ホットドリンク
えっちいシーンは全くありません。(人の基準によりますがw)
僕らは双子。たまに2人でカフェに行く。
弟はホットミルク、僕は少しブラックコーヒーを飲む。
「兄さん、本当にブラックコーヒーが好きなんだね。今改めて思ったよ。」
「お前は大人になってもホットミルクだよなぁ。しかもお砂糖たっぷり、糖尿病になるぞ。」
「ホットミルクに年齢制限はないよ、それにちゃんと度は考えてるって。」
普段からこんな感じの会話をしている。
幼いころからずっと一緒だった僕らは、成人になり家から巣立ってからも2人一緒だ。
今は大学の付近の団地の一室で2人暮らしだ。
「ははは、お子様だねえ」
まぁ、そんなお子様な弟が近頃可愛らしくて仕方がないんだけどね。
「飲み物の趣味だけはね…」
「いいや、僕から見れば、お前はいくつになってもお子様のまんまだよ。」
「兄さんだって同い年じゃないか。僕ら双子でしょ?」
「まぁそうだけど。」
「でも、僕から見た兄さんは、いくつになっても頼もしいよ?」
「そりゃ僕が頼れる兄ちゃんだからだよ。」
さらっと返事したけども…
やっぱり弟に頼もしいとか言われると普通に嬉しいな。
僕はブラックコーヒーを一口飲んだ。弟もつられるようにホットミルクを一口飲む。
その行動もまた親につられる子供のように可愛らしくて愛らしい。
「おい真似するなよ」
「あ、ごめんつられてつい…」
弟は赤面した。 可愛い。
「お子様だなぁ。」
「うん、今のはちょっとお子様だったかも。」
弟は素直にそう答え、苦笑した。 可愛い。
「ははは、…さぁて、お前のだぁいすきなホットミルクが冷めちゃう前に飲み切っちゃいなよ。そしたら帰ろうな。」
「うん、そうだね。」
僕らはどっちが先に飲み終えるか競争した。負けた方が奢るということで。
僕が負けた。
会計を済ました後、帰宅。
「「ただいまー」」
僕らは何となく、ソファに並んで腰かけた。
そして、数秒の沈黙の後、弟は突然口を開いた。
「兄さん」
「んー?」
「すき。」
「はい?」
弟の顔を見ると耳まで真っ赤だった。
「す、好き…だ、よ?」
今度は潤んだ瞳で僕を見ながら。
可愛い。
僕はそっと弟の背中に腕を回し、きゅっと抱きしめた。
弟の体がぴくっと動いた。
「僕も、お前のことずっと前から好きだったんだよ。」
弟の腕が、僕の背中に優しく回された。
「ずっと前っていつ頃から?」
「さぁな、忘れるくらい前から。」
「あはは、そんなに前からなんだね。」
「ずっと片想いかと思ってたよ。」
「そうなんだ…ごめんね、もっと早く言うべきだったかな。」
「いや、いいんだよ。もうそんなの関係ないから。それより、お前汗ぐっしょりだな。」
「あっ、えっとこれは、緊張して冷や汗かいて…」
「そんなにか。シャワー入って来たら?」
「一緒に入ろう?兄さんもちょっと汗かいてる。」
「あ、ホントだ。じゃあそうしようかな。」
そして僕らはシャワーを浴びてきた。
ちなみにえっちいことはしてない。可愛い弟にそんなことするものか!
リビングに行き、カーテンの隙間から窓を見ると、夜になっていたので、僕らは歯を磨いて就寝した。
そのときの湿った髪と幸せな感覚は、きっと忘れないだろう。
夜中のテンションでばばばあああっと書いた作品です。勢いって怖いですね。