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たぶん異世界6日目

たぶん異世界6日目


ここは大陸「アランブラ」にある大国「ローシェンナ」の、とある街道。

私とゆっきーはとりあえず、大都市に続く街道で、この世界と現在の世の中の状況について情報を集めながらふらふらと旅をしながら、首都でも目指すことにした。

途中立ち寄った街か村でお仕事でもあれば、この世界に馴染みがてら働いてもいいし?

と、思っていたが、世の中そう甘くはない。


ぐぅ~


「お腹空いたぁぁぁぁあああ」

『大丈夫か?カオル?』

「大丈夫じゃないっ!人間、食べなきゃしぬのよぉぉぉお。私、昨日から何も食べてないっ」

『・・・魔物か動物でも探して食してはどうか?』


「・・・どうしようかなぁ。食べ方わかんないし、今まで遭遇したのを見る限りあんまり、食欲湧きそうな目ぼしいのいなかったんだよなぁ~」


『そうなのか?』


やっぱり、見た目が美味しそうじゃないとね。

爬虫類みたいな見た目で全身に毛虫みたいな毛生やして、緑のどろっとしたの吐かれたり、足がいっぱい付いていて、気持悪い色の糸吐き出しながら高速で移動してたりするとやっぱり、食欲落ちますよね?


『そういうモノなのか?』


「そういうものですよ。じゃあ、ゆっきーも好みとかあるでしょ?ほら、おいしそうとか!どういうのがいいの?」


ゆっきーは少し考えてから

『我は力が溢れんばかりに漲っていて、誘われるような芳香を放ってるのが良い。カオルも旨そうな部類に入るな。主となってはそんな風には思えないが、もちろん、万が一のことを考えて、他のモノには解らぬように結界も張ってある。他のモノが引き寄せられることもないから、安心するがいい。』


・・・微妙な回答ありがとう。


『あぁ』

と、嬉しそうに何やら相槌を打たれてもねぇ。


って、そういえば、今、私、声に出してなかった気がする・・・?


『それは、我が人間で言う心話のようなもので話す為、声に出さずとも解るからだ。特に主の声は意識せずとも全て聞こえる。だから声に出さずともいついかなる時もどんなに距離が離れていても、我とカオルは言葉を交わすことが出来る』


と、嬉しそうに言われた。

なるほど。まぁ、考えること丸解りってか。

いいんだか悪いんだか・・・


『嫌、残念ながらカオルは、力が強いので気を緩めてる時や私に意識を向けている声しか聞こえぬ』


それは良かった。ゆっきーはまだ何か言ってるけれども、私はそんなことよりも、ご飯だよ。

神龍の森では不思議空間(勝手に命名)のおかげでトイレもお腹も空かなかったが、あそこを出てからはさすがにどっちも来ました。


木の実とかの果物系は毒とかないかチェックしてから(あっても職業柄、耐性があるので大抵何とかなりそうだけれど、用心するに越したことはないよね!)食べたのですが、やはり、お肉とか他のモノが食べたくなる!


はっきり言ってもの足りない!!!


そして、現在の最大の問題はお金がないってことです。

困ったな~この世界の常識がわからなすぎて、職を捜すことも出来ないなんて。


何が怪しいって、家もない上に手持ちのお金がゼロってね。更に言うと、服装とかもどうなのか謎だしね。所謂、異世界の服ってヤツだから、このままだと怪しいと相場が決まってる気がする。


と、ゆっきーと途方に暮れていると(誰が何と言ってもくれてるんですよ!)来ました!

来ましたよ!カモじゃなかった、救いの手が!!!


神様ありがとうぉぉぉぉおおお!!!


「よぉ、ネェちゃん。1人で変わった格好して歩いてんじゃねぇか。おめぇ、迷い人か?よく見るとかわえぇ面してんじゃねぇか?」


「あぁ、アニキ、こいつぁ上玉だぜ。おまけに珍しい髪と瞳の色だ」

「本当だぁ。今は汚いが磨けばかなりのモノになりそうだぜ」


と、ざっと10人くらいの人相があまり良くないおっさんだかお兄ちゃんだかの集団が私を取り囲み、好き勝手言ってくれちゃっている。

これは、もう、ここで私が身包み剥いでもおっけですね!

