たぶん異世界28日目 ~ヒルトの日記 2ページ目~
ティアと言う女を交えて遅い昼食を取りながら、俺たち4人は話をしていた。
ティアは俺とユージンが何者であるか気付いているようではあったが特に何の反応もない。
しかし、さすが俺の最愛のカオルと一緒にいるだけあって、手練なのはもちろん、頭もかなり切れるらしい。話の中心は俺たちやティア、もしくはカオルについての話題かと思いきや、終始、幻のきのこの情報についてだった。
当たり前なんだろうが、俺の知らないカオルの情報を少しは聞けると期待していただけに少し残念だった。
ティアの話を聞いていると、どうやら、例のきのこは最近、噂の高位精霊らしきものが出現するばしょに生息しているらしい。
俺は反対したが、カオルは
「何の為に来たと思ってるんですか?ヒルトは来なくていいですよ。私とティアで行きますから。高位精霊だかおばけだかのいるのかいないのかもわからないようなものの噂を怖がっていては、きのこハンターの名が廃ります!」
と、言った。さすが、カオル・・・微妙にズレた答えが返って来た気がする・・・
俺はカオルが心配なだけだったのに・・・カオルを危険な目に合わせるくらいなら、俺が取ってくると言ってみたがこれも却下された。何でも、自分で狩らなければロマンがないから駄目らしい・・・
結局、明日の朝に出発するということで落ち着き、それぞれの部屋に戻った。
部屋は俺とユージン、カオルとティアになっていたので各々、部屋へ。
「ヒル・・・、おまえ、ことある事にカオルの話に持っていこうとするのをやめろ。嫌われるぞ?カオルのことを知りたいのはわかるが、変態丸出しで気持ち悪いぞ?」
「・・・そうか?そんな風にした覚えはないが・・・」
確かに、ちょっとした会話の隙間に好みを聞いたり、好きなことを聞いたり、やりたいことを聞いたり、好みを聞いたりした気はするが、そんなに不自然だっただろうか・・・?
「彼女、思いっきり引いてたぞ?空気読めよ!おまえはっ!泣く子も黙る死神の名が泣くぞ?」
「嫁?嫁にはもちろん、絶対するに決まってるどころか、カオル以外にはないが、ここでいきなりプロポーズは・・・
「人の話を聞け、ヒル・・・夢見てると、カオルに逃げられて、嫁どころか、一生会えなくなるかもな・・・
「!ユージン、本題は?」
「・・・まぁ、いい。で、優秀なる我が主はどなさるおつもりで?」
「最優先はカオルの安全確保だ。明日の出発前に偵察を。明け方までには戻る」
「了解」
「しかし、本当に高位精霊なんているのかね?」
「わからん。ただ、ここは聖域のように精霊たちの気配が多く、力に満ちている。いても不思議ではないな」
「何も命掛けで、きのこ取らんでもいいんじゃないかねぇ」
「それは俺たちが口出すべきことではないだろう。無理を言って、勝手について来たのは俺たちの方なのだから。こんなことにお前を付き合わせてすまない。ユージン」
「まぁ、訓練の一環と思えばいいからいいけど?それに、ヒルのおもしろいところと意外な一面が見れて退屈しないし?」
「ありがとう」
俺たちは軽く準備を済ませ、明日、行く予定の場所を偵察すべく、目的の場所を目指し、すぐに出発した。
もちろん、カオル達には気付かれないように静かに。
カオルを危険に晒したくない俺は明日行く場所を予め、確認することにした。
もし、獣や噂の高位精霊がいれば、先に排除しておこうと思ったのだ。
高位精霊程度なら、よっぽどの数でもない限りは排除出来る。
俺はカオルの為なら何でもしてやりたかった。
そうして、ユージンと共に俺は夜の森に消えて行った。




