表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/46

たぶん異世界47日目 4ページ目

転移先は傍の森の中。


目の前には解除の反動で盛大な爆発が起こっていた。

エスが念の為、防御と姿隠しの魔法を展開している為、ばっちりです。色々と。


一緒に転移した男を見ると黒髪に水色・・・に見えたが、幻術で色を変えてるらしい。本来は紅色。

初めてみた色だが、綺麗だなと思って爆発音もなんのそのでじっと見ていたら男が口を開いた。


「礼を言う。オレはシーリウス・シリス・アドルフス・アーダンベルト・ベニート・プランドリア・ウィスタリア。シリスと呼んでくれ。君は?・・・どうした?何か?」


「どういたしまして。私はカオル、カオル・トウドウ・・・」


名前ながっ!コイツも名前長いな。覚えるの面倒なのでパス。

そして、コイツの名前もどっかで聞いたことのあるようなのが入っていたような・・・?深く考えるのはよそう。経験上碌な事にならないとこっちの世界に来て学んびましたよ。


そして、ここで、私は彼の瞳のことを言おうか迷った。

隠してるものを言うのもな~と思ったのと、また、面倒になったらな~とも。

でも、こんなに見ちゃった後に別にって気になりますよね。えぇ。私なら気になりますとも。無理矢理聞き出したいくらいには!


と、言うことで言うことにします。


「綺麗な眼だなと思って。紅って初めてみたな~と。あ、私、最近、異世界から来たので初めて見たのでついついじっと見てしまいました。すみません」


「・・・ありがとう・・・」


「じゃあ、これで」


私は、くるっと彼に背を向けて歩き出した。

ユッキーと合流しないとね~


「?!待て!待ってくれ!カオル嬢」


おぉ!カオル嬢とは新しい!

「はい?なんでしょう?」


「君は何処に行くんだ?」


「それが貴方に関係ありますか?私は解放して差し上げただけですので、後は関係ありません。私の好きにしますし、もちろん、あなたも自由にして下さって結構です」


「女の一人歩きは物騒だと思うので、お礼代わりに近場の集落まで護衛させてもらえないだろうか?」


こいつ・・・ヒルトと言い、この世界の常套句なのか?女を護衛するとか?

そんな紳士な世界なのか?!

しかも、私に助けて貰った分際で護衛とか・・・たぶん、私の方がどちらかと言うと護ってあげる☆と言う感じじゃないでしょうかね?って言うのは冗談でヒルトと同じくらい強そうな気配がするから何とも言えませんが・・・面倒ですね。


と、ツッコミはこれくらいにして、社会人たるもの、これくらいの対応が出来なくてどうしますってね!


「いえ、結構です。ご心配頂いて恐縮ですが、連れがいるので大丈夫ですから。それで・・・はっ?!」


クルっと踵を返した瞬間に腕を掴まれ


「君はあの組織を探っているんだろう?オレもあの組織に用があり、潜り込んでいたんだが、失敗してしまって囚われてしまっていたところを君に助けられた。君は命の恩人であり、オレは君がオレの唯一だと感じた。自分の直感、ヒトを見る目には自信があるんだ。オレは、現在は傭兵をしているが、本職は騎士だ。だから、君に忠誠を誓わせてくれ」



「・・・」



はい、出ました。

頭沸いてるの。


だから、森はいやなんですよ・・・碌な事がない。

忠誠ってなんじゃそりゃ?


今までの行動と会話の中にそんな要素ありませんでしたよね?



命を掛けて奴隷しますってアレですか?

アレなんですか?!


おかしくないですか?助けたからって、可笑しいですよね?

しかも、勘で忠誠誓いたいってあんた、私のこと知らないですよね?

私ももちろん知りません。



とりあえず、疑問に思ったら、確認です。



「すみません、忠誠ってなんですか?ちょっと、私、異世界人・・・えーと、一般的には・・・迷い人?だったかな?なんで、よくわからないのですが・・・」




「忠誠は騎士に取っての主で、生涯唯一無二の存在です。忠誠を誓うと言うことは主に一生を捧げる、生涯どんな状況になろうとも護り、付き従うと言うことです。オレは、なんと言って良いのか、正直自分でも戸惑っているが、君にどうしようもない程惹かれた。これが一目惚れと言う感覚なのかもしれない。君の傍で護り、君の為に命を落としてもきっと、悔いは残らないと思えるんだ。きっと、君にオレは必要ないのだろうこともわかるし、君にしたらオレの頭が可笑しいんじゃないかと警戒するだろう。安心しろ。忠誠は主となるものには益になるが、害にはならない。その最たるものが・・・そうだな。もし、君が剣で心臓を貫かれたとする。普通なら即死だ。が、忠誠を誓った騎士がいる場合は主の代わりに騎士が死に至る。だから、予備の命が出来たと思ってオレの主になってくれないか?」


そう言って、シリスは幻術を解き、真実の姿で私に方膝を付き、剣を異空間から出して(おそらく、魔剣か何かだろう)両手で私に捧げるようにして言葉を紡ぐ


「我が魂は君のものにして、我が命もまた君に属すること。我が剣の主たるに依存なくば、我が剣を受け給え。我が忠誠の誓いに疑いあらば、この剣を押し、わが命を取ることを願わん。シーリウス・シリス・アドルフス・アーダンベルト・ベニート・プランドリア・ウィスタリアはカオル・トウドウに誓う」



シリスの言葉と同時に魔方陣のようなものが発動し、私とシリスを囲う。


「貴方にメリットは?」

私はシリスに問う。



「君と共にいれば、オレはオレの求めるものが手に入る気がする」



「望みは?」



「退屈しない人生と揺るがない絆」


「期待外れだと思うよ?」


「オレは自分の直感を信じる、お前をオレの唯一だ」


「諦めてくれる確立は?」


「承諾してくれるまで付き纏う。忠誠誓った後に君が自殺すれば、オレは死ぬから解放されるぜ?」




「飽きれた。それで死んでもいいの?」




「君がオレの死を望むなら」




「そこまでする理由は?」




「自分でもわからない。だから、惚れたからだろ?ひと目で」




私はひとつ、溜め息を付いて諦めた。

まぁ、役に立ちそうだからしょうがない。



私は彼の忠誠に応える為に、私も幻術を解き、真実の姿で双剣『クラウディア』を手に言葉を紡ぐ。


「我、カオル・トウドウはシーリウス・シリス・アドルフス・アーダンベルト・ベニート・プランドリア・ウィスタリアを真の騎士、唯一無二の騎士であることを許すと共に、汝に生涯絶対の命令を課す。いつ、如何なる状況であろうとも私の為に生きろ。例え頭だけになろうとも、生きて役に立て」



彼は私を凝視したまま、しばし無言であったが、正気を取り戻したのか、しばらくしてから言葉を発した。



「御意」



彼はしばらく、頭を垂れたままだった。






まだ、先ほどの爆発は続いており、森を照らしている。





不本意ながら騎士をげっとしました。

面倒だなぁ・・・

ヒルトがもう少しで出て来ると思います~うかうかしてるとシリスが出張っちゃうよ!ヒルトってね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