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たぶん異世界27日目

結局、あの後、美味しそうな洋食系のご飯屋さんに入ってご飯を食べて(すごく美味しかったので、次はティアと来よう)戦利品の換金をと思ったのだが、ティアのコネのがいい値で売れそうなので街をふらついて帰った。


ヒルトは終始笑顔で

「まるで、俺たち恋人同士みたいだな」


と、言ってずぅぅぅううううっと、飽きもせずに砂吐くような言葉を囁いてました。

ウゼェェェエエエエ・・・サブイボだよ。

右から左に流すことにしました。会社でよくあったな。こんなこと・・・


そして、今朝もやっぱり、ヒルトが私と同じタイミングで扉を開ける。


あっち行け、ストーカー。

と、思っても言葉と態度に出さない。OL時代に培った経験の賜物です。


昨日と違うのは地味男モードのヒルトであること。


そして、やっぱり、連いて来ることに。

もう、歩く財布と思って諦めることにしました。


今日はご飯を食べて、また、森の方に散策に行ってみますかね。

きのこ狩りと称して、情報収集がてら森に行ってヒルトをこき使ってやろうと思います。

少しでも役に立って貰わないとやり切れない・・・


そんなこんなで、商業地区を歩いていると蒼髪、紫眼の軍服らしきもの(この国の軍服をまだ、見たことないのでわからないが、それっぽい)を着た男が私たちの傍に来て、ヒルトに小声で話し掛けました。


う~ん。彼もなかなかの剣の使い手と見ました。力ももちろんありそうです。

ヒルトほどは強くないようなので、ヒルトの部下あたりでしょうか?

まぁ、ヒルトは規格外な気もしますが。


「殿下、ご無事でいらっしゃったんですね。そして、それはどうされたんですか?」


・・・殿下?

今、殿下と仰いましたか?この男・・・と、言うことはヒルトはやっぱり王族で、王子様あたりですかね?何番目なんでしょうね・・・そこが問題ですね。確認する機会したくないのでもちろん総スルーですが・・・もし、まかり間違って、確認する羽目になって、一番目なら即刻、トンズラですね。


「あぁ。お前も無事のようだな、他の者も無事か?」

「えぇ、殿下のおかげで全員ピンピンしてますよ。で、こちらの方は・・・」


「彼女は俺の命の恩人でー」


よっしゃ!来た!回収しに来たよ!やっと!待ってました!

礼儀に反してるとわかっていても、ここは譲れない!

私は、この機会を逃してたまるかと、ヒルトの言葉を遮って話し掛けた。


「お初にお目に掛かります。カオル・トウドウと申します。ヒルトとは患者と医師と言う関係です。身元がわからなかったので、様子見がてらご一緒しておりましたが、あなたは、ヒルトのご関係者とお見受けします。彼にしっかりと休息を取らせてあげて下さいね。これで私も安心です。それでは」


と、一息に言って去ろうとした私の腕を、がしっとヒルトが掴んだ。


「待ってくれ。どうして、去ろうとするんだ?」

私の顔を覗き込んで言う。


私のことより部下らしき男の質問に答えろよっ!


そんなの、さっさと、あなたと縁を切りたいからでしょうがよ!!

空気読めよ。読んでるけど無視ってか?しかも、この手はなんなんでしょうね?

外れないし。ここで無理矢理剥がしたいけど、衆人監視の中だよ。ははははは。

くそっ。


そんな私たちの様子を蒼髪、紫眼の男は唖然とした様子で見ていた。

そして、はっとして、声を掛けて来た。


「申し送れました。私、殿下の側近をやっております、ユージン・アルバート・ジャスティアスと申します。殿下が大変お世話になりましたことをお礼申し上げます。ありがとうございます」


ユージンさんは私に向かって、笑顔で優雅に一礼した。

やはり、側近だったのか。しかも、ヒルトと同様、動きに無駄がない。


「ユージン。彼女は俺の特別なヒトで、今、見ての通り、取り込み中だ。急ぎでなければ、後で頼む」


オイッ!取り込んでるのはお前だけだろうがよっ!

私は全然、全く取り込んでませんよ。

と、言うのを態度にも全力で出してみる。

言葉にすると、社会人として失格ですからね。態度も失格な気がしますが、ここはもう、自分の身の安全確保を優先に・・・でもやっぱり、ちょっぴり、ここは穏便にですね。


「わかりました。では、後ほど。連絡をお待ちしております」

そうして、私の希望の星は素晴らしい笑顔を浮かべて去って行った。


おぉぉおおおうぅぅうううう。



結局、森に行く気にもなれず、ヒルトとお別れするのは無理でした。



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