たぶん異世界42日目 ~ティアの日記~
すみません。お待たせしました。どの話からやろうか迷っていたら遅くなってしまいました。お気に入り登録なりがとうございます。嬉しいです。励みになります。
お姉さまと二人、やっと、あの鬱陶しい下僕・・・男共とお別れして楽しい旅に戻りました。
さすが、お姉さま!
別れ際も見事でした。あの氷の王子と言われていた王太子に素晴らしい言葉を放って!
ルイス王子はお姉さまにベタ惚れのようですが、王子の恋心を見事に玉砕させるどころか、石臼で粉にしてましたよ!
いい気味ですわ!
お~ほっほっほっほ!
私のお姉さまに色目を遣うからですわ!
それにしても、ルイス王子のあの様子・・・きっと、ルイス王子を知るモノ達が見たら卒倒するやもしれません。私もご本人・・・同一人物とは信じられなかったくらいですから・・・
泣く子も黙る死神だなんて、お姉さまに対するあのデレっぷりと猛アタック振りを見たら驚愕すると思います。より取り見取り、男も女も群がって誰もを一刀両断に容赦なく切り捨て、特に女は近寄らせないと有名でしたが、あれはデマだったのでしょうか・・・?
お姉さまは疑われてるか退屈凌ぎと仰っておいででしたが、私にはお姉さまの魅力に参ってしまったようにしか見えません・・・私は何度、彼の絶対零度の視線に晒されたことか。さすがは死神。かなりの死線を潜り抜けて来ただけはありますね。本気で来られたら、恐らく私は敵わない気が致します。が、これとそれとは話が別です。
例え王族だろうが、ぽっと出のわけのわからない男に!大好きなお姉さまを渡すわけには参りません!
きっと、あの様子では、ルイス王子はお姉さまにこっぴどく振られたのですが、執念深く諦めないでしょう。あの王子は執念深そうです。次にお会いするまでにはお姉さまを守れるように私も更なる精進をしなければ!
あの王子はかなりのキレモノそうなので、腕はもちろん、知略戦も出来るように頑張らなければいけません!それにあの側近も油断ならなさそうです。恐らく王子の命なのでしょうが、私をお姉さまから引き離そうと何度もあの手この手で色々とされましたからね!もちろん、私、回避してやりましたわ!
そんなこんなでやっと、あいつらと別れて、大好きなお姉さまと二人、楽しく旅をしてました。
目的地は、ルイス王子のいそうな首都グーズグレイから魔術都市スーレットに変更しました。
何でも、スーレットは現在、特別に『女神の涙』と言う魔法精霊石を公開してるんだとか。
普通は魔法の力を込めた魔法石か精霊の力を封じ込めた精霊石で力があまりないものでも簡単に発動できるものなのです。が、この魔法精霊石と言うのは魔法石に精霊の力を封じ込め、両方の力を有したもので、あまり力のないモノでも大きな力を発動出来るものになります。
その中でも、誰がいつどのように作ったのかはわかりませんが、神のような強い力を発動出来る石が稀に出回ることがあります。このようなものを回収、管理するのも国です。もちろん、私達のような裏家業のものたちが、秘密裏に売買取引することもあります。
話が逸れてしまいましたね、その回収したものをたまに一般公開する場合があります。
これは市民の希望が多いのと研究の為と両方ですね。
今回も例に漏れず、一般公開のようです。
この『女神の涙』は魔法精霊石の中でも女神と付くくらい類稀な力を持つものでこれ一個で街が一つ軽く征することが出来るほどだそうです。
この噂を聞いたお姉さまは、ひと目みたいと、ゆっきーさまに乗ってひとっとびでこの魔術都市スーレットに来たわけです。
さすが、お姉さまとゆっきーさま!
魔術都市は防衛面でも最高レベルを誇ってるはずなのですが、難なくクリアでした。
もちろん、心配してはいませんでしたが。
スーレットに来た私達は宿を決め、私は情報収集も兼ねて、ジャスティアのスーレット支部に挨拶の為、お姉さまは先に『女神の涙』を見学に行くとのことで(もちろん、後日、改めて私も一緒に見学に行きますわよ)、ガイドに載っていたカフェに現地集合で約束をし、ジャスティアのスーレット支部に向かった。
目的地はスーレットの商業地区一等地にある。
ジャスティアの本業は裏家業だが、表向きは商会等色々な事業を行っている。もちろん隠れ蓑としてと言うこともあるが、所属するものにとっての利便性等も考えてが大きい。流れものよりも社員としてどこかに所属している方が色々と社会的にもいいからだ。
お父様やお兄様は一応、表向き家業のトップということになっている。かくいう私もそうだ。お姉さまと旅をしながらも、実は地道に仕事をしたり、こうして立ち寄った支部の視察をしたりしている。
ここ、スーレットでは魔術都市と言うことで、魔術関係の商品を扱う商会を中心に展開しており、その中枢を担う建物とともにジャスティア支部もある。
私は表向きは商会の社員である為、社員証を提示し中へ。
更にジャスティア本部に入る為の、特別な場所に証を提示する。
何となく、違和感を感じた。
と思った瞬間に、考えるよりも体が反応した。
前に飛びながら、自分の愛用の武器であるブーメランで応戦。
ガキンッッ
「さすがはジャスティアの頭首の娘ですね。女神は貴女を欲しているので私とご一緒して頂けませんでしょうか?エスティア・マークナー嬢」
血の海の中、真っ黒な男が私に攻撃を仕掛けながら微笑んだ。
私はお姉さまとの約束の場所に行くことは出来なかった。




