から薬を奪うことができた。


 かおるは、その薬を飲んだ。

 体に力が満ちていくのを感じる。


「それじゃ、行くか!」


 かおるはトシコに続いて、山を下りていく。


  -   -   -   -   -


「父上、ご無事でよかったです」


「どこがよかっただ。こんな失態、許されるものではない!」


 敏夫は机を叩く。


「すみません、僕が役立たずで・・・」


 典夫が敏夫に頭を下げる。


「いや、いいんだ。君はよく頑張ってくれたよ。ただ、漆黒の力があれほどまでとは、俺の考えが甘かった。くそ!」


「どうしますか?」


「こうなったら、篠原家の全力を持って、あの男を必ず、仕留めてみせる。今から、本家に通達だ。優秀な忍を召集するぞ!」


「それなら、僕も阿久津家に掛け合ってみます」


「いいのかい?」


「ええ、僕も引き下がれないので・・・」


「わかった。頼む」


 典夫は、その場から、立ち去る。


 ある程度、ひと気のないところに行き、典夫は通信機器を取り出す。


「もしもし、はい。大丈夫です。篠原家には上手く取り入りました。ただ、少し問題がありまして、数人、人を送っていただきたいです。はい、ありがとうございます。はい、すべては篠原家を手中に収めるために・・・」


 典夫が通信を終える。


「出てきてくださいよ」


 地面から何かが出てくる。


「やはり、お前は篠原家の乗っ取りを計画していたか・・・」


 義信が、典夫の目の前に立つ。


「流石、次期当主、その忍法も流石ですが、老害とは違い。よく気が付きましたね」


「ふん。阿久津家にはよくないうわさがあるからな。調べさせてもらったよ」


 典夫は義信に近づいていく。


「残念です。もう少し、大人しくしていてくれれば、手を出さずに済んだのに・・・」


「お前がどれだけすごいかは知っているが、俺もそう簡単にやられはせんぞ!」


 典夫と、義信がお互いに向かって走り出す。

「うわあ、かおる、怖いね。一番怖いやつだね」


「そうかな?」


「自覚がないのがまた怖い・・・」


「いや、そんなに引くなよ!」


 小説の中身で気になることがありましたら、感想でもなんでもお尋ねください。書けていない裏設定など、そこで説明したいと思います。

 お読みいただきありがとうございました。


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