間違いないですね!ついでにお金も頂いて、ちょっと色々と教えて頂いてもおっけおっけ~お~るおっけ!


はい、決めました。


「どなたが存じ上げませんが、私に何か御用でしょうか?」


と、営業用のスマイルを浮かべながら言ってみる。


世の荒波に揉まれたOL舐めんなよ!!!

さっき、空腹のあまり石に躓いて派手に転んだから、確かに汚いけど、汚いって赤の他人に言われるとイラっと来る今日この頃でございます。


が、そんなの微塵も顔と態度に出しません。


えぇ。さ、だから、早く手を出せ!正当防衛と言う名の下に叩きのめしてやるから。

とか思っていると何やら勝手に話しを進めてくれていたらしく


「俺らと一緒にちょっと来てくんないかな~おめぇさんにとってもいい話だと

思うんだがよ~」


と、下種丸出しの笑いを浮かべながら更にこちらに近寄りつつ言って来た。


イラっ。


「それはあなた方にとっての良い話であって、私にとっての良い話ではなさそうなので恐縮ながら、ご遠慮させて頂きます」


と、にっこり笑って言ってやった。


「うるっせぇ。いいから、おめぇは来るんだよ!」


と叫びながら私の手を掴もうとしてきた。


よっしゃ!はいキタ!これキタ!神様ありがとぉぉおおお!

これでお腹が満たせる!ついでにお金もげっと!


それでは、私、お仕事モードに入らせて頂きます。

うちの家族の方針で職業柄もあり、公私混同はしないというのが小さい頃から叩き込まれております。

お仕事する時と戦う時は割り切ります。別人格と言われますがきっちりと分けてるいるだけです。


『我が片付けようか?』

とのゆっきーのありがたい申し出を断り(嫌、ゆっきーにお願いすると一瞬で消し炭だしね?)

色々と欲しいものとか聞きたいことがあるので、自分でやりますよ!えぇ。


一瞬で私の目つきと雰囲気が変わった。


野党もどきのおっさんの手を取り一本背負いする。

それを皮切りに、私がある程度出来ると判断した彼らは、その道のプロなのか手練なのか、すぐに次々と刃物片手に迫って来た。

一人目を軽く往なして、二人目の鉈らしき武器を奪い蹴り上げ、三人目の剣を鉈で受けた後に・・・

面倒くさくなったので、一気にカタをつけることにした。


気配を消し、


ヒュン。


風が切り裂かれるような音がして、8人程が一瞬で倒れた。

私は速さにものを言わせて急所を突いたのだ。

残りは1人。私の攻撃を避けた。避けるなんてなかなかいい腕してますね。


「?!何だ今のはっ?!おまえはっっ」

ガキン。さっき奪った私の鉈と男の剣がぶつかり金属音が響く。


キン、キン、ガキンッ。


「それはこっちのセリフかなぁ。私のこと売るんだか姦るんだかしようとしたくせにその言い草はないんじゃない?」


言いながらも攻防は続いている。男からの攻撃もなかなか・・・本当いい腕してますね。

お遊び程度の攻撃であっても、私の相手が出来るなんてなかなか見込みがある!

一族にぜひスカウトしたい!スカウトも守護者(ガーディアン)としての立派な仕事のひとつでもあるので、ぜひ!と思うくらいは素敵な腕です。なんか、久々に戦って楽しくなって参りました。

が、遊んでないでいい加減、そろそろ決着付けようかなと思っていたら


ぐぅ~


と、盛大に私のお腹が鳴りました。

もう、それは大きく。もちろん相手にも聞こえました。

間違いないですね。あぁ・・・がっくり。


「ぶはっ。ねぇちゃんお腹すいてんのか?!わかった、ここは俺らの負けで降参だ。負けたから、飯食わしてやるっ!宿付きでどうだ!」


「・・・そうね、お金も2、3日暮らすには困らない程度にくれるなら考えてあげる」

「はっはっは。いいぜ。気に入った!金まで要求するたぁな」

「壊滅するよりいいでしょう?」

「確かにな!はっはっは。俺はクレイ」

「カオル」

「宜しくな!カオル」


とりあえず、ご飯と宿げっと☆


叩きのめしたおっさんだかお兄さんはもちろん気絶してるだけですよ~

命まで奪ったらかわいそうですからね!

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